【感想・ネタバレ】中尉のレビュー

あらすじ

現地民と歩兵の心の闇、緊迫する心理戦、知られざる真実――敗戦間近の英国領ビルマを舞台に、ペスト罹患者の封じ込めにやっきになる村に派遣されてきた日本人の中尉と、その警備にあたる軍曹の心理を描いた戦争小説。

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Posted by ブクログ

割と終盤までは掴みどころのない淡々とした戦争小説という感じだったが、最後のオチで中尉やビルマ人の心に触れ、これまでの灰色の物語がほんのりと色づいたように感じた。
戦争のリアルな表現もすごい。インパール作戦について少ししか触れられていないが、ちゃんと知りたいと思った。

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2023年04月20日

Posted by ブクログ

戦地という場、敗戦という状況、そのような寄る辺ない状況下にあって他人と縁を結び他人を想うことのままならなさ。人を見る目を養うというのは、いかに自らをフラットな状態に置けるかの努力であって、それは極限下とても容易くはないことと知らされる。
“中尉”の安否を示す真実はつまびらかにならず、淡々と時間は進み、少しばかり増える推測を補強し得る事実も。しかし尾能軍曹にとっては自らの“希望”を揺するものでしかなかった。人間関係は立場と視点に制約される、それが個人間であれ国家間であれ。そんな諦観を思った。

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2018年11月04日

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