あらすじ
殺人など事件が起きると、警察、被害者の遺族、容疑者の知人らへの取材に奔走する新聞記者。その記者がほとんど初めて、容疑者本人を目にするのが法廷だ。傍聴席で本人の表情に目をこらし、肉声に耳を澄ましていると、事件は当初報じられたものとは違う様相を帯びてくる――。自分なら一線を越えずにいられたか? 何が善で何が悪なのか? 記者が紙面の短い記事では伝えきれない思いを託して綴る、朝日新聞デジタル版連載「きょうも傍聴席にいます。」。「泣けた」「他人事ではない」と毎回大きな反響を呼ぶ28編を書籍化。
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Posted by ブクログ
世の中には自分が想像できない世界が実存しているのだと感じた。残酷な事件を起こす被告には同情もできないし共感もできないが、こんな人間もいると再認識した。また、追い込まれ救いがない状況で起こした悲しい事件もある。いま、こうして生きていることが幸せだと感じた
考えさせられました
実際、話題になった事件の裁判の話もあり、事件のいきさつ、加害者の生い立ち、加害者の言い分、量刑などがわかり、勉強になりました。
サイコパスのような、犯罪者はまれで、育って来た生活環境や、偏った考え方、思い込み、タイミングで人は加害者になってしまうだなと感じました。
Posted by ブクログ
『母さんごめん、もう無理だ』に続く裁判傍聴記。
この中には有名元野球選手やお笑い芸人、漫画家兼アーティストの女性など、耳目を集めた事件も取り上げられている。
記憶に残る事件がある。
「ラビットケージに消えた悲鳴」
3歳の次男をウサギ用のケージに閉じ込めて死亡させた虐待死事件である。
被告人の父が言う、児童相談所に次男を一時的に預けたいと申し入れたのに断られた、親の愛情が足りないと言われた、そんな主張がなされている。
その全てを真に受けることはできないが、おそらく発達に何らかのハンディを持った子供を育てるのは苦しかったのではないかと推察される。
もっと支援があれば、いや、行政が家庭にどこまで介入すべきか、予算も人手も足りない、そんな中で、どうやってこの子を助ければよかったのか。
児童相談所だけ、行政だけ、親だけ、そんな一箇所に責任を押し付けて終わる問題ではないのだ。
「渋谷の闇で消えた赤ちゃん」「LINEに残った虐待の記録」「通学路で奪われた9歳の命」
私が立ち止まった事件は子供に関するものばかりだった。
決して私がいい人だからではない。
いい母親でもないし、彼らを救える仕事をしているわけでもない。
逆だ。
心に闇を、同じような闇を、抱えて生きているからだ。
裁判でも決して全ては明らかにはならない。
だからこそ、私たちはせめても、知って、感じなければならない。
そうあらねば、社会もかわらない、自分自身も救われることなど、ない。
Posted by ブクログ
もとが新聞連載なのでやや物足りない部分はあるが、その分端的にコンパクトにまとまっていて量的にはあっという間に読める。
でも内容がキツい…特に子供が被害者になる事件を読むのがほんとにキツい。
Posted by ブクログ
いずれの裁判の様子も丁寧だが簡潔に、真摯に書かれているように感じた。どの裁判も心に残り、考えさせられるものばかり。たまたま手に取った書だったが、当たりでした。
朝日新聞の若手記者の皆さんに対しては応援したい気持ちにもなりました。
Posted by ブクログ
いろんな裁判の傍聴記録。
うさぎケージ虐待の裁判も出てくるが、記述が短すぎて、インパクトが少ない。
傍聴事例として、コント日本一になった、キングオブコメディの片割れが犯した女子高生制服盗み事件の件が出て来た。
Posted by ブクログ
色んな事件の裁判の傍聴記録。被告と裁判官、検事、弁護士とのやりとりが会話形式で書かれていて、非常にリアル。ひとつひとつが少し浅く感じてしまったが、知っている事件も多く、判決をこの本で初めて知るものも少なくなかった。いろんな人生があるなと感じた