あらすじ
お金はこれからどうなるのか? お金の歴史とその仕組み、そして変化、未来まで、スッキリ解説します! ▲お金の起源は、物々交換ではなく動かせない石だった?/▲通貨の価値は信用×汎用というシンプルな方程式で測れる/▲国家、技術、経済、社会の変化が、お金を変化させる/▲新しい時代、お金についての10の習慣を意識する
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Posted by ブクログ
お金とは何なのか、お金とどう付き合っていけばいいか
この本を読むきっかけは、
1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法 山口揚平
を読んだからです。
山口さんの他の本も読んでみたいと欲しました。
「文脈の毀損」と言葉にして指摘されたところに共感、いや共鳴する感覚がありました!
そう!お金で交換するとそれで済まされてしまう感じ!
私は目標設定に対して疑問を持っていて、調べています。
この本はその点で私にとってはとても良い参考になりました。
ありがたいです。
「好きなことをしましょう」
啓発書でもビジネス書でも、アドバイスでもこの言葉は耳にタコができるぐらい聞きます。
本質を突いているようで、実は好きなことができる人は少ないのではと疑っています。
これは私の主観的な感覚です。
私はいわゆる良い子に育ちました。
そこで大事なのは、言われたことを「済ませる」ことです。
この「済ませる」は調味料に例えると焼肉のたれと同じぐらい万能です。
例えば、食事を済ませる、掃除を済ませる、仕事を済ませる。
済ませると言う言葉でしっくりきてしまう時、みんな大好きフレーズ「行動」はしたことになります。
では、「好きなこと」は「済ませる」でしょうか?
昨日は友達と一緒にBBQを済ませて、めっちゃ楽しかった〜!
とは言わないでしょう。
好きなことを「した」と言う時、無意識で嬉しい感覚があった、実感があったと確信しています。
文脈の毀損が起こるのは必然になってしまって、済ませることほどお金には結びつきやすい気がします。
なぜなら、そこに実感があろうがなかろうが、手順が示されていて、同じようなものができれば同じような価格になるからです。
気持ちをこめようが、手だけ動かそうが結果は同じ。
それならば最初から、済ませる範囲でできることで価値を最大化したらお金として最大化するはずです。
本文中に
文化や背景といった物語のような営みの文脈からお金で交換できるものへとなっていくことで、文脈は毀損する。
と書かれていました。
私はこう考えました。
お金に交換される地点ではなく、そこに近づくにつれてグラデーションで徐々に毀損が起こっている。
こうすればこのぐらいの値段で売れる、この仕事をすればこのぐらいの収入が得られる。
そのような「済まされること」になっていく時点でゆっくりと、ものやサービスにこめられる思いや文脈は薄れていく。
理念や想い、文化や背景、歴史からの流れは徐々に毀損されていくとイメージできます。
この本を読んで、「才能を貢献に変える」のような一見してよくわからない考えは、自分の好きなことを「する」
想いをそのまま貢献にすれば、それは必然的に価値に一番近いから嬉しいはずだと感じました。
Posted by ブクログ
一般に評価されるのはずっと後かも知れないねぇ~Ⅰお金は記帳を起源に始まりました。そしてお金の定義は,譲渡可能な(外部化された)信用であると言うことです。また社会性と個性を軸とする人間によって,効率的な社会的取引のためにこのお金というのは重要な発明でした。お金の本質に戻った時,それは信用であると言うことであり,「お金は稼ぐのではなく,実は“創るもの”である」ということです。21世紀で大事なことは,人(や国家)がつくた二次的な生産物であるお金をもらう,というスタンスではなく,自分が自らお金(信用)を創り出すと言うことなのです。この世界に万能のスーパーマンは存在しませんし,存在してはならない。人間は個性と社会性の二つをもって分業し合うことで繁栄することを生存戦略とした生物種だからです。人生の早いタイミングで自分の個性(天才)を見つけ,伸ばしていきましょう。その自分固有の能力を人と分かち合い互いに分業しましょう。この世にはコモディティ(一般的)な人間など一人もいないのです。Ⅱお金を構成するのは「信用」と「汎用」です。