あらすじ
駅のホームの端に立ち、風にスカートを翻す少女。彼女は、まっすぐにこちらを見ていた――。喧嘩した親友に転校を告げぬまま夏休みを迎えてしまった少年。地味な同級生がバンドをやっていると聞き、心がざわつく女子高生。様々な思いを抱える人の前に少女は現れ、心の奥に隠した本当の声を聞く。青春の記憶を紡ぐ物語の先に驚きと感動のラストが待つ、6篇の傑作。
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Posted by ブクログ
きっかけはタイトルと作家名。
でも、手に取った作品のブックカバーには乃木坂46の佐藤楓さんのカーネーションを持った写真が。
この子は読んだのかな?
って思いながら読み進めてました。
推薦する以上は読んで欲しいなぁ。
そんな作品でした。
Posted by ブクログ
一日一日が積み上がって、一生がある。
頑張っても、頑張らなくても、なにかがあっても、なくても、一日は勝手に積み上がっていく。
もし、それをただ眺めていたら、それが突然終わったとき、私は絶対に、後悔する。
Posted by ブクログ
彼女は知らない。
あとわずかで、自分自身の命が尽きようとしていることも。
知らぬままに、彼女は夏空を見上げる。
今日は、どんな1日になるだろう?
昨日の続きでもない、明日への準備でもない、今日。
人生でたった1日しかない、大切な今日。
少女は、胸いっぱいに息を吸い込む。
今日を、今この瞬間を、いとおしむように。
Posted by ブクログ
大変面白く読ませていただきました。
最終章に入った時、「ここはきさらぎ駅かい」と叫んでしまいましたが、そんなおどろおどろしくなく青春の後悔をハンカチが拭い取ってくれたような爽やかな話でした。
Posted by ブクログ
情念が形となり、その形が人格を持つものと考えられた時、それはしばしば幽霊と考えられてきた。この小説はそのことをモチーフにおいて、郊外の駅に現れる謎の少女が軸となった小話をつないだ短編集であり、それらが一貫したストーリにもなっている。
少女は高校2年生である。読者はそれがかつてこの駅で殺害された美少女であると考えさせられるが終末になってそれが裏切られる。多くの伏線を張りながら話が進み、それが少しずつ解かれていくという話である。
少女の在籍した学校をめぐる人間関係や時間を超えた人と人のつながりを書いているの面白い。やや趣向に凝り過ぎた感じがするのはファンタジーの部類にはいる作品としては仕方ないのかもしれない。
小説の描写が丁寧で嫌味がないのはよい。他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
山間にある、時計塔のある高校の最寄りの駅。高校の時計塔の裏の部屋で幽霊を見たものは、願いがかなうという。そんな高校近くの駅に、高校2年だというが、同級生にはいない、オレンジのリボンをつけた少女が話しかけてくる。彼女に友人との悩みを、亡くなった娘の話を聞いてもらううちに、真実に出会う。
幽霊ネタのほのぼのファンタジーアンソロジー小説。プロローグで事件性をほのめかして来るので追加まえてしまうものの、1本目から普通の青春小説という感じで、あれ?ダッシュボードのナイフとは?と思ってしまう。
数本読んだところで、なるほど、駅に現れる少女はそうなんだな、と悟るが、なかなかこれという話にもならないので、特に何も考えずに短編を楽しむのがこの作品の楽しみ方だろう。
終盤でいろいろとネタばらしをしていくのだが、読み終わったあとには、そういう設定必要だったかなあ?というのも正直なところだ。
幽霊は幽霊であっても全然問題なかったし、悩みを作るために別の子も死なせてしまうあたりはちょっと安易だったかなと思わせられる部分がある。また、もう少し情景を描くところも必要だった。ほとんどが2つのシーンしか出てこないが「とある駅」「とある高校」で、周りの情景だとかが全く想像できなかった。
「時計塔のある高校」というあたりも、アニメっぽい雰囲気である。実際にそんな高校ないでしょ?
ゆるい青春小説短編集という感じ。悪い印象は特に持たないが、インパクトも少なめ。電子書籍でも良かったかな。
Posted by ブクログ
小さな出会いが一日を、未来を変えることがある。それは振り返れば奇跡みたいなことで。
何気ない一日から、変化が、そして未来が作られていくんだなぁ。もちろん、悲劇もあれば、後悔もあるけど、それでも、続いていく。
Posted by ブクログ
誰にでもある「後悔の記憶」。あの日あの時の人生の選択を鋭く優しく包み込む六篇の連作短編集。
生きていくことは後悔の毎日が続くことである。特に他者を傷つけた結果が記憶にあると、ずっと引きずる。駅のプラットホームに立つ少女の一言が、記憶を甦らせ、そしてひとつの結論を導く設定。抉るような厳しさがない分、物足りなさを感じるが、次回作が楽しみな作家に出会えた。