あらすじ
オトコという存在は実は「不感症」ではないのか。だからこそ、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませ、一人でしては空しさに襲われる──。少なくとも自分にはそうした側面があると気づき、この問題を深く掘り下げ、論じ切った衝撃のセクシャリティ論。男女を問わず大きな反響を呼び、「男の性」の必読本となったこの書に、「その後の、感じない男」についての章を加えた、増補決定版。
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Posted by ブクログ
男の「不感症」「制服フェチ」「ロリコン」がテーマであり、これらを著者の実際と照らし合わせて考察する。したがい、答えではなくひとつの仮説である。
男の射精そのものは快感を感じずに空虚感を感じる(男は自らの射精を語りたがらない)。感じる女への復讐がポルノに反映される(実際には女もそれほど感じているわけではない)。ポルノでよく制服が用いられるのは、背後に学校(=洗脳)を感じるため。男の自分勝手な論理で女を内面的に支配し、セクシャリティの自閉世界を作り上げることに帰結する。精液はその架け橋である。
ロリコンというと一般的に初潮前後の少女を対象としたものであり、社会全体がロリコン化しつつある。感じない男は自らの体を肯定的に見られず、少女の体として生きてみたかった願望が、少女の体の中に乗り移るという形で現れる(そのため少女が女性になる初潮頃がターゲットとなる)。母親からの訣別はロリコンの形をとり、自己完結した世界に閉じこもることで、完全な自由を手に入れる。
男のセクシャリティに対する肯定感のなさから、女への支配(うまくいかないと、復讐し罰っしようとする)を強める。正面から向き合おうとせず、架空の女のイメージのほうが生身の女よりも大事だったりする。「生まれてきて本当に良かった」と感じることで、ひととひとが感情を分かち合いながら、よい関係を作り上げていける。男のセクシャリティはいくらでも変わりうる。