あらすじ
死ぬ自由があってもいいじゃないですか。
脚本家の橋田壽賀子さんは、戦争中の体験から、死は自分にとって身近なもので、人生にある種の諦めを感じていたと言います。戦後、自由な時代になり、テレビの人気脚本家として忙しい日々を過ごしている間こそ、そういった考えは遠のいていたそうです。しかし、精一杯生きてきて、一息ついた頃、橋田さんは自らの往生について考えるようになりました。自分はどうやって、死にたいのかと考えた橋田さんの答えは「安楽死」も選択肢のひとつとしてもいいのではないか、というものでした。その考えを、月刊文藝春秋で記事にしたところ、世間から大きな反響がありました。そこで、橋田さんが人生と「安らかに楽に死ぬこと」についての考えをまとめたのがこの一冊です。「文藝春秋読者賞」受賞の問題作の書籍化!
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Posted by ブクログ
ご家族も身寄りもいらっしゃらない橋田先生は90歳になり、安楽死を希望されている。認知症になったり、病院で胃ろうで栄養を摂るくらいなら、元気で意識がはっきりしているうちに亡くなりたいとのこと。
本人の意識や判断がしっかりしており、医師や弁護士、ソーシャルワーカー、家族が認めれば安楽死を国が認めてほしいと主張。橋田先生がご存命の間に法整備はされないだろうから、外国人の安楽死希望者も受け入れているスイスに70万を準備していよいよの時は行くそう。
ヨーロッパの数国、アメリカの数州では安楽死が認められているが、日本では自殺ほう助にあたり、刑罰となる。実際、治る見込みがない患者の家族に迫られて安楽死させた医師には実刑が下されている。
治る見込みがなく、かなりの痛みを伴う場合には安楽死を望むのかな。痛みというのは本当に精神がやられてしまうから。周りの家族は葛藤があるかもしれないが、国、国民が真剣に考えるべき問題だと思う。
動物には本人の意思関係なく安楽死させるのに…とちょっと思った。
Posted by ブクログ
橋田壽賀子さんといえばドラマの脚本家ですが、おしんと大河ドラマくらいしか見ていませんでした。あまり良いイメージも持っていませんでした。ただこの本を読んで、非常に共感を持ち、90歳を超える高齢の方でも、こういう考え方をした方がいるのだと感心しました。私もこうありたい、と。
脚本家として成功された著者は金銭的に余裕があり、自分の生き方(死に方)を選択できるとはいえ、後に残された人(身内の家族はいらっしゃらない模様)に迷惑をかけないようにしたい、という心構えは素晴らしいと思いました。介護に関しても、自分の子どもに迷惑をかけまいと、改めて思った次第です。
著者が問題提起しているように、日本で安楽死が認められる日がすぐに来るとは思えませんが、尊厳死を含め、超高齢化社会に突入した日本ではもっと死に方について簡単に選択ができる社会になってもらいたいです。
尊厳死や安楽死で持論を展開するも、最後に「死ぬのは怖い」と正直におっしゃっているところに、とても身近に感じました。
そういえば私も小学生の時に、死ぬのは眠っている時がいい、と真剣に考えたことがありましたので・・