【感想・ネタバレ】テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅のレビュー

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Posted by ブクログ 2018年11月10日

西田社長ー会長 東芝の戦略を確立した 「半導体と原子力」に選択と集中を進めた
尊敬するウェルチGE氏の経営戦略手法を踏襲したものか・・・
そのダイナミックさは社内外の高い評価を得、株価も倍へ
しかし時は味方せず

リーマンショックと
東北大震災・福島原発事故
半導体と原発を直撃

それまでの西田経営...続きを読むには誤りはないが、結果的にリスクが過大だったということ
経営は結果責任 でもリタイアした西田氏は責任を受け入れず
むしろ自己正当化

東芝ものでは出色の一冊 それでも後味は不味い
世界グローバル化に対応してきた男 西田社長
それでも晩節を汚す

勲章と財界ポストはダメ 人を腐らせる

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Posted by ブクログ 2018年01月22日

先日亡くなられた西田元社長を軸に書かれたもの。「東芝機械ココム事件」「イラン革命」「Dynabook」「ロータス1-2-3」など、懐かしい事象に揉まれながら歩んだ西田氏の経歴が語られます。丸山眞男氏、大前研一氏なども登場し、今では反原発派の小泉氏が政権掌握時代に原発を推進すべく、東芝に圧力をかけたな...続きを読むども紹介。この頃の日本の政治・経済を包含しながら、今の東芝の姿に至る第一級のドキュメンタリーになっています。
大変な勉強家で、就任時には「陽」で皆からも歓迎されながら、どうしてこうなってしまったのか、「陽極まれば陰に転ず」と言えばよいのか、読後には考えさせられます。
「負けず嫌い」な性格でひたすら業績をあげることに注力したのでしょうが、最後のインタビューで、社員に対するコメントがなかったのが痛切です。

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Posted by ブクログ 2017年12月18日

[異能故の功罪]後に大きく傷つくことになる原子力事業に大きく舵を切り,粉飾の原因を作り出したとも批判される元東芝社長の西田厚聰。イランにおける現地法人に採用され,韋駄天のごとく社長の椅子を手にした人物は,どこで歩みを間違え,名門企業を存続の淵に立たせることになったのか......。著者は,『堤清二 ...続きを読む罪と業 最後の「告白」』で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した児玉博。


ノンフィクションの醍醐味を凝縮したような作品。西田厚聰という人間の歩みが東芝と重なり,そしてそのまま「壊滅」へともたれ込んでいく様子が丁寧に描かれています。他方,本書をしてただの批判本となっていない所以は,西田の成功が東芝の壊滅につながった点を示唆している点。読み終えた後の寂寥感が凄まじい作品でした。

〜光と影。言い古された言い回しだが,西田厚聰という人物の人生にわずかばかりだが,触れさせてもらった率直な感想は,圧倒的に光り輝いた部分と,その光があまりに強いがゆえに濃さを増した影を見たような気がする。〜

サラリーマン/ウーマンなら読んで損なし☆5つ

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Posted by ブクログ 2023年09月02日

元東芝社長の西田厚聡は2017年に急性心筋梗塞のため逝去。73歳だった。東大大学院で政治学を修了し、イランの現地法人を経て1975年に東芝に入社。2005年に社長に就任。米原発設備大手ウエスチングハウス(WH)の買収劇が有名。

09年に社長から会長に退き、相談役だった15年に東芝の会計不祥事が発覚...続きを読む。後任の佐々木則夫社長との確執もあり、両者は東芝解体の戦犯とされる。

本著は、こうした解体劇に至る経緯を追いながら、西田を巡るドラマを描く。東大学者時代から、フィアンセを追ってイランに向かい、人生を変えた。その才能も好意的に語る。一方的に断罪するのではない、バランスの取れた内容だ。何より、西田という一人の男の人生は面白い。

土光敏夫が東芝にチャレンジとレスポンスと言う精神を叩き込んだ。しかしそのチャレンジと言う言葉がやがて目標達成できなかった場合の粉飾を助長する言葉に変質してしまった。

真っ直ぐな明るい勤勉家。しかし、万事がうまくいく訳では無い。組織が歪み、幹部の関係性が拗れ、感情が炸裂する。足下で起こる誤りを見抜くガバナンスはない。東芝をきっかけに社会が変わった面は否めない。見せしめという事では無いが、社会は、インパクトの大きなインシデントでも底上げされていくものなのだろう。

この一連を把握するに適した名著である。

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Posted by ブクログ 2021年06月06日

中途採用という異色のスタートから社員20万人を抱える東芝という大企業の社長となった西田厚聰さんに関する本。ビジネスマンとして、本当に才能があり、実績も残し、すごい人だということは分かったが、最後には欲に溺れ、自分を正当化する。WHの買収、パソコン事業でのバイセル行為。過去を振り返っても、反省しても現...続きを読む実は変わらないが、この方、また歴代社長の判断によってどれほど多くの人が露頭に迷ったことか。内部にいても全く情報が無かったが、こんなやりとりが上層部ではあったのかと。

