あらすじ
体長わずか数ミリメートルの昆虫を求めて、アマゾンの密林や広大なサバンナへと世界を旅する著者は数々の恐ろしい目に遭ってきた。ペルーでは深夜の森で、帰り道の目印に置いた紙片をアリに運ばれ遭難しかけたり、カメルーンではかわいい顔したハエに刺されて死の病に怯えたり、ギアナでの虫採りが楽しすぎて不眠症になったり……。「昆虫こわい」と半ば本気で、半ば興奮を戒めるためにつぶやく著者の旅を追ううちに、虫の驚くべき生態や知られざる調査の実態がわかる、笑いと涙の昆虫旅行記。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
旅行記のような昆虫探しのエッセイ。
新書はほとんど読んだ事がないのですがものすごく楽しく読めました。
私も著者丸山氏のように過酷な外国に行って現場を見てみたい!とは思いませんが、熱心に淡々と活動し続ける様子が易しい言葉で丁寧に綴ってあり、丸山ワールドにのめりこんでいきました。
まさか蟻の巣にさりげなく一緒に住んでいる他の虫がいるなんて。それ自体知らなかったです。しかもそれを専門に研究している人がいるなんて...正直言って地味すぎる!
著者が昆虫を紹介する際、頻繁に「かっこいい」という言葉が出てくる通り、心の底からホントに虫好きなんだなぁーと思いました。そして同士にも恵まれている。
子どもの頃、図鑑の虫を全部模写したり枕の下に図鑑を敷いたり...丸山氏にとっては子どもの頃からごく当たり前だった行動がなんだか心を打ちました。
他にも新種の発表のしかたなど、素人にはわからない世界の説明も簡単にされています。
著者の愛を感じる本でした。