あらすじ
お金はこれからどうなるのか? お金の歴史とその仕組み、そして変化、未来まで、スッキリ解説します! ▲お金の起源は、物々交換ではなく動かせない石だった?/▲通貨の価値は信用×汎用というシンプルな方程式で測れる/▲国家、技術、経済、社会の変化が、お金を変化させる/▲新しい時代、お金についての10の習慣を意識する
感情タグBEST3
時は金なり
・人間とは、分業と取引によって栄え、違いと社会によって補完しあうことを選択した種
・価値=(専門性+確実性+親和性)/利己心
・二〇世紀のビジネスの基軸は標準化・画一化・習慣化の三つ
・二一世紀のビジネスは多様化・個別化・肯定化へと向かっていく
・お金を集めるというのは、信用を外部化するだけでなく、コミュニティを形成するということ
・二一世紀の半ばから後半にかけて、時間通貨と記帳経済が中心となる
・時間は二つの意味で用いられる主要な生産資源。一つは、自身の基礎的な価値基盤の形成と維持のために使う。例えば、自身の健康の増進や知識の吸収・ネットワークと信頼の構築のために使われる。もう一つは個別の仕事・プロジェクト遂行のため
・資源として投入するものの中心は健康(余裕)。健康が時間を生み、時間が知識と信用、ネットワークを作る。それを通して、財ができ財を継続的に生み出すしくみ、すなわち事業が創造される
Posted by ブクログ
お金とは何なのか、お金とどう付き合っていけばいいか
この本を読むきっかけは、
1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法 山口揚平
を読んだからです。
山口さんの他の本も読んでみたいと欲しました。
「文脈の毀損」と言葉にして指摘されたところに共感、いや共鳴する感覚がありました!
そう!お金で交換するとそれで済まされてしまう感じ!
私は目標設定に対して疑問を持っていて、調べています。
この本はその点で私にとってはとても良い参考になりました。
ありがたいです。
「好きなことをしましょう」
啓発書でもビジネス書でも、アドバイスでもこの言葉は耳にタコができるぐらい聞きます。
本質を突いているようで、実は好きなことができる人は少ないのではと疑っています。
これは私の主観的な感覚です。
私はいわゆる良い子に育ちました。
そこで大事なのは、言われたことを「済ませる」ことです。
この「済ませる」は調味料に例えると焼肉のたれと同じぐらい万能です。
例えば、食事を済ませる、掃除を済ませる、仕事を済ませる。
済ませると言う言葉でしっくりきてしまう時、みんな大好きフレーズ「行動」はしたことになります。
では、「好きなこと」は「済ませる」でしょうか?
昨日は友達と一緒にBBQを済ませて、めっちゃ楽しかった〜!
とは言わないでしょう。
好きなことを「した」と言う時、無意識で嬉しい感覚があった、実感があったと確信しています。
文脈の毀損が起こるのは必然になってしまって、済ませることほどお金には結びつきやすい気がします。
なぜなら、そこに実感があろうがなかろうが、手順が示されていて、同じようなものができれば同じような価格になるからです。
気持ちをこめようが、手だけ動かそうが結果は同じ。
それならば最初から、済ませる範囲でできることで価値を最大化したらお金として最大化するはずです。
本文中に
文化や背景といった物語のような営みの文脈からお金で交換できるものへとなっていくことで、文脈は毀損する。
と書かれていました。
私はこう考えました。
お金に交換される地点ではなく、そこに近づくにつれてグラデーションで徐々に毀損が起こっている。
こうすればこのぐらいの値段で売れる、この仕事をすればこのぐらいの収入が得られる。
そのような「済まされること」になっていく時点でゆっくりと、ものやサービスにこめられる思いや文脈は薄れていく。
理念や想い、文化や背景、歴史からの流れは徐々に毀損されていくとイメージできます。
この本を読んで、「才能を貢献に変える」のような一見してよくわからない考えは、自分の好きなことを「する」
想いをそのまま貢献にすれば、それは必然的に価値に一番近いから嬉しいはずだと感じました。
Posted by ブクログ
