あらすじ
黒船の来航により、風雲急を告げる幕末の世。安政二(一八五五)年、安中(群馬県)藩主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城内より碓氷峠の熊野神社までの七里余り(約三十キロ)の中山道を走らせた。「安中の遠足」とも呼ばれた、日本のマラソンの発祥である。美しい姫をめぐりライバルとの対決に燃える男。どさくさ紛れに脱藩を企てる男。藩を揺るがす隠密男。民から賭の対象にされた男。余命を懸け遠足に挑む男。悲喜こもごもの事情を背負いながら、侍たちが走る走る。果たして勝者は? 人気の著者が放つ、涙と笑いの痛快スポーツ時代小説!!
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Posted by ブクログ
面白かった。
遠足、といういわゆるマラソン大会をお殿様が企画して、さまざまな武士たちが参加をする。
その参加者たちのそれぞれの背景を描くオムニバス…という感じ。
良かったところ
・それぞれの話の登場人物や、出来事がやらしくない程度に絡み合っている
・ハッピーエンドがほとんど。ちょっとミステリ的な要素もあり
・時代小説っぽさもあるがポップで読みやすい
Posted by ブクログ
藩主板倉勝明が渦中に遠足(マラソン)をやるように言ったことで起きる家中寸劇。最初の3話ぐらいはb津別の話であったが、最後の話で一気に繋がり、話がまとまる。結構うまい話の構成であった。 2話目の江戸妾の話も妻にはバレバレで妻が仕掛けた一大騒動であったが、本人は知らずで円満家庭へ。結構話の作りが上手。まあ軽く読める本としては4つ星。
Posted by ブクログ
映画を見て疑問に思ったので読んでみた。
映画とまったく違う話、とまでは言わないが、小説版の方が面白い。
恐らく外国の人が見た侍の面白さは映画に入っているのだろうが
日本人が見て面白いと思う侍像は断然こちらだろう。
安中藩藩主の板倉勝明も素直に恰好良かった。
映画の主人公は隠密の唐沢だったが、小説ではそれよりも
伊助の話が印象に残った。
映画もこの話の筋書きで撮ってくれた方が楽しめた気がする。
リベンジで来年もやりたいという話から、じゃあ殿も参加してくださいね
というオチは微笑ましくてなかなか良かった。
読みやすい内容だと思う。
解説によると作者は脚本家がそれを小説に起こして小説家になるというパターンの方だそうで
それを聞くと納得がいく。
あまり文章自体には正直深みはなく、事実と会話が羅列されていく感じ。
史実部分にも多少気になるところはあった。
1956年の日本映画「まらそん侍」とはオマージュなりリメイクなり何か関係があるのだろうか。