【感想・ネタバレ】約束の方舟〔下〕のレビュー

あらすじ

婚約したテルとの突然の別れから3年、シンゴは船内社会における調停者として成長していた。かつてベガーとの未来を共に願った親友のケンやダイスケたちもまた、それぞれの人生を選択していく。だが、目的地の植民惑星到着まであと3年と迫るなか、突如起こったベガー殺害事件をきっかけにシンゴと親友たちとの関係は徐々に変化していく……。SF、ファンタジーの技巧派作家が満を持して放つ、少年少女たちの成長物語。

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Posted by ブクログ

多世代恒星間航宙船に住む人間とゼリー状生命体。
彼らとの関わり方において、二つに別れる人間の社会にすむ主人公のSFビルドゥイングスロマン。

守りたい物があるから、必死で努力し、それでも満足な力がないから、守りたいという気持ちすら否定する主人公。
12歳、15歳、18歳の3つの場面で描かれる物語。
2度守れなかった彼は、最後に何ができたのか?
そして、そんな主人公を支えるために、自らの気持ちや人生を捨ててまで、自分のできる役割を演じきる友人達。

成長記というには、切なすぎます。
自分の気持ちを認めることができたときには、すでに散りゆく最後のとき、喪失の無力さのなかから這い上がり、再び掴み取ることはできるのか。

航宙船と感覚でしか意思疎通できないゼリー状生命体、失われた技術と社会システムという舞台を活かしきり、主人公の肩に重荷を乗せ、これでもかとストイックにいじめ抜く著者はきっとサドです。
重荷が重いほど、切なさが増幅されます。
そして、技巧派ですね〜、プロットがうまい。
少しずつ登場人物が成長し、変化していきます。
物語の謎も少しずつ明らかになり、登場人物間の結びつきや信頼も少しづつ変化していきます。
心を鷲掴みにされます。

しかし、気になるのは、あのお方のほうは結婚したのでしょうか?

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2011年11月16日

Posted by ブクログ

"お話"としてはもしかしたらシンプルなのかなと思います。
ただ、しっかり仕掛けがしてあって、それがなんとなく読めていても、それだけで終わらせてくれないからけして飽きることがなく、最後までガーッと読めました。
それぞれのキャラクターも愛らしく、読み終えるのが本当にもったいなかった。

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2011年10月27日

Posted by ブクログ

「ああ。きれいだろ、俺たちの新しい地球は」


星間移民船ジュブナイル、後編。

さらに3年経ち、シンゴたちは18歳になり、船は後10日で目的地タカマガハラⅡの周回軌道に乗る予定。
人々と共生しているゼリー状生命ベガーを巡る、子供たちと大人たちとの溝はむしろ深まっていた。

そんな中、スイレンの書き上げたベガーの生態についての論文が新たな火種となり…。

というお話。



とっても良いジュブナイルSFでした。
目的地到着という希望の日が、ベガーに対する社会のあり方が変わる変革の日でもあって、
その日までになんとか力を付けてベガーを護ろうとする子供たちという図式が、読んでいて応援したくなってしまいます。

悲壮なまでのがんばりを見せるキリナ、スイレン、ケンたちとあくまでお気楽な彼女の対比が面白い。
スイレンは幸せになってくれたのでしょうか…?

ラストの余韻感も好きです。
鯨というと、「クジラのソラ」のクジラを思いうかべてしまいますが、関係あるのかな?
読み返してみると発見が、あったりすると楽しいのですがさて。



「シンゴは偉くなった」
「六年前よりずっと頼もしくなった」
「わたしもがんばらないと」
ーーもうすぐ旅は終わる。

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2019年08月28日

Posted by ブクログ

オーバーロードに手を引いてもらっても人間では無理で
人形つかいやぷよぷよのえさにしてもらわないと
高次への階梯登れなさげな認識のこのごろの
移民船と異生物と心通わす少年少女という定番材料によるジュブナイルSF

力作だとは思うが設定の魅力に寄り掛かって積み込み過ぎ
ライトノベルな描写も強めだし富士見ファンタジア全6巻形式のほうが評価高まると思うが
3巻くらいで打ち切られそうなくらいの力の小説だと思う
冴えたやり方とか猫の地球儀みたいな攻めばかりでなく
星界の紋章(もちろん戦旗でなく)がなぜあれであれだけ受け入れられたか検討すべきでは

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2018年12月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻から一気に下巻へ。

下巻では15歳。そして18歳のお話。

内容的には戦中時代の親たちと戦後時代の子供たちの対立を閉鎖空間である多世代恒星間航宙船を舞台にベガーとの共生の描いたお話。

ベガーという存在がなかなかに面白かった。その由来は何なく想像できたりするが、それが特にマイナスということはなかった。

ただ、最後の黒幕はイマイチ感があったし、自分の想像力が貧弱なためか、イマイチ登場人物たちの性格的な部分が把握しきれなかった。何となく想像するイメージと発言の乖離が感じられた。

ともあれエピローグ的にも楽しく読めた。

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2013年09月13日

Posted by ブクログ

これは面白かった。
普段はライトノベルを書いている作者さんらしく、文章はラノベ調ですごく読みやすい。でも、設定はしっかりSFしてる。上手な文章&お話だったので、このまますぐアニメ化できそうだな~と思いました。

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2013年07月09日

Posted by ブクログ

これは面白かった。
普段はライトノベルを書いている作者さんらしく、文章はラノベ調ですごく読みやすい。でも、設定はしっかりSFしてる。上手な文章&お話だったので、このまますぐアニメ化できそうだな〜と思いました。

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2014年12月24日

Posted by ブクログ

新天地を目指す恒星間航行船を舞台にしたSF。バリバリのSFテーマの割に、内部に描かれている世界が何か懐かしい感じなのがおもしろい。
前半は物語の舞台となる船内の状況を丹念に描いています。船の状況、世代間の考え方の差などが主人公の少年を中心に描かれます。0から世界を構築するわけなのでしかたがありませんが、少々退屈です。
その分、物語が動き始めてからはおもしろいです。上下巻で結構なボリュームがありますが、はまれば一気に読めると思います。
エンディングはすごく静かです。じっくり描かれてきたが故に手に取るようにわかる主人公の心情が心にしみます。
すごく小さい世界を描いている作品ですが、すごくスケールの大きなSFです。

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2012年08月24日

Posted by ブクログ

ベガーとの共生を企む勢力との対立。。。?と思いきや、そうでもなかった、的な。

主人公が政治システムを動かすのに奔走しているのに、そのシステムや船長・副船長・議員他、システムがイマイチイメージできなかった。それと最後ちょっとドタバタだったかな。

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2020年04月05日

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