資本経済から時間、記帳、信用と進化していく。これまでの働き方の価値観が変わると知った。ちょうど吉本問題の渦中も、芸能人の在り方の転換点だとうなづく。より、個人の活躍が重要。
Posted by ブクログ
一般に評価されるのはずっと後かも知れないねぇ~Ⅰお金は記帳を起源に始まりました。そしてお金の定義は,譲渡可能な(外部化された)信用であると言うことです。また社会性と個性を軸とする人間によって,効率的な社会的取引のためにこのお金というのは重要な発明でした。お金の本質に戻った時,それは信用であると言うことであり,「お金は稼ぐのではなく,実は“創るもの”である」ということです。21世紀で大事なことは,人(や国家)がつくた二次的な生産物であるお金をもらう,というスタンスではなく,自分が自らお金(信用)を創り出すと言うことなのです。この世界に万能のスーパーマンは存在しませんし,存在してはならない。人間は個性と社会性の二つをもって分業し合うことで繁栄することを生存戦略とした生物種だからです。人生の早いタイミングで自分の個性(天才)を見つけ,伸ばしていきましょう。その自分固有の能力を人と分かち合い互いに分業しましょう。この世にはコモディティ(一般的)な人間など一人もいないのです。Ⅱお金を構成するのは「信用」と「汎用」です。信用とは「価値について説明がいらないこと」であり,価値=(専門性+確実性+親和性)/利己心で成立します。信用は価値の積み上げで形成されます。汎用とは,信用の適応範囲でアリ,広さ×深さで成り立っています。信用と汎用を高めていこう。具体的には貢献を通して価値を創造し,ネットワーク(業界)を横断してつながりを創っていく。すべてが記帳されていく21世紀では隠し事は出来ません。信用を創るのは10年,失うのは10分。やるべきはネットワークを広げ,その中に信用を編み込んでいくことなのです。Ⅲ国力の低下によって信用の母体が国家から個人へと変化し,技術に関してはブロックチェーンによって個人の取引と信用が記載されるようになります。経済は,人々の欲求が生存欲求から社会的欲求に変化することで財の形態がモノからコトへと変化していく。社会はタテ社会からヨコ社会へと変化しつつある。必要なのはタテ社会(貨幣・権威)と,ヨコ社会(信用・ネットワーク)を両立させて生きていく術を身につけることです。両者を融合してはいけない。タテ社会の大企業相手に契約や報酬を怠ってはならないし,ヨコ社会において安易に信用をお金に換えてはならない。二つの世界は隔離して適応していきましょう。クラウドファンディングなどのまねたライズツールが浸透すると社会的信用をためる方が有効だが,21世紀,人々が欲しがるものはモノから承認(社会的信用)に移ってしまい,承認はお金で直接は買えず,承認はすぐにお金に換えられる。しかし賢い人は,このお金をうまくつかってまた新たな信用を創り出すのです。Ⅳ欲求と仕組みの二軸で見ると,社会的な欲求を時間というお金で満たすのが時間主義経済,衣(医)食住など生存欲求を信用という直接的な方法で満たすのが記帳式経済です。20世紀までは人々が欲しがるのがお金であり,それをやりとりするツールもお金であるという不思議な世界だった。手段が目的に化していた。21世紀の半ばから終わりには求めるモノが信用であり,それを求める手段も信用という統一が起こるのです。そこにきてお金もなくなります。人々が求めているものが承認やつながりへとシフトしてゆき,中間物であるお金などが少ないほど純度が高まる。つまりお金と社会的な欲求はトレードオフの関係にあるからです。今十代から三十代の人は完全な信用主義時代の前にやってくる時間主義経済と記帳主義経済の生き方を学ばなくてはならない。空間は制覇しつつあるので,時間は意識が追いついていかないので,自らの時間単価価値を意識して生きていく必要があるでしょうし,記帳主義では人を外見・主張・行動で評価されるので,一貫性を持ちましょう~ふーん,そうかぁ…なるほど・なるほど
Posted by ブクログ
お金の過去、現在、未来について、めちゃくちゃ分かりやすい説明がなされている本。構造化がとても上手でその分かりやすさに惚れた。単なる旧概念を示すだけでなく、インターネット、ブロックチェーンというテクノロジーに触れ、「信用」が重視される中でどう振舞うべきかについても言及されてるのが良かった。すごい作品。