あらすじ
母親に愛されずに育ち、今はひとり理不尽な借金を抱える十七歳の広海は、バイト先のパン屋に客として現れた少女・美生とその父親である三夜沢と知り合う。娘に冷たく見えた三夜沢に最初は反発を覚えるものの、彼の不器用な優しさに、大きくてあたたかい手に、与えられた「きみはこれからきっと幸せになれる」という言葉に、いつしか広海は生まれて初めての恋という感情を知る……。ピュアなオール書き下ろし!!
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Posted by ブクログ
広海は親から疎まれ、母が亡くなった後は母の恋人であった男から、いわれのない借金の返済を求められていた。
中卒の広海にはろくな仕事がなかったが、ただ働き、ただ借金を返すために生きる日々に虚しさを感じていた。
そんなある日、勤め先のパン屋に現れた少女の世話を焼いたことで、少女の「家庭教師」として雇われることになる。
少女の父親である三代沢が、最初は娘に冷たく当たっているように見えたけれど、それは不器用なだけだと気づき、同じやさしさを広海にも向けられたことで――
すっごくすっごく切ない話でした。
両親から愛されなかった広海が愛を知る話。
別のところで作者さんがご自身のことを「金太郎飴作家」とおっしゃっていたのを見たんですが、「こんな切ない話が量産できることがすごい」と思いました。
親に愛されてなかった少年の切なさとか、上を描くのがうまいなあと思っています。なんだか胸をかきむしりたくなる気持ちがいつもします。
えちえち的な面では弱めですが、切ない話を読みたい方にはオススメします。