あらすじ
34歳で子供が欲しくなり、40歳で不妊治療をやめた
『週刊新潮』連載「TVふーん録」人気コラムニスト吉田潮が
45歳の今、気づき、書き下ろした「産まない」という選択
不妊治療を始めようと思っている女性には、「結果がどうあれ、知らなかった、あるいは封印していた自分を知ることもできるよ」と教えてあげたい。
私がそうだったから。(本文より)
産む人生か、産まない人生か。
アラサー&アラフォーの女性にとって誰もがぶつかる「妊娠・出産」の問題。
また「子供が欲しい」と思って「妊活」しても、簡単には「できない」という問題とも向き合うこともあります。
こうした女性のナイーブな問題を「ひとりで悩む」苦しさに対して、ではどうすればいいのか?
TV批評で人気のコラムニストの吉田潮が、自らの体験を通じて得た「気づき」を本書で書き下ろしました。
またカバー・本文イラストは漫画家の安彦麻理絵さんが描き下ろしました。
女として「自分が主語」の人生を楽しむためのヒントあります
泣けます。本当に「いまだ女性が背負う問題」の大きさに共感できます。
考えます。女性をとり巻く世間の無関心と無神経さに対して。
笑えます。妊活への取り組む姿と自分の生き方を身につけていく微笑ましさに。
また泣けます。妊娠の喜びと流産してしまった悲しみの間(はざま)で。
出会えます。改めてあなたと、あなたが愛する家族たちに。
またまた泣けます。女である自分の人生を見つけていく歓びに。
そして自信が持てます。女性であること、あなた自身の人生であることに。
産みたい理由
産みたかった理由
一緒に考えてみませんか
私は子供がいなくても自分が主語の人生をいかに楽しむか、だと思うようにした。
もちろん、子供ができなかった悔しさや己の不全感のようなものはゼロではなく、
心の奥底に汚泥のようにこびりついていたりもする。(本文より)
≪目次≫
はじめに
第1章 母性より個性
第2章 子供が欲しいという病
第3章 不妊治療を始めました、迷走し始めました
第4章 うらやましいけど妬ましくはない方向へ
第5章 「寂しい」は世間が主語
第6章 産まないことは「逃げ」ですか?
第7章 産んでも女、産まずとも女おわりに
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
潮さんの不妊治療のところは共感ばかりだった。
子どものこと以外にも、夫婦の在り方や友人、親との関わりなど潮さんの人生が少しだけ垣間見えるのでファンは是非。
以下は気になった文の引用です。
「子供がいないのも、子供が苦手なのも個性。そう思うとラクだ、今もこれからも。」
「母は無関心ではなく、不干渉なのだ。これは大きな差がある。今思うと、本当にありがたい。」
「この頃の私は、世間体とか慣習とか儀式とか、もうどうでもよかった。テレビで巨大な津波に飲み込まれていった町を、そして、爆発と目に見えない汚染で人間が入れなくなったまたを見て、何が大切なのかを悟った。命だった。自分の命であり、彼の命であり、自分と彼の間に生まれてきて欲しい命だ。」
「地球は自分のために回っていると思っている母の存在は、なんだか心地よい」
「不倫も貫けば純愛、初婚も還暦過ぎれば平穏。そう思わない?」
「国が少子化対策と言い始めてから何年経っているのかな。少子化を本当にみんなが憂いているのかな。国の未来をどこまで我々が背負うものなのかな。」
「結婚は判断力の欠如、離婚は忍耐力の欠如、再婚は記憶力の欠如」byアルマン・サラクルー
「「世間で子供を育てることが神聖化されるし、少子化を憂いて国力が減退するとか言うけど、うんこ食ってろ、です。日本より人工が少なくても成り立っている国はたくさんあるし、俺らが国家や国地からに寄与する必要なんかないですよ」ホントだ。私たちは国家のために生きてなんかいないのだから。」
「Mは面白すぎて、要経過観察だ。」
「結婚していない人も子供を産んでいない人も、そうでない人に比べたら、人生の着地点を考えるチャンスを与えられている」
「子供をもてなかった人が自分を欠陥品のように思わないこと。子供を産んだ人が「子供を産んでいなければ今頃……」と後悔しないこと。」
Posted by ブクログ
読み始めたときは、このテーマに関して社会への恨み辛みを書きなぐりながらじゃないと読めなかったけど(本当にしんどいのだ、生む生まないの話。)、筆者が私より年上のときにはじめて子供がほしいと思ったとわかったら、なんだか急に落ち着いた。そういうこともあるよな、私もその年齢になったらそう思うかもしれないし、今生みたいと思っていないことを悪いことだと思わなくていいかもな、と。
生まなかったことをこんだけフラットに書けるひとはなかなかいないと思う。すごいエンパワメントしてもらいました。こどもを生もうが、生まなかろうが、結婚しようが、しまいが、自分を主語に生きろ。という一貫したメッセージが本当に力強く温かかった。
助かった。
Posted by ブクログ
これまで自由に恋愛や仕事にいそしんできた著者。
結婚して子どもがほしくなって不妊治療をし、上手くいかなくてモンモンとした日々を振り返ったエッセイです。
とにかくパワフルでエネルギッシュな方!