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Posted by ブクログ 2018年05月24日

権力は腐敗する。
より上の世界を知るとその世界の住人になりたいと願い、そこに至るとそこから落ちることを怖れるようになる。
優秀な人材で有ってもその罠を逃れることが出来る人は少ない。そのような人たちをトップにしてしまった会社の悲劇である。
力のある会社なので、真っ当な会社になって欲しい。

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Posted by ブクログ 2023年08月28日

博士から企業に。
イランの配偶者と魅力ある人物だった西田社長。
どこで間違えたのか、最後のインタビューに集約されている。

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Posted by ブクログ 2023年08月27日

東電を含め、東芝はガバナンスが効いておらず、それに対する変革もできなかった。
最後、美学のように語る西田さんにも疑問です。

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Posted by ブクログ 2023年08月11日

 土光は社員らに、「チャレンジ」と「レスポンス」(素早い対応)を叩き込む。土光の言う「チャレンジ」とは、目標達成ができなかった場合、その原因を突き止め、その上でさらに挑戦するという意味だ。1977年発行の社史『東芝百年史』によれば、やがて「チャレンジ」と「レスポンス」は、組織と組織のコミュニケーショ...続きを読むンにも応用されるようになり、当時の東芝社内ではこれが「合言葉になった」と記されている。


「仕事十訓」とタイトルがついた紙には元ホテルオークラの副社長で数多くの著書を持つ橋本保雄の『感動を創る』(現在はPHP文庫に収録)から抜き出されたものが記されている。
1.バイタリティを持て
2.常に頭脳を酷使せよ
3.周囲の変化に挑戦せよ
4.他から信頼される人になろうと努めよ
5.ルールはルールとして重んじよ
6.一度計画したものは、万難を排して完成させろ
7.失敗を恐れるな、失敗は次への成功の足がかりだ
8.今日のことは今日やっておけ、明日は明日の仕事がある
9.おのれの時間を大切にせよ
10.生きがいのある職場で価値ある人生の創造を


■西田がジャック・ウェルチから感銘を受け、自己鍛錬としてきた6つのルール
1.あるままの現実を受け入れろ
2.にも誠実であれ
3.ネージャーではなく、リーダーになれ
4.わらなければならない前に変化せよ
5.争優位を持てないならば競争をするな
6.自分の運命は自分でコントロールせよ。でないと、他人にコントロールされる

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Posted by ブクログ 2021年12月14日

東芝の不正問題について学びたかったのだが、その辺りはさらりと書かれており、あまり参考にならなかった。

西田氏についても、深く掘り下げて書かれているとは思えず、もう少し厚みのある記述が読みたかった。

巨大企業の社内政治はドラマのようで面白かったし、経団連の事などは勉強になった。

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Posted by ブクログ 2021年02月23日

数年前に東芝が「不正」会計問題でメディアに取り沙汰されていた頃、自分はあまり何も知らずに東芝を横目で冷ややかに見ていた記憶がある。もちろん西田厚聰なる人物も知らず、東芝がひとつの企業としてどのような歴史をたどり、どのようなことをしていたのかも知らなかった。単に、日本的な企業の成れの果て、というような...続きを読む単純で穿った見方しか持っていなかった。

西田厚聰はその経歴や考え方、物事の進め方などおよそ常人からはかけ離れており、そのような人物を社長に指名した東芝という会社も実は大胆不敵な組織であったのではないだろうか。しかし、WH買収、SWの減損問題、原子力事業に関わる成り行きを見ると、西田厚聰もどこかで目が曇り始めていたのだろうか。後継者の佐々木則夫との確執についても、佐々木則夫個人にも問題はあっただろうが、リーダーとしてもっと別のやり方はなかったのだろうか。単に世界の変化に対応しきれなかったと言うのは簡単かもしれないが、西田厚聰ほどの人物であっても、晩年にはそのすごみが陰ってしまった原因は何であったかのだろうか。

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Posted by ブクログ 2018年02月20日

平家物語ですな。盛者必衰。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
結局、西田氏はコングロマリット(東芝がコングロマリットかどうかは難しいところだが、白物家電と原子力は異業種でしょう)の代表の器ではなかったのでしょう。西室氏・西田氏・佐々木氏...続きを読むそれぞれのルサンチマンに振り回された大企業が風前の灯火ですが、今後どうなるのでしょう。いよいよバンカー(銀行屋かもしれませんが)登場で、ただの中小企業になってしまうのでしょうか。お膝元の府中市民としては気になるところです。

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