あらすじ
12歳のシンゴは、ある日突然幼なじみの少女テルからプロポーズされた。それは、ベガーと遊ぶのを親に反対されたテルの、なんとも破天荒な解決案だった――100年の旅を続ける多世代恒星間航宙船に、突如出現したゼリー状生命体"ベガー"との戦争と和睦から15年。いまだベガーを嫌悪する親世代に対し、彼らと深い絆を結ぶ戦後生まれのシンゴたちは真の共生社会の誕生を夢見るが……陰謀と友愛が交錯する新世代宇宙SF!
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Posted by ブクログ
宇宙船という閉鎖空間の中、謎のゼリーのような生命体ベガーと人間の関係、大人と子供でのベガーへの印象の違いが緊迫感を出しておりすごくハラハラしながら読めた。
大人の絶対数が少ない影響で子供が中心にならないと行けないという設定が面白い。
Posted by ブクログ
久々に時間と下車駅を忘れて読みふけりました。SUPERCELLの「君の知らない物語」を聴きながら。
下巻を一気に買っておかなかったのが悔やまれる。
Posted by ブクログ
「でもね、きっとそれは嬉しいことなんじゃないかって。」
100年の時を渡る多世代型恒星間移民船。
突然現れた、バガーと呼ばれるゼリー状異星知的生命との戦争と和睦から15年。
戦争で区画の7割が破棄され、人口は6分の1に、宇宙服は数着しかなくなってしまった社会で、
唯一、宇宙服の代わりとなったのが、戦争相手の異星生命バガーだった。
戦争を経験した大人たちはバガーを嫌悪、恐怖するが、
戦争を知らない子供たちは、バガーをかけがえのない友人として、真の共生社会を目指す…という箱庭SF。
恒星間移民船モノは大好きです。
広大な宇宙に乗り出して行く未知への挑戦な感じとか、
それでいて孤立無援でさみしい感じとか、
あと悲愴感とか。
限られた物資、閉じられた空間のなかで工夫があったりするのも好き。
時には出発時の技術を失伝して、ロストテクノロジーとして掘り出したりするのもワクワクします。
主人公は少年少女で、ライトノベルというよりはジュブナイルSFな風味があります。
天才の女の子を追いかける秀才の男の子の構図が、どことなく「サマー/タイム/トラベラー」の雰囲気。
異形の他星生命で、バガーってのは、ベガー@「エンダーのゲーム」を思い出しちゃうけど関係あるのかな?
シンクして船内を飛び回る感じも、エンダーの訓練シーンを想起させるようなところがあります。
読んでから気づきましたが、「クジラのソラ」の著者だったのですね。
他の本も読みたくなりました。
新天地到着まで、あと3年。
後編が楽しみです。