そんな方でもうじうじと悩んでしまうのが、子どもについての気持ちです。
人によっては言い回しや考えが「ワガママ、偉そう」と思うかも。
(現にそういったレビューを見ました)
私は不妊治療に片足だけ踏み入れ、今はもう子どもは望めません。
子なしで生きる人生をだいぶ受け入れてきた状態です。
自分のなかで「子なし」を受け入れ始めている方なら、スッキリさっぱり読めると思います。
文章を本業にしている方だけあって、ハッとする内容も多く、自分では表現しきれなかった気持ちを言葉にしてもらえる感覚になりました。
まだ暗中模索の場合は、言葉のパワーが強い方なので、一瞬でも穏やかな気持ちになれたときに読むのを推奨します。
Posted by ブクログ
ザクザクっとしたエッセイで、気持ちよく読めます
著者本人がさまざまな体験の中で感じたことを率直に書いています。子どもどうしよう?という女性が読んでもいいと思います
Posted by ブクログ
最高。
文章が面白いところがまず素敵です。
私はこの人と結構考えが似ていて
もともと子供が欲しくないのに
年齢で、欲しい気がしてしまっていた。
マイノリティへの恐れもあったと思う。
こんなふうに、気持ちを楽にしてくれるから
やっぱり本て生きていくうえで欠かせない味方だね、と思う。
私の味方は
夫・スイカ・アボカド・山芋・本
である
Posted by ブクログ
私自身、30代後半で不妊治療歴2年半。
この先、子供が持てるのか持てないのか、微妙なラインに来ているなと悶々としている時に、この本に出会えて良かったと思います。
体外受精までして上手くいかなかったこと、流産して心挫けたことなど筆者と共通点も多く、私自身も「ここまで苦しい思いをして、なぜ私は子供が欲しかったのだっけ…」という思いに駆られることがあります。この本の中では、そのような感情を深掘りし、自分の気持ちとの折り合いの付け方のヒントを様々な経験談を交えて書いてくださっていて、とても参考になりました。
子供が持てなかったとしても、普段の生活の中の小さな幸せを大事にしていれば、「あの時は、そういう風邪(子供が欲しい病)をひいていたんだよな〜」と思える日が来るのかもしれないと、少し心が軽くなりました。ありがとうございました。
Posted by ブクログ
産む、産まないをテーマに女性が
ポジティブになれるようにと編まれている。
著者の結婚観、仕事観、不妊治療といった
出産周りのことから
幼少時代、友人や家族に対する考察と距離感
老後のビジョンと、腹の内を晒した作品。
結局は主語を自分にして、みんな違ってみんないい
ということなんだけど、そう簡単にはいかない。
わかっていても周りは気になる
でもみんな腹の内は見せてくれないので不安になる。
そんなジレンマを打ち砕くように
世間的にはキテレツだけどしみじみ幸せ
のサンプルを提示してくれている。
どんなでも大丈夫だよと大手を降ってくれているようだ。
育児における男性の不全感にについて
言及しているところが印象的だった。
産む、産まないになると女性が中心で
もちろん女性にしかできないこと多いのだけど
隣にいるはずの男性にフォーカスし忘れていた。
彼らもプライドズタボロにされながら頑張っているんだ。
労い、賞賛せねばならない。
Posted by ブクログ
ライターの方が書いていることもあり、文章が面白く、引き込まれる。筆者は、結婚し、不妊治療も経験している。
内容は、今は割と聞く、子どもを産まないと決めた人の心情など。新鮮味は特にないけど、当時はまだそういう声が本になってなかったようで、周りからも応援されたよう。
