【感想・ネタバレ】ジャズの証言のレビュー

あらすじ

ジャズクラブにジャズ喫茶、時にはバリケードや紅テントの囲いの中で、誰もが前のめりで聴き入った時代の熱気、病に倒れながらも「自分の音」を探し求めた青春、海外フェスに演奏ツアーでの飽くなき挑戦、ジャズの成り立ちと音楽表現――演奏家と批評家として、終生無二の友として、日本のジャズ界を牽引してきた二人による、白熱の未公開トーク・セッション!!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

相倉さんのジャズについての凄い知識と山下洋輔のプレイヤーとしての実績が,対談の中でいくもの火花を発している.出てくるジャズプレイヤーの名前はほぼ既知であったことから,非常に楽しく読めた.フリージャズのリーダーとしての山下洋輔が,素晴らしい音楽環境の下で育ち,その素養を異色の方向で発展させた過程が隈なく描写されていると感じた.

0
2017年10月01日

Posted by ブクログ

山下洋輔と相倉久人のトーク・セッション。
ピアニストとしての山下の足跡をたどりつつ、演奏者と聴き手双方の視点から音楽について語り合ったもの。
これからも、もっともっと音楽を聴かなくてはと思った。

0
2017年06月26日

Posted by ブクログ

相倉さんが亡くなって2年後に出た。もっと早くてもよかった気がするけど。
山下洋輔さんは相変わらず相倉さんを慕っている様子がわかったし、山下洋輔さんの歴史もわかり、Jazzの(フリージャズへの)歴史もわかるというなんかお得な本。

0
2017年05月21日

Posted by ブクログ

本書のなかで相倉氏が「(ジャズは)『分かる』『分からない』から入ろうとする人には楽しめない音楽」だと言っているが、私はまさにそれ。スタンダードナンバーにはいいなあと思う曲があるけれど(「テイクファイブ」なんか実にかっこいいと思う)、フリージャズとかは全然「分からない」。

だから、お二人の話がどんどん進んでいって、第Ⅲ章第Ⅳ章あたりで「ジャズという表現」についての突っ込んだ話題に入っていくと、ほとんどチンプンカンプン、ああもったいない、これがわかればさぞ面白かろうにと残念至極であった。

しかしまあ、半ば過ぎまでは、主に山下洋輔の歩みを相倉氏がきくという感じの内容で、ここが実に楽しい。山下氏の履歴はなんとなく知っていたけれど、ここではかなり詳しく語られている。疎開先の田舎のこと、クラシックピアノやヴァイオリンを習っていたときのこと、麻布中高時代、バンドのバイト、大学時代、プロになるきっかけなどなど、興味深いエピソードが山盛り。

なかでも面白いのが、やはり60年代のこと。銀巴里、風月堂、新宿ピットイン…、ほとんど「伝説」となっている場所だが、そこをリアルに生きてきた方たちの語りは、さりげないのに凄味がある。こういうのを読むと時々思うのだが、あの時代の東京に生まれたかったよ。

山下洋輔「ピアニストを笑え!」シリーズは、私としては「村上朝日堂」シリーズと並ぶエッセイの傑作。どこか新装版を出してくれないものか。

0
2017年06月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山下 洋輔(1942年2月26日 - )は、日本のジャズピアニスト、作曲家、エッセイスト、作家。長くフリージャズピアニストとしてひじで鍵盤を鳴らすなど、フリージャズならではの奏法で演奏していたが、近年はオーソドックスな奏法になりつつある。(ウィキペディア)

破天荒な演奏スタイルで有名なので、もっと弾けたキャラだと勝手に思い込んでいましたが、本書を読む限り、音楽に対しては真摯で理論派、人柄や受答えも誠実なのが意外でした。

日本のジャズ黎明期を走り抜けた山下洋輔との対談という形で、音楽評論家の相倉久人が突っ込んで行く。本書は、2017年発行だが、2015年に相倉が亡くなったので、彼への追悼という意味合いもある。
とにかく余り知られていない(私だけ知らない?)ジャズマンの名前が次から次へと出てきます。当時、山下洋輔が天才だと思った日本人ミュージシャンたちが結局、山下洋輔位に有名になれなかったという事実は、やはりその人の持って生まれた運命なのでしょうか、しらんけど。

0
2025年12月16日

「ノンフィクション」ランキング