【感想・ネタバレ】怒り (下)のレビュー

あらすじ

山神一也は整形手術を受け逃亡している、と警察は発表した。洋平は一緒に働く田代が偽名だと知り、優馬は同居を始めた直人が女といるところを目撃し、泉は気に掛けていた田中が住む無人島であるものを見てしまう。日常をともに過ごす相手に対し芽生える疑い。三人のなかに、山神はいるのか? 犯人を追う刑事が見た衝撃の結末とは!

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Posted by ブクログ

殺人事件を起こした犯人は誰なのか、そしてなぜそんな事件を起こしたのか。
それが警察もののミステリーサスペンスの王道だけれど、「怒り」はその焦点が少し違う。
容疑者のまわりで生活してる人が、彼を信じるのか。疑いをもってしまった時にどうするのか。
それぞれすごく切なかった。
「上」の時点ではそれぞれの話が繋がっていくと思っていた。
でも八王子の事件に翻弄されるそれぞれのストーリーで、犯人捜しとともに犯人ではないと分かった時ハッとさせられた。
自分だったらどうするだろう。と考えた。
はぁ…面白かった

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

先が気になって気になって…一気だった。一つの事件を基に人間の思い込みや信じる力が絡み合っていく。ある意味人間のもろさ、弱さをついてくるお話だった。
人として、大切なものは…と思うお話だった。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても引き込まれる話で終始読む手が止まらなかった。
ラストに向けての展開がなんというかもう、胸が苦しくなった。
家族といえど恋人といえど、自分以外の人間を信じると言うことは難しい事だと思う。
田中の怒は、何に対してだったのだろう…

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2025年11月12日

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誰?誰?と気になって一気読み
中盤から終始ドキドキ
この人じゃありませんようにって願いながら読んでいた

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2025年10月16日

Posted by ブクログ

「信じること」
これがいかに難しくて、脆くて、偏向的なものであるかをダイレクトに感じられた作品。
重たいけれど、読んでよかったと思いました。

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2025年10月06日

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★★★★★おーもしろかったーー!!こういう傑作との出会いがあるから読書にはまってしまう。登場人物の人間関係も把握できてますます面白かった。裏切りと疑い。信じることを考えさせられた。

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2025年08月30日

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信じるとはなにか
人が信じていたのに、という発言をする裏には、その人の人物像をこちらで勝手に決めつけ、勝手に裏切られたような感覚を持つようなケースが多いのだと思う。

だからこそ人は、相手の見えていない側面が見えたときに「信じる」という言葉を使って安心を求めるのかもしれない。
多様な人間らしさが見えて特に最終盤は目が離せなかった。

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2025年07月24日

Posted by ブクログ

目の前の男を信用していく過程、逆に疑っていく過程。映画を観た後だったので、想像しやすく読めたけれど映画を観る前に観たい気持ちもあったような……。さらさら読めます、面白かった。
個人的には洋平と愛子が愛おしくて哀しくて…。「自分の娘が幸せになれるわけない」と思ってしまって、何度もその考えに抗おうとしている洋平と、最終的に田代を疑ってしまった愛子、今思い出しても涙が出る…。

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2025年04月04日

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明かされないこともあったし、全てがハッピーエンドというわけでもないが、このような終わり方がそれぞれの人生をリアルに表してるように思えて良かった。
自分のことを打ち明けないと人には信じてもらえないし、信じることができない。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

再読してた。
2025.11
今回、最後に残った気持ちは安堵と希望。
でもそれだけじゃないし、それだけにしてはいけない。

なんか、何だろう…、重いのか、この雰囲気。
ただ辛いだけでもなく…
とにかくもう、惹きつけられる。止まらない!

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2025年11月30日

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この物語は人をどこまで信じられるか?
そんなテーマで描かれている感じがしますが、その背景や環境やタイミングがエグいですね、あんなタイミングならまず疑いますよ。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

事件を軸に描かれる人間模様が良かった。信じたいけど、信じられない。自分も身内も他人も、信じることって難しい。。

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2025年10月17日

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ネタバレ

本当は誰かを信じることはできない
思いどおりにいくことなんてない
どんなに大切な人でもそのひとを知ることはできない
優しさや親切も苦労も
例え言葉にしたとしてもそれは想った通りに伝わらない

愛子はぐちゃぐちゃになって前に進み
田代をつなぎとめた

優馬は逃げまくったけど
偶然に直人の想いと最後を知れた

辰哉は田中を殺し、泉は辰哉のために行動した

愛子と優馬の比較をしてしまいそうになるけど
相手を想い信じることを必死にやろうとしたことに違いはない

辰哉が感じた怒りと、田中が壁に書いた「怒」
田中の怒りとはなんだったのか
心が壊れた人間が怒りを感じることができるのだろうか
自分への怒りなのか
誰かの怒りのことなのか
どうしようもないこの世の中への怒りなのか

