あらすじ
赤いヤッケを着た遭難者を救助したため遭遇した怪異、山の空き地にポツリと置かれた大きなザックから夜出てくるモノ……自らも登山を行う著者が、山で訊き集めた数々の怪談実話。新たな書き下ろし2篇収録。
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Posted by ブクログ
目次のところに簡単な日本アルプスの地図が載ったが「これはいらないのでは?」と思った。イニシャルでぼかしている話もあるし、載っていない山もある。
個人的にはミステリーではないのだから位置関係や距離感はぼんやりしている方がいいのではないかと思う。分かる人はイニシャルだけでもすぐに気付くし、イメージが湧かない人には実名と詳細な地図でも実像は伝わらない。
中身の話は相変わらず面白い。
しんみりくる話もあるが、前作よりややホラー寄りになったのではないかと思った。前作は心がほんわかする話がもっとあった気がするが、今作は連れて行かれる(引っ張られる)怖さのある話が増えたように感じた。中立(=不思議なだけ)の話も減って、害意や敵意を感じる事象が登場する話が多く、悪い意味で普通の怪談集になってきた感じがする。
山ならではの「ただ不思議な現象に遭遇した」話が多くても良い気がする。
また、山や自然の描写は変わらず上手く、どの話にも含まれているので、その点はこのシリーズの特徴として良いと思う。本作は山小屋の描写も多くあってそれも良い。