【感想・ネタバレ】マルコフ方程式 ~方程式から読み解く美しい数学~のレビュー

あらすじ

不定方程式とは解が1つに定まらない方程式です。その数は多く存在し,作り出すことすらできます。有名な例ではフェルマーの方程式があります。今回本書で扱うのは,x^2+y^2+z^2=3xyzという形をしたマルコフ方程式です。この方程式には正の整数の解が無数に存在します。そしてその解を調べていくと,フィボナッチ数列{1,1,2,3,5,8,13,…}の奇数番目1,2,5,13,…だけが現れるという不思議な特徴を持っています。といっても,解の求め方は中学生であれば理解できる範囲なのです。方程式の神髄に迫ることができる1冊です。

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Posted by ブクログ

 不定方程式の一つであるマルコフ方程式を深く掘り下げている。マルコフ方程式は x^2+y^2+z^2=3xyz という単純な方程式であるが、見た目からは想像できないほど複雑で、それでいて美しい性質を持っている。例えばマルコフ解(a,b,c)を親としたときに(a,c,3ac-b),(b,c,3bc-a)となる子が存在し、それぞれの子を親としたときも同様に2つの子が存在する、ということを際限なく繰り返すことが分かっている。また、マルコフ解を小さい順に並べた数列にし、1つおきに取り出すとフィボナッチ数列になったり、数列の比が黄金数の2乗になっている。マルコフ方程式は非常に簡単な形式の方程式でありながら面白い性質を持っていることが楽しめた。

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2019年11月10日

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