他人の怒りで自分の幸福を確認する
人を下に見ることで自分を高める
辛いことや悲しいこと恐怖や怒りに満ちた社会とは俺は別の次元にいると信じる材料としての怒り

もしそうだとしたら田中が誰かを信じることは、自分が作りあげてきた歪んだ世界を壊すことになるのでは。
いつ来るかも知れない信じるものを失う辛さに怯えるよりも、信じられる対象を損ない破壊することで維持される世界に生きること。

自身と大切な人の生活に深く関わり、信じていた人がそう言う人間だったとわかった時。
例えば自分はどういう行動を取るだろう。

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近話題の映画の国宝の筆者だと、読んでいるうちに気づいた。
ゲイの世界に対しても解像度が高いように思い(単純に私が知らないだけかもしれませんが)、幅の広さを感じた。

それぞれのシーンの時間軸が違うだけで同人物なのかと思いきや、報道のタイミングから同時並行で進んでいるシーンがあることに気づき、読み進める手が止まらなくなった。

警察署で南條が言った「結局は場所なんだよ」という言葉が残った。それは自分の持つ価値観でも言えることかもしれない。どこでどのようなシーンで知り合ったか、などなど…。

洋平が愛子を信じられていなくてこれから愛子を信じようとしていること、信じていた田中が大吾を裏切った(信じられなくなった)こと、北見が美佳を信じようとしたが叶わなかったこと、相反する部分がうまく咀嚼できなかった。

美佳は一体何をしてしまったんだろう…。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

上巻からの流れは続き

三家族の前に三人の素性のわからない若者達現れる。
彼らは、それぞれの土地で馴染もうとしているかにも見えるが、何かを隠している様子。
そこに、殺人犯の報道があり、刺激され彼らに対する疑心が強くなっていく。
犯人探しのミステリーな側面は少なく
殺人事件の原因、怒りの文字の要因等は
最後まで追求されない。
一人の殺人犯の逃避行を軸に
現代社会の弱者を主体として
誰を信じるか、何を信じるかというテーマを追究しているのかと思う。

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2025年03月31日

Posted by ブクログ

なぜあの夫婦を殺したのか。動機のない快楽犯なのか、それならばあの怒りという文字はなんなのか。と色々考えてしまう。

ふと自分の隣にいる人が本当は何者なんだろうと思ってしまう作品

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

 二〇一六年に同タイトルの映画が上映されヒットしたという。原作は、二〇一四年一月に上梓されました。

 ある夏の暑い日に八王子で夫婦殺人事件が起こった。現場には、『怒』の血文字が残され、犯人は行方をくらました。事件から一年後、警察は、犯人逮捕のため躍起になり捜査したが手掛かりがつかめず容疑者を公開した。作品では身元不明の「3人の男」がそれぞれ現れ、訝られながらも次第に周囲に受け入れられ、人間関係が形成されていく。

しかし、捜査線上、容疑者が顔の整形手術を受け、モンタージュ写真が公開されたのをきっかけに、人間関係が揺らぎ始めたのだ。

 文庫本の巻末に、解説はありません。映画を視聴すれば犯人は容易に判明するけれど、小説のタイトルの「怒り」は何に対し「怒り」なのか不明のまま物語は進行します。

本書の新しいカバーには、「実在の事件」にインスピレーションを受け」と書いている。
 あの事件か‼と思うのは簡単に想像できるけれど、小説の中の犯人の動機の真相は藪の中です。

 この小説について、多くを語りません。
皆様のご意見や感想をお待ちしております。
 読書は楽しい

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

理不尽な結末。やりきれない気持ちになります。
何かがひとつでも阻止できれば、この結末からは逃れられたのではないかと思います。現実もこんなもんか、それ以外の事で溢れているんだろうな。

結末に向かうにつれて、読むにも熱がこもりました。純粋に読書として楽しかったです。最後に愛子が幸せになれそうで良かった。上を読んで犯人予想してたけど違った!!

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

夫婦惨殺事件で逃亡中の犯人 山神を思わせる人物3人のお話

読み終わって、何だか肩透かしを食ったような気分


八王子での夫婦惨殺事件から1年経っても捕まらない犯人
目撃証言から作成されたモンタージュ写真が公開されているが、整形している事も考えられる
房総の港町の父子家庭、東京の広告代理店勤務のゲイの男性、沖縄の離島で民宿に住み込みの母子家庭の女子高生、それぞれの前に身元がわからない男が現れる
どの男も逃亡犯と共通する特徴が見え隠れするが、果たして犯人なのか?

千葉編、東京編、沖縄編、刑事編を細かく切り替わりながら物語は進む

テーマは、人を信じるとは?だろうか
その人の過去を知らなくとも信じる事はできるのか?

「犯人は誰か?」にばかり気をとらわれていると、私のような読後感になる


人の何を以て「信じる」のか
今の行動が信じるに値するのであれば、その人の過去がわからなくても信じることができるのか
でもまぁ、人間そう簡単に過去の行動を気にしない事にはできないわけで
中々に難しいんじゃなかろうか

あと、「信じる」というのは自主的なもので
相手がどうであれ「信じる」と決めたのであればそこに間違いはない
ただその結果、自分が期待した信用を相手が返さなかったとして、それは自分の「信じる」がその人の一側面しか見えていなかったという話なわけで
相手の本質は変わりないのだけれどね
たとえ最初に信じた事が裏切られても、それでも信じた部分に嘘はないと思うのだけれど


全部読み終わって抱いた感情が不完全燃焼

結局、山神とは何だったんだろうな?