信用とは「価値について説明がいらないこと」であり,価値=(専門性+確実性+親和性)/利己心で成立します。信用は価値の積み上げで形成されます。汎用とは,信用の適応範囲でアリ,広さ×深さで成り立っています。信用と汎用を高めていこう。具体的には貢献を通して価値を創造し,ネットワーク(業界)を横断してつながりを創っていく。すべてが記帳されていく21世紀では隠し事は出来ません。信用を創るのは10年,失うのは10分。やるべきはネットワークを広げ,その中に信用を編み込んでいくことなのです。Ⅲ国力の低下によって信用の母体が国家から個人へと変化し,技術に関してはブロックチェーンによって個人の取引と信用が記載されるようになります。経済は,人々の欲求が生存欲求から社会的欲求に変化することで財の形態がモノからコトへと変化していく。社会はタテ社会からヨコ社会へと変化しつつある。必要なのはタテ社会(貨幣・権威)と,ヨコ社会(信用・ネットワーク)を両立させて生きていく術を身につけることです。両者を融合してはいけない。タテ社会の大企業相手に契約や報酬を怠ってはならないし,ヨコ社会において安易に信用をお金に換えてはならない。二つの世界は隔離して適応していきましょう。クラウドファンディングなどのまねたライズツールが浸透すると社会的信用をためる方が有効だが,21世紀,人々が欲しがるものはモノから承認(社会的信用)に移ってしまい,承認はお金で直接は買えず,承認はすぐにお金に換えられる。しかし賢い人は,このお金をうまくつかってまた新たな信用を創り出すのです。Ⅳ欲求と仕組みの二軸で見ると,社会的な欲求を時間というお金で満たすのが時間主義経済,衣(医)食住など生存欲求を信用という直接的な方法で満たすのが記帳式経済です。20世紀までは人々が欲しがるのがお金であり,それをやりとりするツールもお金であるという不思議な世界だった。手段が目的に化していた。21世紀の半ばから終わりには求めるモノが信用であり,それを求める手段も信用という統一が起こるのです。そこにきてお金もなくなります。人々が求めているものが承認やつながりへとシフトしてゆき,中間物であるお金などが少ないほど純度が高まる。つまりお金と社会的な欲求はトレードオフの関係にあるからです。今十代から三十代の人は完全な信用主義時代の前にやってくる時間主義経済と記帳主義経済の生き方を学ばなくてはならない。空間は制覇しつつあるので,時間は意識が追いついていかないので,自らの時間単価価値を意識して生きていく必要があるでしょうし,記帳主義では人を外見・主張・行動で評価されるので,一貫性を持ちましょう~ふーん,そうかぁ…なるほど・なるほど
Posted by ブクログ
貨幣の存在の本質について語った名著。
メモ
・お金とは譲渡可能な信用。お金は稼ぐのではなく、創るもの。人間は個性と社会性の2つを分業して繁栄することを生存戦略とした生物。
・価値は文脈を保全するが、貨幣は文脈は引き継げない。貨幣の本質的な課題は格差ではなく、文脈の毀損なのでは。
・世界はネットワーク、企業、国家の3層構造。
もはや一部国家より企業の方が経済的に大きくなっている。
・信用母体の変化。国家から企業や個人へ。
・インターネットは移動する、ブロックチェーンは世界を上書きする。時間を刻む。インターネットは空間を広げる
・標準化画一化習慣化のビジネスから、多様化個別化肯定化のビジネスへ
・これまでの需要と共有で決まる価値から
個人の文脈によって決まる価値へ。
・社会的欲求は憧れ、承認、つながり。
・幸福の本質は一体性。周りの人や自分の期待値の一致性。幸福とは解釈から生まれる。自分がどう思うか。
・タテ社会からヨコ社会へ(ネットワーク社会)
・人々の欲望が生存から、社会的欲求にシフトすると、お金で購入できなくなる。得るためには、お金でなく、時間が必要になる。
Posted by ブクログ
嫁の妹から面白いよと紹介されて流し読みしたが、確かに面白い。お金に関する本だが、単なる経済の本とは違う。
ピカソが他の画家と違ってお金持ちだったのは、人との繋がりを大切にし、単に絵を描いて売るだけではなく、その絵のストーリーまで伝えて売ったというのが序盤では楽しかった。
中盤では、現代人は基本的な生存欲求(衣食住など)はたやすく満たされてしまう為に、その上の段階である承認欲求を求めているので、お金の使い道が変化しているというところが面白く感じた。
お金について考えているはずが、人間について考えさせられるところが、この本の面白さであった。