あらすじ
夏樹と冬子は、高校時代、男女だけれど「親友」だった。
お互い、日常の謎を解くことを趣味として、一緒に居て誰よりも心地良い存在だったあの頃。
やがて社会人となった夏樹は、冬子に会いに神戸を訪れる。
町を散策しながら、昔と同じく、冬子と日常の謎ときを楽しむ夏樹だが、
夏樹には心に秘めた想いがあった。
冬子への恋心。もう、ごまかせない。
けれど冬子はなかなか、夏樹の想いを伝えるチャンスをくれなくて……。
もどかしくも、季節はうつる。夏樹の焦り、冬子の戸惑いをのせて。
そして……。
それは、最高で最低の片想い……。
優しく穏やかなな日常の謎ときから一転、驚愕のエンディングに、誰もがきっと目を瞠る。
青春ミステリの名手、岡崎琢磨が送る、究極の青春恋愛ミステリ。
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Posted by ブクログ
久々本を読んだ。またゆっくり本を読む時間をつくりたいと思いつつ、さて感想。
氏の作品は他のシリーズもいくつか読んでいるが、登場する男性の像が比較的に似通ってる気がする。タレーランシリーズの語り手などは典型的に。
いいとか悪いとかではなく好みという前提に過ぎないが、この男性像に共感できる人はどれくらいいるんだろうか。ミステリーに登場する人物なんてクセしかないだろうけど、悪い意味ではなく、むしろ僕にはこうした男性像を重ねてしまう10代から20代前半があったように思う。若干中二病的な?キセツなんてしてないけど(笑)
そしてその彼が最後の最後でも中二病から卒業しきれない感じがあるという、ロマンチックなんだからファンタジーが過ぎるのかわからない状況で、それでもなおその主人公に妙な親近感があるのは、おそらく、きっと自分がまだなんとも大人になりきれていないからなんだろうと思う。
痛々しいといえばその通りで自分の弱いところを自覚させられ、枕を涙で濡らしそう(笑)
ミステリー的には氏らしい叙述でミスリードしてたと思うんだけど、最後のキセツの解決はちょっと無理があったように思えなくはない。壮大な伏線ですごいと感じる一方、それまでであればおそらく解けなかったであろう冬子の冴え渡る推理は少しチートが効き過ぎかなと。
ただ、夏樹のある意味でダダ漏れな思いやそれに伴う行動を何かしらのブースターにしていたという意図もあったのかもしれない。
そこらへんのじれったくすれ違う感じは高校生とも大人とも違うアオハル具合がうまくでているんだろうな。