あらすじ
『ジュラシック・パーク』の常識が覆る!
骨の化石からはわからない、生活痕跡の化石から恐竜の生態、その謎を追う。
恐竜の生痕化石とは、足跡や巣穴など行動の痕跡が残された化石のこと。恐竜の足跡は南極大陸を除くすべての大陸で、今でも毎年新たに発見されているのだ。また、かつて恐竜は子を産みっぱなしと考えられていたが、巣の化石の発見でそのイメージが大きく変化。他にも糞、嘔吐物、尿の化石もある。本書は、そんな世界に取りつかれた古生物学者が、その面白さを平易に解説するものである。
目次
第一章 恐竜を追う
第二章 この足は歩き、走り、すわり、泳ぎ、群れをなし、狩りをするために作られた
第三章 ラーク採石場の謎
第四章 恐竜の巣と子育て
第五章 地下にもぐる恐竜
第六章 折れた骨、歯型、歯に残された痕跡
第七章 なぜ恐竜は石を食べるのか
第八章 当時の名残――恐竜の吐物、胃の内容物、糞、その他、虫の知らせ
第九章 壮大な白亜紀を歩く
第一〇章 わたしたちの中に恐竜の足跡を辿る
第一一章 恐竜の景観と進化の足跡
訳者あとがき 恐竜の足跡は日本でも
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Posted by ブクログ
割と学術書寄りな内容。
原題Dinosaurs without Bones が示すように恐竜について”骨を抜きにして”、足跡や糞、巣穴、嘔吐物等々を手掛かりに恐竜が何を食べていたのか?どんな生活を送っていたのか、どんな一生だったのか?社会性は?など解き明かす。
言わば、恐竜の骨格に肉付けするような感じ。
好奇心が刺激される。面白い。
Posted by ブクログ
生痕学者が、骨以外の化石(足跡、吐瀉物、糞、巣、歯、胃石、共生生物、あるいは骨についた傷など)を用いて、恐竜の行動を推定していく、ニッチな仕事について述べている。主にオーストラリアの足跡群化石の解釈の変遷と自らの恐竜の巣の化石を発見する様を詳細に述べ、臨場感あふれる学者生活がわかる。
また、著者は恐竜専門ではないので、現代の恐竜である鳥類との比較をふんだんに用いてその生痕、足跡パターンの読み取りを行う。これまでのところでは、木の上に巣作り、交尾、飛翔(着陸や踏切の足跡)、放尿、日光浴の足跡がどういうものかは推定できるが実際には発見されていない(また従来の骨重視の古生物学者ではどういうのがそれに当てはまるか念頭にないので見てもわかっていないかもしれない)。