あらすじ
死ぬほど愛した男が、逃げてゆく。この愛を失うなら、本当に死のうとすら思った――。求めれば求めるほど、遠くなる愛、つのる欲望。恋に溺れる女の心と体を描いた表題作「凍った蜜の月」ほか全6篇。からだの内に「月」を抱えて生きる女たちの、どうしようもない思いと、満ちては欠ける「月」のように、はかなく変化する男と女の関係を、エロティックに描いた短篇集。
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Posted by ブクログ
恋に「溺れる」という表現がしっくりくる。
今なら肉食系というのだろうか。バブリーでイケイケ。
ただ一直線に男を愛し、求める女性たち。
「あなたがいないともう生きていけない」けれど、
案外あっさり一人で生きてみたりする。
女心と秋の空、というか。満ちては欠ける月だ。
Posted by ブクログ
うまくまとまっている。小道具もさりざなくいいセンスだ。『海月』は銀座線で田園都市線への乗り換えは渋谷とあるが、表参道で乗り換えるのが当たり前だ。ここに書くつもりでもあった解説でもまるごと引用された女の体液は月の滴、ムーン・リキッドというのは腑に落ちない。女の体液はもっと動物的なものである。最後の『蜜月』はやはり思った通りの夢落ち。もったいないところもあるが女の物語は及第ではあるのは事実だ。
Posted by ブクログ
月にちなんだタイトルの6つの物語。
生々しくて痛々しい女の描写は上手だと思う。
女には月経というものがあるわけで、
だから月に操られているのかもしれない。
女が月なのではなくて、
月を孕んでいるのだと感じた。