あらすじ
バイト先によく現れる「彼」は、いつも決まって同じ席で同じ男と居た。……めちゃくちゃ、タイプだった。 「恋をするのは女の子なのに、男にしか欲情できない」という不思議な体質に悩まされている高史は、彼女・舞の転勤により、一緒に暮らしていた家を出なければいけなくなってしまう。困り果てていたところ、友人が使っていない寮部屋に住まわせてもらえることに。が、話によると「同室の男は“あっち系”」……。入寮の日を迎え、同室の男・深町と出会った高史は度肝を抜かれる。深町は、バイト先でいつも気になっていた「彼」だったのだ。そしてある時、二人は一線を超えてしまう……。「ふつう」ってなんだろう。俺は「ふつう」になれるのかな……。不器用な二人が手を取り合ったとき、涙が溢れて止まらなくなる。あたたかなメッセージがぎゅっと詰まった、本郷地下・待望のBL最新刊!
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作者さん買いです。
「メトロ」読了後、購入。この作品を購入後「ふくふくハイツ」も買いました。
同じ作者さんが描かれたとは思えないくらい、作品によって雰囲気が違うのでビックリ(o_o)
ただ感情の機微の描かれ方とお話のテンポが良いのはどの作品でも共通で、この作品もよかったです。
女の子が好きだけど欲情するのは男にだけの高文と幼なじみが好きなゲイの巳晴。
高文の悩みがリアルに感じて色々考えさせられる作品でした。
最後に2人の数年後が見れて良かったです。
構成が巧く再読し甲斐ある作品
初見で読んでからこっちなんとなく気が重くて読み返してなかったのですが、唐突に1年と3ヶ月ぶりに読み直してみました。
おそらく、初見では「終わり良ければ全て善し」と納得したような気がします。
過程がちょっと、当事者でないと本当の意味で理解はできないがつらさには共感してしまうというしんどさをはらんでいた印象が残っていたので。
ただ、再読してみると、主人公の繊細な機微と、それに触れた主要人物の描写が本当に秀逸だと再評価することになりました。(語彙に乏しく偉そうな言い方になってしまいましたが)
相手役の子が良くも悪くも達観しており、それが主人公にとっても読者にとってもひとつの救いになっていて、かといってそれは一方通行ではなくて、それが良かった。
だからこそ最後に繋がったのだと思うと、心にじんわりと来たし、読後感もとても良い。からの、タイトルの意味に辿り着くという……。良い仕掛けでした。
これは必要な創を負いながらもその先にあった救いの話を読ませてもらったものだと思ってますが、描写はそこまでグロくないし感情の起伏描写も比較的に派手じゃないのであまり重く感じず読めました……2回目は。
なぜ初見ののちこんなに読まず嫌いしてたのかと不思議に思うぐらい。
ただただ、忘れた頃にまた読みたい、あまりにも優しくて「普通」に苦しむ、普通の男の子の話でした。
ストーリーの設定が初めてのもので
興味深く読ませて貰いました。
深町君はなかなかのクセのある性格。
途中、ダメかなぁっと思う所もありましたが、ハッピーエンドでよかったですあ。
絵がとてもゆるく、読みやすかったです
いい、、、最高
高校生ならではの悩みとか詰まってる気がする。こういう青春感満載のbl大好きです!!エロは控えめ?だけど、心は満たされる作品。
普通って?
考えてじっくり読む作品だった。BLというに狭すぎる枠組みな気もした。
そして、今いろんなセクシャリティが知られる中でも、また一段と難しいセクシャリティだなと感じた。
人を好きになるのが男だろうが女だろうが病気じゃないし正解なんてものは無いと思うし、でも樋村達が少しでも前に進もうとした最後は良かった。
数年後に2人で暮らしているところはほっこりしました。2人が出会えて良かった。
舞さんも結婚して子供がいるみたいでなんか嬉しかった^^
Posted by ブクログ
相互救済BL。
高史(たかふみ)と深町、自身のセクシャリティに悩む二人が、一緒に過ごすうちにあるがままの自分を受け入れられるようになる物語。
シンクロニシティって言葉、初めて知った。
運命とも思える偶然の重なり。
くっ・・・こういうの大好き
自分は、高史と舞の別れのシーン、スノードームのエピソードに号泣。
高史は、舞が望む物(者)を何でも差し出したかった。その気持ちに嘘偽りはなかった。
けれどどうしてもそれ(スノードームも、舞が望んだ"自分"も) 手に入らなかった。
誰も悪くないのに。
高史と舞、お互い相手をこんなに思いやっているのに。どうして結末はこんなに悲しいんだろう。
手作りのスノードームに込めた高史の気持ちを思うと、うう、ぶり返し泣き(TT)
恋が終わる時の苦しさと美しさを久々に思い出した。
深く静かに感動できるお話でした。
絵はシンプルだが決して雑ではない。私は好み。
エロは少なめ。
肝心(?)な"部分"の描写はほぼなし。
描き下ろしのアナグラムにびっくり!!!♡
Posted by ブクログ
バイト先によく現れる「彼」は、いつも決まって同じ席で同じ男と居た。
……めちゃくちゃ、タイプだった。
「恋をするのは女の子なのに、男にしか欲情できない」という不思議な体質に悩まされている高史は、彼女・舞の転勤により、一緒に暮らしていた家を出なければいけなくなってしまう。困り果てていたところ、友人が使っていない寮部屋に住まわせてもらえることに。が、話によると「同室の男は“あっち系"」……。入寮の日を迎え、同室の男・深町と出会った高史は度肝を抜かれる。深町は、バイト先でいつも気になっていた「彼」だったのだ。そしてある時、二人は一線を超えてしまう……。
「ふつう」ってなんだろう。俺は「ふつう」になれるのかな……。
不器用な二人が手を取り合ったとき、涙が溢れて止まらなくなる。
軽くないBL
真摯な登場人物ばかりで、どこにも属せない主人公の痛々しさが刺さります。
読むのが辛いシーンも多いのですが、ちゃんといい所に落ち着きます。
でもそのオチ自体よりも、そこに至るまでの経過そのものが印象に残る作品です。
淡々と
淡々と話は進むけど、その中に自分に違和感を感じているのに、何が正しいか分からない樋村の葛藤があって考えさせられた。
スッキリ解決という終わりかたではないけど、これからも悩みながら生きていくのが「普通」なのかなと思う。
最後の樋村が怒るところが、凄く良かったです。