【感想・ネタバレ】産業医が見る過労自殺企業の内側のレビュー

あらすじ

パソコン・モバイル機器を四六時中使う現代人の脳は「バッテリー容量は同じなのにアプリだけ増えているスマホ状態」で、人類は今、史上最も脳が疲れる生活を送っている。そこに長時間労働や会社の人間関係・トラブルなどでストレスが加わると、「コップから水があふれるように」人はうつ状態になり、最悪、自殺に追い込まれる。自殺する社員とはどんなタイプか、社員を自殺させる会社の問題点は何か? 約30社の産業医を務め、のべ数万人の社員を診てきた著者が、過労自殺の原因と対処法を教える現代人必読の1冊。【目次】はじめに/第1章 産業医とは何をするのか?/第2章 電通自殺事件はなぜ起こったのか?/第3章 会社でうつに追い詰められやすい人たち/第4章 社員をうつや自殺に追い込む会社の構造/第5章 過労自殺を防ぐために個人と会社にできること/おわりに

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Posted by ブクログ

 すでに荒廃しつつある家族主義的経営、同調圧力の中に過重労働、ひいては自殺の問題を提起する。

「人は外部に敵がいる時、群衆になることでストレスを低減させる」とのことであった。しかし現代は、逆にこの群れることがストレスになっているという。
 ではここで、本質的な問題とはなんだろうか。群れ方自体の問題だ!と、本書では経営者側、管理者側に時代が変わったことによる認識の変容を求めるが、そう単純な話でもない気がする。

 家族的であること自体は恐らく問題ではない。見て学べっていうのも合理的ではないかもしれないが、粋な伝え方だと思う。問題は、方向性だろう。
本来、人間関係を重視すべき家族的経営の風土に、生産性、合理性を最重要指標に据えるから不具合が生じるのではないか?
 「政治家が哲学を学ばなければ人民が幸福にならない」、または「経済が道徳を学ぶ必要がある」のと同じ理屈だろう。

 現代における「外部の敵」とは、論理の不足のことではないか。そのことが人々の進むべき道を見失わせ、人との繋がり方を分からなくさせ、各種「自己対象」を失わせるにも到った。失われた30年はここにある。
 群れていても苦しいのである。息苦しい…でも自己対象を求めて群れるしかないのである。過剰なまでの承認欲求、炎上など徹底した排除主義を生んできた背景には、この苦しさがあるのではないか。
求めざるを得ない、でも求めること自体が次の苦しさを生む。時代がアンビバレントに包まれている。
 今の時代は、大境界例水準時代と言っても良いのかもしれない。

今こそ鏡、理想化、双子…各種自己対象を取り戻すための倫理、知恵、ファンタジーが必要だと思う。

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2024年05月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

内側の話があるかというと、当然ないんだが。
管理職のミッションは自分のチームの生産性の最大化、という認識が管理職側で共有できるかどうか。

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2018年01月03日

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