Posted by ブクログ
この本は子どもを産まない人生を推奨しているわけではないし、子どものいる人生を批判しているわけでもない。
既に子どもを持つ人も是非読んでほしい。
子どもが苦手。だけど別に嫌いってわけじゃない。そしてそれを公言することはなかなかしにくい世の中。子どもが苦手でも愛する人との子が欲しい気持ち。…共感しながら読みました。
この本の著者は不妊治療して、でもできなくて、今はそれでよかったと述べている。
子どもが欲しかったのは、周りの影響もあり、子ども欲しい病にかかっていただけだったのだと。
私自身、今妊活中だけどなかなか子どもが授からず少し焦っている。
この本をよんで、私も同じように流行病にかかっているだけかも?とか、子ども苦手なのに子どもを欲しがっていいのだろうか?とか考えさせられた。
共感出来るところと出来ないとこ
私はつい先日産まないと決断し、この本を取りました。
アラフォーになり、産むか産まないか決断しなくてはならなくなり、決められずに悶々とした日々を過ごしておりました。
そんな中、世の中の女性はどうなのだろうと思い、この本を読むに至りました。
作者はライターであり、一般的な会社で働く私とは状況も違うし、別居婚であったり、ちょっと下品で共感しづらいところがあったのですが、本の中には多数の共感出来る箇所があったり、あーそう言われてみればそうだよね、って目から鱗なこともあり、同じように考えた人のひとりの意見として、読んで良かったなって思います。
本当に、きっぱり潔く子供を持たない人生を選びましたと断言できる人は少ないと思います。まだまだ胸がチクってすることもありますが、こんなにじっくり悩んで自分と向き合えたことは、良かったことだよねって改めて思えた気がします。
Posted by ブクログ
年齢的にも産む、産まない問題が気になって、ちょうど話題になっていたので読んでみた。
産もうとしたけど埋めなかった。けど個人としての幸せが何なのかを考える時間を得て、今は幸せに暮らす筆者。
人が子どもを産みたいと思うのは2つの理由があって、周りからのプレッシャー(直接言われたり、あの子が産んだから私も)と、内なるプレッシャー(年齢的に産まないと時間がない)というものらしい。まさにこの二つで「そろそろ妊活した方が良いかな?」と思っていた私。けど、この2つには欠落がある。それは、「自分がどうしたいか」という視点が抜けているということ。それをこの本が教えてくれた。
周りに流されず、考えてみたいと思う。
産みなさい、産まなくていい、そのどちらも押し付ける内容では決してないので、悩んでいる人(女性だけでなく男性にも)は読んでみると良いかも。
Posted by ブクログ
作者の文章のテンションに個人的には少しついていけなかったけれども、こういうテーマの本は珍しく、考えたい人にとってとてもありがたい。なりゆきで結婚や出産をした人の多くは深く考えてないというのは、私の経験上、作者の指摘の通りと思う。
Posted by ブクログ
赤裸々。でも、こんなことしてこれだけかかってって、知りたいことが書かれてる。不妊治療の詳細なんて、なかなか聞けないし教えてもくれないだろうから。正直、なんでそこまでしてとしか思えないけど、魂売っても産みたいって人もいるんだろう。でも私の知ってる不妊治療で産んだ人ってみんな、子供への対応ひどいんだよな。憎んでんの?って思うくらい。過保護なくらいに世話はするけど、子供に何か言う時大抵ディスってる(¯―¯٥)