【感想・ネタバレ】でんでら国 上のレビュー

あらすじ

姥捨山のその奥に老人達の桃源郷があった。

この時代小説がすごい2016年版(宝島社)にランクイン!細谷正充・著『歴史・時代小説の快楽 読まなきゃ死ねない全100作ガイド』(河出書房新社)に掲載。各方面で話題の時代小説が、いよいよ待望の文庫化!

時は幕末、陸奥国八戸藩と南部藩に挟まれた小さな国、外館藩西根通太平村。大平村には、60歳になると村での役割を全て解かれ、御山参りをする習わしがあった。それは、食い扶持を減らすための姥捨ての旅とも囁かれていた。しかし、その実態は・・・・・・?
山に捨てられた老人達が、理想の村を作って生活を営む、そんな国を暴こうとする代官とそれを守ろうとする農民たちの攻防戦。意外な結末が、愉快痛快!現代の高齢化社会の問題を解決するヒントが盛りだくさん。

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Posted by ブクログ

この物語は、一つに年貢という定法から逸脱した桃源郷たる棄老集落を描き、もう一つに隠田を暴く代官側の人間模様を描く。特に惚けてしまった父を抱える別段廻役・平太郎がキーパーソンになりそうだ。田植えのための代掻き水が沢を濁すことに気付いた平太郎。でんでら国に平太郎が辿り着くかという間際に、野宿中の平太郎が不慮の怪我を負い(代官所的に)消息不明となる……。でんでら国では長閑な時が流れるが、農民と武士との溝は埋まりそうにない。無さそうで有りそうな山奥の隠れ里という設定が面白い。

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2024年12月23日

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