【感想・ネタバレ】ドイツ史10講のレビュー

あらすじ

ゲルマン世界、神聖ローマ帝国、宗教改革、絶対主義、2回の世界大戦…二千数百年の激動の歩みを、1講ずつ、要点を明確にして、通史的に叙述。地中海世界、大学や官僚と近代化の役割など重要なテーマに着目しつつ、つねに「ヨーロッパの中のドイツ」という視点から描き、冷戦後の統一ドイツの位置にも新たな光を当てるだろう。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

期待通りの岩波新書的な出来具合。最高に読みやすく最高に面白い。
フランク帝国は教会=国家、という仕組みであり、民衆は帝国を教会と理解していた、という分析は専門家間では一般的なのだろうが、自分には目新しいものだった。その後は教会↔国家の対立という構造へと徐々に変わっていくが、最初から対立していたわけではない・・・という。中世ドイツは、教会↔国家という2つの中心を持つの楕円形で理解すべし、らしい。
神聖ローマ帝国時代の解説では、控えめではあったけど、オーストリアやプロイセン以外の領邦についても触れられていたのが良かった。教科書はこういう部分を端折るので、いつも全体像が見えづらくて困っていたから、ありがたい。
近代では、ビスマルク政治を端的かつ鋭くとらえていて、目からウロコだった。天性の外交家は、バランスオブパワーでアクター間の動きを捉え、包囲網的な安定を形成しようとする。これを国内で行うと、「いじめ」構造とでもいうべき排撃的な戦略になる(キリスト教勢力、社会主義者勢力などに対して)。ということらしい。
近代以降のドイツ政治は、調整型といわれることが多い気がするが、そのことも分析されていて、興味深かった。旧領邦が持つ議席配分や、議会と行政府の対立と調整などなど。ただ、利益政治的な側面はあまり語られていなかったかもしれない。
グダグダ述べてきてしまったが、再読すべき名著でした。

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2021年09月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ドイツには、1昨年、はじめていきました。ベルリンです。
最初の印象は、パリに一番近い都市だということです。
パリのような、世界の文化の中心を目指しているが、パリではない。
昨年、ミュンヘンに行きました。ドイツ博物館を訪問しました。
それからドイツに興味を持ちました。
本書では、アルミニウスがローマ軍をトイトブルクの森で破ったという、タキトゥスの話を最初に紹介しています。
神聖ローマ帝国、ハプスブルク家、ビスマルク、ワイマル共和国、ナチスについては、名前は知っていたが、関係はよくわかっていなかった。

3度目にニュルンベルグに行って,ドイツの歴史が立体的になったきがしました。

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2012年02月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一次大戦後と第二次大戦のドイツ史を知るために利用した。

この本は歴史の流れと重要な登場人物を把握するのに非常によい上、歴史が明らかにする人間社会の問題について考えさせられると感じた。

 簡潔に歴史上の事件の流れが述べられている上、当時の経済状況を失業率の数値で具体的にのべられていたのでイメージがしやすかった。またヒトラーの思想や政策についても解説されていた上、ヒトラーが独裁体制を確立していった経緯や背景のヒントが示されていて興味深い。特に当時世界で一番民主的な憲法があったにもかかわらず、なぜ独裁が成立したかという点に関して、当時の国民や政治家に民主的な議会政治が成熟していなかったことを指摘しており、問題を理解するヒントになった。

ただ、いくつか鍵となる歴史の事件の扱いがあっさりしていたなという印象。流れをつかんで、他の書で気になったところを調べるのによいと思った。

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2011年10月22日

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