あらすじ
性別を偽り、諸国を巡る舞踊団で舞姫として生きる遥華。謎めいた妖艶な美女と噂の遥華が男だという秘密を知るのは舞踊団の仲間のみ。ところが街中で興行していたところ、通りがかりに冷徹な独裁者と悪名高い昴国の王・凱真に見初められ、伽を命じられてしまう。閨で男と知られ死を覚悟したが、凱真は咎めることなく遥華を抱いた。以降、寵姫として王宮に留まることになったばかりか、凱真は遥華を后にすると宴で公言し…!?
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Posted by ブクログ
面白くて、読後感もとても良かったです。
男ながら性別を女と偽り、旅の舞姫一座「幻蝶」の花形舞姫として過ごす遙華。
ある日、大国の広場で踊りを披露していた最中、国王凱真に王宮で舞を披露するように命じられる。
宴で若き王に見初められた遙華はその夜、夜伽を命じられた。
このままでは男であることがバレてしまうーと、危機感を強めつつも、仲間たちを無事に出国させるために自ら伽をすることを申し出る。
だが、暴君と畏怖される国王は意外な素顔を持っていて―。
幼い頃、血を見たために実戦で闘うことができず、やむなく女として生きてきた遙華ですが、凱真から
―刺客をおびき出すための囮として、花嫁になって欲しい。
と頼まれ、愛する男の力になりたくて引き受けます。
遙華が男と知りつつも、その人柄を愛し側に置こうとする凱真、血を見るのを厭いながらも愛する男を守るためにもう一度闘おうと決意する遙華。
どちらも魅力的なキャラです。
花嫁もの、女装男子、舞姫と好きな設定のてんこ盛りなのも良かったですし、後は、情感溢れる素敵な文章が物語を更に読み応えのあるものにしていました。
内容としては良かったです。
王位継承にまつわるいざこざで、傲慢とも思える態度の攻め様。
踊り子として生きて行くため、まるで女性のような振る舞いの受け様。
この二人の人物像で好みが分かれそうです。
その実、繊細さ、強靱さを、それぞれ持っているのですが
物語が進むにつれ、そこが、明らかになり味ともなってきます。
獅子身中の虫は誰なのか
この国の行く末はどうなるのか。
真実の愛にたどり着くまでの怒涛の展開が良かったです。
可もなく不可もなく
男ながらに暴君と呼ばれる王に嫁ぐ、
という比較的ありがちなお話。
設定は悪くないのですが全体に薄い感じがして
おもしろくないわけじゃないけど、
すごく面白いって感じでもなかったです