【感想・ネタバレ】雪と松 1のレビュー

高橋秀武

[ああ · ★★★★★]

切ないふたり

江戸時代を舞台に田舎の町医者と雪の中倒れていた流れ者殺し屋の静かで激しい恋物語の第1巻。
町医者の松庵(しょうあん)はある日、雪の中で倒れていた青年を助ける。
首に傷のある彼は長脇差しを持っていた。
彼を自宅に連れ帰り看病する。
そして気が付いた青年に対して松庵は「お前が死んだと思ったから連れてきたら息を吹き返した。骸だったらあらゆる部位を売って金にしてたのに。」と言う。
出ていこうとした青年を引き留めた松庵は冷たい目をした青年を抱くのだった。
自己紹介をしたが一向に名乗る気配のない青年を、雪の降る夜に拾ったからということで雪と呼ぶことにした松庵は、雪の持ち物や傷から彼が世渡人つまりヤクザではないかと見抜く。
それを見込んで、雪に金にするために骸が欲しいというお願いをする。
雪は外を歩いていた時に松庵の元を訪れていた女性を見かける。
母親の看病をしているらしい彼女に絡んでいる男がいた。
迷惑そうにしていたので助けたがその男が刀を抜いてきたので斬った。
その場を立ち去り松庵の元に戻った雪は人を斬ってきたことと、今役人がその骸を調べていることと報告する。
それに対して松庵は骸をその場で焼いて証拠を隠滅しなかったことを怒る。
松庵は金のために骸を欲していたのではなく雪が首の傷をつけた相手をやがて殺そうとしていると思ったからその証拠隠滅に協力したくてそう言ったのだった。
ヤクザである雪が相手を殺したら雪自身もただではおれないから身を案じていたらしい。
そして骸を自分が焼くといえばまた戻ってくると思ったという。
そして二人はお互いの熱を確かめ合ったのだった。

雰囲気のあるストーリーに絵のタッチが良く絡んでとても趣のある作品だった。
松庵も雪も何かしら抱えていてその冷たさを補いあうような仄温かい関係が物語に温度を与えるようだった。

＃胸キュン ＃切ない ＃エモい

[ブクログ · ★★★★★]

待ってました～初BL単行本＼(^o^)／あー紙の質感が集英社だ←?

少年・青年誌出身だからか、骨太なストーリー、タッチでございます。（でも女性作家さんなんだよね…？）
THE時代劇。医者×美青年風来坊？すごい攻めのおっさんが味があって素敵です！

先生、スティグマタの続巻もおねしゃす！