【感想・ネタバレ】帝国と立憲 ──日中戦争はなぜ防げなかったのかのレビュー

あらすじ

近代日本は、憲法にもとづく国家体制の確立と東アジアへの勢力拡張とを、ともにごく限られた期間のうちに成し遂げた。だが、歴史の複雑な流れを丹念によみとけば、「立憲」化と「帝国」化の歩みが、つねに同時進行していたわけではないことが分かる。じつは、立憲勢力が軍部らの暴走を効果的に抑え込み、日中対立の激化に抵抗した時期も少なくないのだ。戦前の政治体制のもと、そのような抵抗はいかにして可能であったのか? そして、それにもかかわらず、最終的にこの国の民主主義が対外侵略を阻止しえなかったのはなぜなのか? 悲劇的結末にいたる道を選ばざるをえなかった真因を、第一人者が明らかにする。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

副題にあります”日中戦争はなぜ防げなかったか”の問いには、中国側にとっての日中戦争は「民族解放戦争」であり、侵略者日本軍を国土から駆逐することが目的であったので、日本軍の無条件全面撤兵を前提としない講和はまやかしでそれに応ずることは敗北を意味したのである。よって、日本は中国軍民の「殲滅」を選択したが、開戦2年で長期持久戦に方針転換した。筆者は和平への責務は為政者であるといい、リベラルな政党内閣か準政党内閣の下でしか、戦争は抑え込めないと主張しています。

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2017年11月05日

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