あらすじ
冷徹なシークの口づけは、泣きたくなるほど優しかった。
生き別れた弟が無実の罪を着せられて逮捕されたと知り、アマリアは13年ぶりに母国カリージュの壮麗な宮殿を訪れた。執務室に迷いこんだ彼女は、玉座のような椅子に座る男性の琥珀色の瞳に射すくめられた。若き国王シーク・ゼイン――その威厳に満ちた貴族的な美貌と尊大な言葉に圧倒されながら、アマリアはこれがゼインの花嫁選びの面接であることに気づく。事情を話して窮状を訴え、弟のためなら国王を脅迫することも辞さないという彼女に対し、ゼインは不快感もあらわに命じた。「君に選択肢はない。期間限定で王妃の役を務めてもらおう」■それぞれに個性的でゴージャスなプレイボーイ富豪たちの魅力に思わずため息が出てしまう、〈四富豪の華麗なる醜聞〉の第3話をお届けします! 妃を娶る必要に迫られたシークと、窮地に陥った無垢な乙女の熱く切ないシンデレラストーリーをご堪能ください。
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Posted by ブクログ
面白かったです。
双子の弟がさる砂漠の国の王族によって、麻薬所持の罪の片棒を担がされ、何とか弟の無罪を主張しようとしたアマリア。
しかし、たまたま政府の高官に面会する予定であったのが、国王-シークの執務室に迷い込んでしまう。
しかも、シークは国を挙げての花嫁選び真っ最中で、結局、アマリアは弟を救済する条件として、一定期間だけシークの婚約者のふりをすることを求められ-。
話形からすると、よくある「契約結婚」ものになるのでしょうか。
個人の幸福より、国や国民のために生きるよう義務づけられ、それを実践した生き方をまっとうしようとするシークと、片や、両親が離婚し、男性を愛し依存することは不幸せにつながるとトラウマを持つヒロイン。
だが、出逢いの瞬間から二人は強く惹かれ合い、引き合う磁力めいたものに懸命に抗うも、ついには結ばれます。
特に今まで読んだハーレの似たようなお話と変わりはない、というのが正直なところです。
最後のシークの賭け-ヒロインが来るか来ないか判らないにも拘わらず、花嫁不在の結婚式を準備する下りは、インパクトが強かった、、、
ただ、一国の君主の神聖な結婚式ですから、当然ながら世界各国の君主、王族、要人も招待されいるわけです。ストーリーとしては意外性がありますが、あまりにも現実離れした展開です。
国王としては、無責任すぎる-笑
、、、と、思いました。
途中、シークが自ら設計した私邸の様子を描写するシーン、とても美しい表現で、心に残りました。
ここは素晴らしいと思います。