存在の訳わからなさ
行動の統一感のなさ
人の印象のばらつき

何かの小説でもあったように、山神とは外部の刺激により都度変化する存在なのかもしれない
でも、「悪意」のようなものが見える行動もあって
それが誰に由来するかというと作中では明確には描写されていない
となると、やはり本質として悪意を持っていると言う事なのかとも思う


事件の「その後」に青春を感じる
ただ、もっと終わり方として何とかならなかっったものかと、もどかしい気持ちにもなる

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2025年01月10日

Posted by ブクログ

・どんなに愛していても、信じたいと思っていても、素性の知らない誰かを信じきることは難しい。きっと、相手の過去を知れば知るほど、その人のことを信じられる。

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2024年10月08日

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ネタバレ

3.8
人を信じられるかがテーマだったのかな。
刑事の北見を含め4つの物語のうち3つは暗く悲しい結末。こんな終わり方になるとは・・・けど吉田修一の書く話って終盤で唐突に暗くなるの多い気がする。唯一、愛子と田代の話だけ希望が見える終わり方で救われた。

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2025年10月06日

Posted by ブクログ

信じたい、けれど信じ切ることができない。
愛子も洋平も、優馬も、北見も。
はがゆさに、読んでいて息苦しくなる。

辰哉は信じたいと願った相手から、裏切られた。
それが「怒り」なのか。
騙された、裏切られた、そうやって誰かのせいにしている人間を、「怒り」は捕える。

洋平は言った。
「でもな、田代、ああいう奴らにつけこまれるのは、自分に自信がない人間だからなんだよ。それを知っててああいう奴らはつけこんでくるんだよ。」
『ああいう奴ら』を「怒り」に置き換えて読むことができる。

誰かを信じることと、自分を信じること。
誰かを信じられないということは、信じたいと願う自分自身を裏切ってしまうことだ。

辰哉は自信を失い「怒り」に囚われて殺人を犯したのか。
違う。
辰哉は決意の中で田中を刺した。

では、辰哉を捕らえたものは、ほんとうに「怒り」だったのか。
それは「哀しみ」ではなかったか。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

結局怒りの正体は何だったのか。
怪しい3人それぞれがスッキリしない結末になってしまった。

風俗嬢やゲイの設定、親がふしだらで転勤を繰り返したという設定が必要だったのかがよくわからない。
大枠のストーリーにはさほど影響はなかった気がする。

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2025年08月05日

Posted by ブクログ

誰が殺人犯か、この話はどこかで交わるのか、など思いながら興味深く読み進めることができた。結末にモヤモヤ感が若干残るものの楽しく読めた。今話題の映画「国宝」も吉田作品と知って読みたくなった。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

『国宝』からの流れで『怒り』を読んだけど、染井為人さんの『正体』を読んでしまったので、ちょっと物足りないな…。

もちろん、『怒り』が先なので、『怒り』からの『正体』だったらもっと楽しめたのにちょっと残念。
テーマとかテイストは違うんだけど、どうしても似ているところがあって、比べてしまい、物足りなさを感じてしまう。

なんで、“怒り”にしたのか、犯人の動機や刑事さんの恋人の正体とか、もやもやしすぎてすっきりしない後味が何とも言えない。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

並行して進む3つのストーリー、どう繋がるのだろうと思いながら読み進めたが、正直やや想定外の結末。ただ、それぞれのストーリーにドラマがあり、どんどん読み進めた。

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2025年05月17日

Posted by ブクログ

一人の殺人犯の影に怯える3つのシチュエーションでの市井の人たち。共に外部から流れてきた男を快く思うも不信感を拭いきれず、それがもとにストーリーが展開する。終結は、パンと張った風船がしぼむようだった。泣き崩れる場面の繰り返しで誤魔化されたような感じ。解題がなされなかったのも残念。2025.4.10

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2025年04月10日

Posted by ブクログ

ひゃぁ、、、読んでいて感情移入で苦しかった
なんであの時信じてあげられなかったんだ、と
人は思い込みで半分生きてるんだよね
誰かが言う悪口も、愛する人を疑う気持ちも
結局全部自分自身の頭の中で自分自身が言ってる事なんだよねえ
八王子の事件の真相も結局分からないまま
そして美佳は一体何者だったんだろう
唯一そこがモヤモヤが残るところ

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

上下巻だから長編なのだけど、なんか奥歯にものが挟まってるような感じ。
無駄に長い、とまでは言わないが、結局動機もわからないし、もっと早く逮捕されていればと思ってしまう。
長いわりには釈然とせず、感動もなく、おもしろかったという感じもしない。

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2025年01月29日

Posted by ブクログ

何年か前に映画を観たことがあるが、刺激が強くてぐちゃぐちゃになった記憶しかなく、本で読み返してみようと思った。
やっぱり本が好きだ。映像は苦手だ。

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2024年12月02日

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