あらすじ
●「ROEって何ですか?」 ●「株主はなぜROEを重視するのですか?」 ●「どうすれば、ROEが高まりますか?」 ●「ROEとROAでは、どちらがより重要ですか?」こう質問されたとき、あなたはきちんと説明することができますか? ROEやROA以外にも、EVA、フリー・キャッシュ・フロー、自己資本比率、流動比率、資産回転率、EBITDA倍率……日経新聞やビジネス書でよく見かける「経営指標」の意味をきちんと理解していますか? 経営コンサルタントとしてたくさんの企業の財務諸表を見ている著者が、最低限これだけはおさえておきたいという経営指標を厳選し、分かりやすく解説。課長になったら知らないとまずい重要な経営指標が1冊で学べる本! ※本書は、2015年6月に発刊された『「ROEって何?」という人のための経営指標の教科書』(PHPビジネス新書)に図表を加え、企業の決算数値を最新のものに更新するなど、全面的に加筆・修正をしたものの電子書籍版です。 【本書で取り上げる主な経営指標】ROE(自己資本利益率)/ROA(総資産利益率)/WACC(加重平均資本コスト)/EVA(経済付加価値)/EBITDA倍率/自己資本比率/流動比率/当座比率/手元流動性/資産回転率/売上高成長率/売上原価率/たな卸資産回転月数/販管費率/売上高営業利益率/キャッシュ・フロー・マージン/フリー・キャッシュ・フロー/D/Eレシオ 【本書の構成】●第1章 [準備編]これだけは知っておきたい「貸借対照表」と「損益計算書」の基本─最低限のポイントだけを分かりやすく解説! ●第2章 注目の経営指標「ROE」を完全理解する─「ROA」との違いは? どうすれば高まる? ●第3章 財務諸表で「企業の実力」を分析する方法─経営のプロは「ここ」を必ずチェックする! ●第4章 [発展編]ワンランク上の経営指標を学ぶ─これが分かれば、ファイナンス上級者!
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『決算書はここだけ読もう』と並んで、とても良い。
必要以上に詳しくはない、しかし十分腹落ち感がある。
内容はROEに限らず、経営指標に関して大事なことアレコレなので、若干釣りタイトル気味。
※新書版『ROEって何?』の加筆版だそうです。
Posted by ブクログ
【決算とは】
・決算とは、一定期間の収入・支出を集計し、どれだけ儲かったか・損したかを示すもの。
・同時に、資産・負債など財産の状態を明らかにする。
・決算期間=会計期間、その末日を「期末決算日」という。
・上場企業の約7割が3月決算。
・貸借対照表は「時点」の情報、損益計算書・キャッシュフロー計算書は「期間」の情報を示す。
【営業利益と経営者の実力】
・営業利益は、経営者の腕を最も反映する指標。
・経営者の能力は「営業利益」で一発でわかる。
【負債と純資産の違い】
・負債:将来返済が必要なお金。
・純資産:返済する必要のないお金(株主からの出資など)。
【倒産の原因と流動比率】
・会社は「赤字」ではなく「返済不能」で倒産する。
・特に流動負債が返済できなくなると倒産する。
・流動比率=流動資産 ÷ 流動負債(一般的に120%以上で安全)。
・現金商売(例:マクドナルド)は70%でも十分。
・当座比率=当座資産 ÷ 流動負債(90%以上が目安)。
【業種による資金繰りの違い】
・医療・介護業界は入金まで時間がかかる(売掛金が多い)ため、資金繰りが厳しい。
・利益が出ていても資金繰りは苦しい業種も多い。
【自己資本比率と安全性】
・自己資本比率=自己資本 ÷ 資産
・長期的な安全性を表す重要指標。
・製造業:20%以上、商社・卸売業:15%以上が目安。
・10%未満は危険水準。
【自社株買いとROEの関係】
・自社株買い=市場から自社株を買うこと。
・株価上昇・1株あたり利益増加などの効果がある。
・ただし、純資産が減少するため自己資本比率は低下。
・安全性を犠牲にしてROEを高めるのは健全ではない。
・高ROEよりも健全な財務体質が重要。
【ROEとROAの違い】
・ROE=株主資本に対する利益率(登記純利益使用)。
・ROA=資産全体に対する利益率。
・ROEよりROAの方が本質的な経営の健全性を示す。
・負債を使ってROEを上げる(レバレッジ効果)には注意が必要。
【レバレッジとは】
・「てこ」の意味。
・負債(特に有利子負債)を活用して収益を高める仕組み。
【コーポレートガバナンス】
・取締役は株主の代理人。経営を監視・評価する役割。
・不適切な経営判断があれば解任も可能。
・2015年以降、上場企業は独立社外取締役2名以上が義務化。
【貸借対照表の見方】
・左側(資産)は業種ごとに異なるが、右側(負債・純資産)は共通性が高い。
・投資家は「預けたお金に対するリターン」を重視。
・貸借対照表の右側は冷徹に「お金の効率性」を評価している。
【資金調達コスト】
・負債の調達コスト=金利。
・純資産の調達コスト=株主の期待利回り(国債利回り+α)。
・株主資本コストは負債よりも高い。
【財務分析の優先順位】
・最も重視すべきは「安全性の分析」。
・黒字でも資金ショートすれば倒産する。
【売上高の意義】
・売上高=企業の社会的プレゼンス(存在感)を示す。
・売上を伸ばし、効率的に利益を増やす経営が理想。
【売上原価と棚卸資産】
・売上原価=売れた分の原価。製造原価とは異なる。
・棚卸資産が多い企業は注意(在庫倒産のリスク)。
・棚卸資産回転月数=棚卸資産 ÷(1ヶ月あたり売上原価)
【販管費と営業利益率】
・販管費は放っておくと膨張するため管理が重要。
・売上高営業利益率=営業利益 ÷ 売上高(数字が大きいほど効率的)。
【キャッシュフロー計算書の重要性】
・利益と現金の動きは一致しない。
・「黒字倒産」を防ぐにはキャッシュフロー分析が不可欠。
【営業キャッシュフロー】
・プラスであることが必須(継続性の源泉)。
・キャッシュフローマージン=営業CF ÷ 売上高
→7%以上:合格、10%以上:優良。
【投資キャッシュフロー】
・通常はマイナス(未来への投資)。
・プラスの場合は要注意(資産売却などの可能性)。
【財務キャッシュフロー】
・基本はマイナスが健全(返済・配当支払い)。
・借入過多は危険。
【理想的なキャッシュフロー構造】
・営業CFで稼ぎ、投資・財務CFで使う。
・「稼ぐ」と「使う」のバランスが取れていることが重要。
【会社の価値を測る指標】
・①DCF法:将来キャッシュフローの現在価値−有利子負債
・②EBITDA:営業利益+減価償却費(過去の業績評価に有効)
【会社の存在意義】
・①商品・サービスで社会と顧客を幸せにする
・②働く従業員を幸せにする
・経営指標はこの2つを実現するための“手段”でしかない。
Posted by ブクログ
学び4つ
企業評価の大事なポイントが学べた。
➀ROEよりROAが収益性では大事、さらにはEVAがわかりやすい
➁全ての業種で比較できる収益性。営業利益が付加価値20%か
③未来投資の確認 「固定資産-売却」と「減価償却費+減価損失」の比較
➃会社の価値計算 DCF法の会社価値orEBITDA倍率からネット有利子負債を除いた額