あらすじ
○異次元金融緩和が導入されてから、4年たった。2018年には黒田総裁の任期も来る。いまこそ、総括と展望が必要な時だ。日銀は、2016年9月に、「総括的な検証」を行っているが、とても十分とは言えない。
○異次元緩和は、日本経済のどこをどのように変えたのか? 基本的には、経済の基本を改善せず、国債市場を歪めただけの結果に終わった。日本銀行が意図したこと、意図の背後にある理論的な枠組みのどこに問題があったのか?そもそも目標や理論が間違っていたのではないか?
○このまま大量の国債購入が続くと、脱却はきわめて困難になる。なぜなら、金融市場の混乱などの問題解決がますます難しくなるからだ。また、仮に目標インフレ率が実現すると、日銀の財務上の問題、財政負担の増加などの問題が深刻になる。
○いま必要なのは、インフレ目標の達成にこだわることなく、できる限り早く異常な政策から脱却することだ。その際に起こりうる経済と市場の混乱を最小限にとどめるために、何が必要かを早急に検討すべきだ、と著者は説く。
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Posted by ブクログ
日経新聞を読み続けていると、政府よりの考えになってしまうので、ときどき反対論者の説に触れ、フラットに戻しておきたいと思うのです。
過去の金融緩和(2001~2006年)で失敗したのに、
なぜ再び金融緩和政策を行ったのか。
徹底的に緩和政策に反対する著者が、一つ一つ丁寧に反論していきます。
2016年に消費が湧きましたが、これは政策の成功ではなく、原油価格の下落が要因だとしています。確かに一理あると思います。
緩和からの出口については、これから加速度的に関心が高まることでしょう。起こり得る影響について、あらゆる可能性を踏まえた心の準備が必要ではないかと思います。