【感想・ネタバレ】二度のお別れのレビュー

あらすじ

三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生。犯人は現金約400万円を奪い、客のひとりを拳銃で撃って人質として連れ去った。大阪府警捜査一課が緊急捜査を開始するや否や、身代金1億円を要求する脅迫状が届く。「オレワイマオコツテマス――」。脅迫状には切断された指が同封されていた。刑事の黒田は、相棒の“マメちゃん”こと亀田刑事とともに、知能犯との駆け引きに挑む。
※本作品はKADOKAWA/角川書店、東京創元社、文藝春秋で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

母の遺品にあった一冊。直木賞受賞作家である黒川氏のデビュー作、とのこと(知らずに読みました)

三協銀行新大阪支店で強盗事件が発生。犯人は現金約400万円を奪い、客のひとりを拳銃で撃って人質として連れ去った。大阪府警捜査一課が緊急捜査を開始するや否や身代金1億円を要求する脅迫状が届き、そこには切断された指が同封されていた。刑事の黒田は、相棒の“マメちゃん”こと亀田刑事とともに、知能犯との駆け引きに挑むが…

お恥ずかしながら黒川博行という作家がどのような作品を書くのかも知らず、その凄さも知らないという状態で読書開始。
他にも黒川作品が読まれずに積んである中でこの作品を最初に手に取ったのは
・シリーズものじゃない(裏表紙の説明で判断)
・さほど厚さがない
というだけ。

で、読んでみると…読むのが遅い私が1日で読み終わる快挙となった。
無論、長くないというのもあるが、これだけ夢中になって読み続けられた事自体が稀な事である。
(小説読むのが久しぶり&何もやる事がない休みの日だった、というのもあるが)

なにが面白かったのかというと、やはりその会話のテンポというか、緊迫しているはずなのにどこかノンビリしてるような空気感か。
主人公・黒田はある程度の常識人だが、取り巻く捜査一家の面々が個性的なのである。
特にマメちゃん(亀田)のキャラはとても良い。有能なのに冷遇されてる感もあって応援したくなった。
一方で村橋や神谷と言った上層部の無能さに、黒田を通して読者もイライラさせられる。
この辺はおそらく描写の巧さであろう。

それにしても単純ながらとんでもない真相だった。例によって深く推理したりせず、文章を追って普通に驚けるタイプの人間なので全く想像していなかった方法であった。
とともにタイトルの意味もジワジワと理解でき、気持ちよく「やられた!」と思える作品であった。

執筆された時代的に描写の古さは多少あるものの本質に関わるところではなく、個人的には特に気にならなかった。
関西弁の会話がちょっと付いていけなかったり、最後のオチが沈んだものになってしまう所はやや難があるが、警察モノが嫌いではなければ読んでみて欲しい一冊。

0
2025年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大阪府警シリーズ第一弾。

読みやすい内容だが、最後のどんでん返しが面白かった。

真相に辿り着くプロセスに一工夫あればもっと良かったかも。

最後の三輪車の記述が胸を打つ。

0
2020年06月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

お話としては、大阪の銀行で銀行強盗が発生。
その場に居合わせた男性客が犯人を取り押さえようとしたが犯人に撃たれ負傷、そのまま連れ去られ犯人からは身代金の要求が。
大阪府警捜査一課が犯人逮捕に当たるが、最初は行き当たりばったりでの誘拐かと思われたが、犯人は意外に巧妙な交渉を持ちかけてくる。

事件の真相自体はある程度事件が進展した時点で何となく思っていた通りでしたが、エンディングの持って行き方は新鮮でした。
あと書かれたのが80年代前半なので携帯電話も登場せず電話ボックスが犯人からの連絡に頻繁に使用されるのが懐かしかった。

この小説は登場人物のキャラが一人一人個性的で、こんな奴ら本当に居るんだろうな・・・と思わせる。
大阪府警が舞台と言うことで会話はすべて大阪弁、特に主人公の黒田と亀田の会話は軽妙で大阪出身の私としては楽しく読むことができた。

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2023年02月18日

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