あらすじ
書き、呑み、読み、買い、眠り、時々笑って、時々怒る――。なぜ平凡な日常がこれほど面白いのか。多くの作家を魅了する、当代の無頼作家・西村賢太が描く不思議な味の日記文学! 2015年7月~2016年6月
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私小説家の日常
芥川賞作家の西村賢太氏の、私小説家的日記です。
何を食べたとかどうでもいいような内容の中に、どうしても伝えておきたい話が散りばめられていて、本編を読んだ時に理解が深まります。
Posted by ブクログ
エッセイとかではなくただの日記である。
他人の日記を読むと言うことは人の生活を覗き見しているかのような若干の後ろめたさと、少しの興奮があるとはおもうが、彼に関しては奔放すぎてそんなことはどうでもよい。ただ、喧嘩を売って、文句を垂れ、手製のなにかを作り、宝を呑んで、小説を書く。それだけだ。それを淡々と書いているだけだ。なぜだ、なぜこんなものを最初から最後まで楽しんで読んでしまうのだ。不思議だ。
Posted by ブクログ
シリーズ五作目となるが、相変わらず何時に起き、何を食い、酒をどれほど飲んだかなどがメインではあるものの、時折挟み込まれる感情丸出しの悪口や、ちょっとした事で涙が出るほど嬉しがったりしているところに惹かれてしまい、何故か飽きることなく読ませる筆力に感心する。
Posted by ブクログ
飲み食いと買淫の日記といいたいところだが、日記レベルにも達しているとは言えない。いわば無意味な記録。これが延々と続く。芸もなければ見せ場もない。無味乾燥な文章なのだが、なぜか食欲が誘われ性欲がそそられる。ここは流石と言うべきところ。加えて読者には、逆に欲の抑止力ともなっているのが凄い。不思議なテイストに誘われどんどんページが進む。不屈の章になってこれまでと大きく違う点に気付く。北町貫太がすっかり鳴りを潜めているのだ。買淫は2か月もなく波乱に一つもない。ハラハラ動悸を打つこともなく安心して読めるようになりはしたが、どこか一抹の寂しさも漂う。