【感想・ネタバレ】国家への道順のレビュー

柳美里

＜わたしは「日本人」に問います。「あなたは自分が何を考え、何をしているか、解っていますか？」＞
７年にわたる長期連載エッセイが待望の書籍化！
「国家」とは、「国民」とは何なのか？「普通」とは何なのか？
「非常に困難な状況の中で、失語の一歩手前でどんな言葉ならば語ることが可能か、迷い、悩みながら書きました」（「おわりに」より）
「在日」の問題を通じて問い続けた、柳美里、魂の叫び！

[ブクログ · ★★★★★]

差別の心は〝普通〟に僕らの周り溢れている。「子煩悩な普通の父親」や「ボランティアにいそしむ普通の女性」の心にも。無知や無関心は差別を生む。それを解きほぐすものは、相手のことを知ろうとする「対話」の中に。

[ブクログ · ★★★★☆]

歴史を学ぶ。これを辛気臭いとか見たくないとか負の面を忌避したい為に遠ざけてしまっては何が良くなるのか。現在における愚行はもっての外だが、より良い社会を築くには過去の過ちや反省から正しいと考える道を選択する。もちろんそこでも失敗や失念もあるだろう。そこでまた自省する、この繰り返しでいい。保身や隠蔽、改ざんが最も醜い道であり国家がそれを看過してはいけない。忖度させてはいけない。楽しようとする時、楽しそうな空気に憧れる時、落とし穴はどこかにあると肝に銘じよう。

[ブクログ · ★★★☆☆]

柳さんの著作は一度も読んだことがない。
そして本作も半分は斜め読みだが、色んな出自のある女氏のことが好きになった。