【感想・ネタバレ】人間の値打ちのレビュー

あらすじ

格差社会の中で、自分には生きる価値がないと思わされている人たちが増えている。上司からパワハラをされ、うつ病や自殺に追い込まれる若者もいる。そして、一部の勝ち組だけが、大きな顔をしている。本書は、諏訪中央病院での地域医療や東日本大震災の被災地支援、ベラルーシやイラクにおける国際支援を通じて、長年、限界状況に置かれた人々の病苦にむきあってきた鎌田医師が、混迷の時代に、ますます見えにくくなってきた「人間」を、根底から問い直した一冊である。――著者が提示する、人間の値打ちを決める七つの「カタマリ」とは何か? 【目次】はじめに――「値打ち」ってなんだろう/第一章 人間の「値段」と「価値」について/第二章 「働くこと」「愛すること」と「生きる価値」/第三章 困難なときに現れる人間の「値打ち」/第四章 人間の「価値」ってなんだろう/第五章 自分の「価値」を決められるのは人間だけ/おわりに――生きている限り、手遅れはない/参考文献

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Posted by ブクログ

(2017/12/15)
大竹まことのゴールデンラジオにしばしば登場する鎌田さんの本を読んでみた。
弱者を大切にすべく、精力的に活動している。
それは素晴らしいと思う。

この本では、学歴、地位、年収、それらだけが人間の値打ちになってしまった世の中に、
そうではないだろう!と実例をあげている。
その通りだと思う。
「はたらく」ではないが、周りを楽に、楽しくすることができれば、
それは立派な人間の値打ちだ。
人の役に立つ。
手を貸すでもいい、感動を与えるでもいい、笑わせるでも、泣かせるでも、
なにかしら役に立てば価値はあるのだ。

気になったのは、麻生大臣の「90歳で老後が心配?いつまで生きる、さっさと死ぬ」や
石原のぶてるの「胃ろうはエイリアンの様」
という発言を否定的に言っているところ。
確かに政治家の発言として不用意ではあるが、
正直私はこの発言は賛成の立場だ。自分が老人に近づこうとして居ることを承知で。

これは持論だけど、国民に余裕があって、いくらでも延命のためにお金が使えるなら、
どんどんやればいいと思う。
現実は子育て世代に負担が集中し、子どもが産めないどころか結婚さえできない。
老人の命と若い命が引き換えになっているのだ。
「生命の維持」という意味だけで「生きる」ことを絶対視するのはおかしいと私は考える。
人の役に立って初めて生きるのだ。それであれば堂々と生きればいい。
周りの人に影響を与え、周りの人と一緒に生きるのであれば、それは大いに肯定する。
どこのだれかもわからない若い世代に頼って、寄りかかって生きるのは、
違うのではないか、と思うだけだ。

まあそれがこの本の趣旨ではないのだけれど。


第1章 人間の「値段」と「価値」について
―広がる格差のなかで生きなければならない現代。人間の「値段」にも格差があるかもしれない。だが、人間の「価値」はそれとは違う次元にある。
(人間の値打ちは一定ではない お金も大切だけどほかにも大切なモノがある ほか)

第2章 「働くこと」「愛すること」と「生きる価値」
―自分の存在価値を見失ったとき、「働くこと」「愛すること」のふたつが生きる意味を教えてくれる。
(「働くこと」「愛すること」が人間の価値を決める 電通の何が問題か ほか)

第3章 困難なときに現れる人間の「値打ち」
―厳しい状況に陥ったからといって「もうダメだ」と絶望してはいけない。そこから這い上がるときに「人間の値打ち」が出てくる。
(「再び立ち上がる勇気」の奮い立たせ方 コンテナに住んでいても値打ちのある生き方をする ほか)

第4章 人間の「価値」ってなんだろう
―人間は内に善も悪も秘めた存在。そんな人間の、「価値」とは何かを考えた。それぞれの「多様性」を認める「寛容」さだ。
(ノーベル賞作家が語った「人間らしさ」 悪魔と天使が共存するイキモノ、人間 ほか)

第5章 自分の「価値」を決められるのは人間だけ
―人間の「価値」は変わるからおもしろい。固定観念から離れて、自分で自分の「価値」を見つけよう。
(「服従」は人間の値打ちを下げる「部屋のなかに象がいるぞ」と言う勇気 ほか)

◎人間の値打ちを決める7つの「知恵=カタマリ」
その1・空気に流されない生き方
その2・人生を楽しむ力
その3・愛と死
その4・破壊力
その5・稼ぐ力
その6・別解力
その7・孤独を怖がらない力

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2024年09月04日

Posted by ブクログ

お金では買えない価値がある。それが人間なんだ。
帯に書かれていた言葉だ。

地位や名誉やお金といったステータスがないとしても、内面を磨き続けていきたい。
見えないところ、数字に表れないところ、見返りがないところでどれだけ人のため、自分のために尽くせるか。
うまくいかないときにどれだけそこに対して誠実になれるか。
そこに人としての本当の価値があると思った。

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2019年12月03日

Posted by ブクログ

別解力「和して同ぜず」
孤独を怖がらない力「心の中に鬼を棲まわせる」
これだけでも私は人間として価値があるんだ、と思わせてもらえた。最後の数ページだけでも何度も読み直しておきたい。

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2020年01月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

資本主義と言うと儲かればいいと言う捉え方をされがちだが、企業のトップがするしか頭にないと言うのでは、値打ちのあるリーダーとは言えない 佐光は夢なき者に理想なし 理想なき者に計画なし 計画なき者に実行なし 実行なき者に成功なし 故に夢なき者に成功なしと言う吉田松陰の言葉を社員の説いているそうだが、そんな佐光1自身が夢を持ち続けてきた人である 自分で選んだという事実が大事

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2017年12月31日

Posted by ブクログ

地域医療と終末期医療という道を極めたお医者さん、鎌田先生の「人間の価値」ってなんだろう、という考察。個人的には「人間の価値を決めるモノサシはひとつじゃない」が心づけられる。いろんな社会(組織)に入ってみる冒険も、いろんなことを考え続けることも、総和として人間の価値を高めてるんじゃないかなって。
ついでにいうと、社会を個人が変えようという動きは無駄じゃないし、別解力を持った人間は強いだろう。「正」解なんて社会にない、圧倒的に支持されてしまった考えとかイデオロギーとかがあるだけで「正しい」ことであるとは限らないんだから。

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2017年12月12日

Posted by ブクログ

タイトルに惹かれた本。様々な価値観から生きづらくなっている世の中に一考させられる。特にアリとキリギリスのくだりは今まで当たり前だと思っていた価値観を崩された。もう少しゆっくりした世界にならないかな。

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2017年12月05日

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