あらすじ
20世紀初頭、ロシア。
旅のサーカス一座に売られた少女・オルガは、
大富豪の息子・ユーリィに恋をした。
身分違いの密かな恋を叶えるために、
オルガはサーカスでスターになることを決意するが……。
アニメ化もされた人気作『マシュマロ通信』の山本ルンルンが描く、
激動のロシアを舞台にした切ない恋の物語。待望の第2巻。
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Posted by ブクログ
サーカス団に入った女の子が恋をして、挫折し、演技を磨きながら成長する物語。
と、このように描くと非常に簡潔だが、非常に濃い作品だ。
これまで山本ルンルンの作品は、可愛い柄でシビアな現実や青春の残酷さ、あるいは様々な階層で暮らす人達を温かい目で描いてきた。
今回の作品は、これらの特徴に加えて、「人がどう生きるのか」ということまで正面から踏み込んでいる。
とくに主人公のオルガがサーカスに向かっていた動機が、最初は比較的軽いものだったのが、
物語が進むにつれて大きくなっていき、この巻の最後には人生を左右するような重大な決意を見せる。
決意のコマではかなりドキッとさせられた。
著者がこの作品にある種の覚悟をもって挑んでいるかのようだ。
ただ、話が重厚でしっかりと物語が描かれている分、意外に軽くは読めないのは、この絵から入る人には好みが分かれるところか。