あらすじ
MBAを持つ意思決定のプロが,話題の行動経済学を7つの視点で独自に体系化。豊富な実例とともに,ロジカルシンキングだけではわからない“非合理のロジック”を解き明かします。「ネガティブなメールを3秒で好印象に変えるコツ」から「200万円がなぜか安く感じられてしまうマジック」まで,今日から役立つ実例満載。世界初のフレームワーク体系図で行動経済学の全体像がひと目でわかります。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今まで読んだ行動経済学の本の中で一番「読みやすい」本だった。それぞれの内容を網羅しているので、全体像を掴む入門書として良いかも知れない。なにより、見返しに掲載されている体系図は秀逸。この図ひとつで行動経済学を俯瞰できる、素晴らしい図だと思う。
Posted by ブクログ
筆者は、行動経済学の研究者ではなく、あくまでもビジネスマンの視点から行動経済学を解説している点が特徴。 そのため、行動経済学そのものを知りたい場合には不向きかもしれない。 ビジネスの現場でよくあるシチュエーションをもとに行動経済学のエッセンスを説明しているので、イメージが掴みやすい。
Posted by ブクログ
行動経済学についての入門書のような本であり、その行動経済学をビジネスにあてはめて考えた本です。
内容は、「人間は日々の経済活動において、こういう考え方をする傾向がある」ていうのを「行動経済学のフレームワーク」として紹介していて、そのフレームワークを利用したビジネスの例なんかが書かれています。
けっこう「へー」となりました。
Posted by ブクログ
行動経済学の祖 ダニエル・カールマン
データの一貫性幻想
一貫した内容の情報(データ)により現実を非合理に捉えてしまうこと
コントロール幻想
情報(データ)をコントロールしていると感じることで、現実を非合理に捉えてしまうこと
平均回帰
「データの集まりは平均に近づく傾向がある(データは平均に向かって動く)」という統計現象のこと、
小数の法則
少ないサンプルで過剰に一般化してしまうこと
ex. 分母の違いによる印象の差
絶対値vs比率
1000万分の1は表現一つで高確率に見える
ex. ジャンボ宝くじの1等の当選確率は、0.00001%。しかし、40本のように絶対値で表記すれば、当選の可能性が高まるように感じる
プロスペクト理論
損得など、結果の大きさと確率に対して人がどう認識するかを規定した理論。価値関数と確率加重関数からなる
損失回避性
人はプラスとマイナスの大きさを数値通り認識できず、時に損失を過剰に認識してしまう
参照点依存性
絶対的な値で考えるのではなく、ある基点からいくら変化したかで考えてしまうこと
感応度逓減性
プラス、マイナスともにその絶対値が大きくなるほど、価値の感じ方がゆるやかになる特徴
価値関数のS字カーブ
横軸 実際に得られる利益や損失の大きさ
縦軸 その人が感じる損失の大きさ
グラフの中心 参照点依存性の参照点
確率加重関数
低い確率は実際よりも高く見積もってしまう ex. 100人に一人タダ
高い確率は実際よりも低く感じてしまう
一番端の確率から変動する場合には、実際の確率(0%と100%)との乖離がひときわ大きくなる
反転効果←損失効果
良い内容であれば「その通りになる(なってほしい)」と考え、悪い内容には「たかが占い。外れることだってあるだろう」と考える
フレーミング効果
同じ現象でもどのような「枠」を当てはめるかによって、その人の印象や受け取り方に違いが出てくる
ネガティブフレーム→ポジティブフレームへ
上記が不要というご判断であれば、そちらに対しての説明を取りやめ、私の訪問もキャンセルいたします
→
上記の意図に賛同していただけるのであれば、目的達成のために出張することにいたします
属性フレーミング
表現(属性)がポジティブな方が好感度が高まり、選択されやすい
成功率75% 失敗率25%では、前者の方が選ばれやすい
ゴールフレーミング
メッセージの焦点をネガティブな面に当てることによって、ある目的(ゴール)に向かってアクションを取ることへのインセンティブが強くなるという効果
この治療を受けると、将来ガンになる可能性が低くなる この治療を受けないと、将来ガンになる可能性が高くなる
プロスペクト理論の損失回避性が働いている
リスク選択フレーミング
何かを得る内容の選択ではリスク(不確実性)を回避する
サンクコスト(埋没コスト)
過去に費やした回収不可能な費用のこと。これを非合理に将来の判断に影響させることをサンクスコストのバイアスという
現状維持バイアス
非合理的にもかかわらず現状を維持する選択をすること
保有効果
一度所有することによって、その所有物に必要以上に高い価値を見出してしまうこと
ヒューリスティクス
自分の記憶をもとに判断すること
利用可能ヒューリスティクス
自分の記憶からかんたんに呼び出すことができる情報によりバイアスがかかってしまうこと
・記憶時のインパクトが大きい情報(想起容易性)
ex. 凶悪事件は減っても凶悪事件報道は増えている
・記憶の中から優先されて探される情報(検索容易性)
キャッチコピー、音とリズムに乗せてメッセージを覚えさせる
・具体的な情報(具体性)
身時かな人間から直接的に聞く具体的な話により優先度が変わってしまう
有名人のCM 具体性と検索容易性を利用している
代表性ヒューリスティクス
代表的な記憶情報をもとにものごとを判断してしまうこと
連言錯誤
多くの情報によって、より具体的なイメージを持つことで、判断が歪んでしまうこと
アンカリング
最初に受けた情報に思考が制限されてしまうこと
ex. 値引き前の値段を書く、お一人さま◯◯個まで
早いもの勝ちの法則 会議に何も貢献しない人ばかりが参加しているような会議で効果
時間割引
将来の価値を割り引いて、現在の価値に置き直す
双曲型割引
人が感じる割引率は一定ではなく、時間の経過とともに低下していく
選好の逆転
時間が変わると選好する順番が変わってしまうこと
情報の信憑性
・データそのものの誤り
・データのインプットミス
・不適切なデータの取得
先行効果
最近効果
プレゼンの順番で戦略を変える。例えば、一番のプレゼンでは最初にインパクトのある話しを、最後の順番では最後にインパクトのある話を
対比効果
自分自身の質そのものを最大化する努力をした後は、「それをどこに置くべきか」という点を検討する価値が十分ある
ハロー効果