あらすじ
百崎日向(ももさきひなた)は結婚が決まり、“腹裂(ハラサ)き”の都市伝説の残る、故郷の竹之山を訪ねようとしていた。日向には小学校卒業までの記憶がほとんどなかったが夕陽に照らされる雪景色だけは覚えていた。日向は駅のホームで親友だったと語る相原沙耶子と出会う。突然、電車内を暗闇が覆い、日向は気を失う。目覚めるといつの間にか夜の竹之山駅にいた。人がまったくいない、明らかに異世界の竹之山駅の外には雪が積もり始めた女性の死体があり、その手には謎の手紙が握られており、竹之山温泉へ向かうよう書かれていた。襲いかかってくる黒い影から逃げながら、この出られない世界からなんとか脱出しようと温泉街をさまよう。日向の婚約者である神原正樹は、消えた日向を探し始める。繰り返される残酷な悪夢、一体この町で何があったのか。失った記憶を取り戻したとき、真の恐怖が日向を襲う――。戦慄のノンストップホラー。涙なしには読めない衝撃のラスト!書店員様より「これは最高に怖い!」(TSUTAYA三軒茶屋店 栗俣力也氏)と大絶賛。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
現実と異世界を行き来する間に登場人物とともに混濁していく世界の終焉を見届ける間に没頭してしまっていた。目が離せずあっという間に終わってしまうほど面白い作品でした。
Posted by ブクログ
角川ホラーの新刊、ハラサキについての感想。
全体を通して文章が読みやすく風景や心情描写が丁寧。人間誰しもが抱えているどす黒い感情がしっかり表現されている。罪と罰、何が許されて何が許されないのか。クライマックスの後に待ち受ける強烈なラストシーン。私は安心した。貴方はどうだろうか?
ちなみに本の帯は1回読み終わってから外すことをおすすめします。
Posted by ブクログ
2017年作。第24回日本ホラー小説大賞読者賞受賞作品。
ストーリーはあまり陳腐なものでもなく、なかなか良かった。ラスト3分の1から、次々と明かされていく「真相」も意外性があり、ショッキングだった。
が、文章力が弱い。グロテスクな場面もあるのだが、小林泰三さんのような明快さに欠け、そのように映像の描写が下手なために、どういう状態なのかよく分からないところが幾つもあった。
今ひとつな文章をもっと上達させれば、本作は傑作になったのではないか。ストーリーが良かったので、惜しい感じだ。
Posted by ブクログ
B級のホラー映画みたいだった。けど、最後が良かった!いい感じのバッドエンド!笑
休憩本として◎
途中まで主人公よく気絶するなーと思ってた。
内容としては、おもしろい!
Posted by ブクログ
独特の不気味さと心理的緊張感が印象的。
架空の地方都市・竹之山温泉を舞台にした閉鎖的な世界観と、百崎日向の記憶の欠落や過去のトラウマを探る展開は、日常が徐々に歪む感覚を覚える。
やや展開がコンパクトさを感じ、謎の全貌が気になる点はあるものの、短編ホラーとして十分なインパクトがあり、地方の孤立感や心理的恐怖が好きな人にオススメ。