あらすじ
渡部昇一先生が読者に託した遺言書!
「まえがき」より
確かに先例のない情報技術革命の時代であるのは間違いないが、人の生きる道、糧、幸せのあり方は、昔と大きく変わりはしない。
自分が尊敬する師や先輩の声に耳を傾ける。豊かな読書を通じての知的な体験など、自らの進むべき道は、先人の教えの中にヒントが宿っているものなのである。
<中略>私も人生の中で大いに苦しみ悩んだが、振り返ればその時々に師と仰いだ先人たちの教えに何度も救われたのである。
※本書は二〇〇五年一月、海竜社より刊行された『渡部昇一の思考の方法』を加筆修正し、大幅に改訂したものです。
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Posted by ブクログ
人生には手引書が必要だ。仕事だけでなく勉学も私生活も、日々困難や予想外、時には挫けそうになるような不運にも見舞われ、ともすれば歩みを止めてしまう事も多くある。ひとりでそれに立ち向かおうと、怯む脚を前に繰り出し悪戦苦闘してみたりもするが、思うようにはならない。そうした困難だけではない。社会には納得いかない事が沢山溢れているし、ニュースで流れる外交や国家運営に関わるようなレベルの問題なら、尚更自分にはどうにもできないと、諦めざるを得ない(総理大臣でさえ独断で出来ることなど無い)。そこに立ち向かえない自分の弱さを痛感するし、諦めて我慢するしか無いことなど山のようにある。
そんな困難ばかりの人生を自分が(諦めて)受け入れられれば、それに越した事はないが、多くの人にとって、それは難しく、困難を乗り越えるには時間もかかる。だが、そうした試練を乗り越えてこそ、自分の中に強さが身につくのであって、戦う事、立ち向かう事、もがく事をやめて仕舞えば何も残らない。中にはそれで良いという人もいるだろう。全ての困難から逃げ、回避してそれでも、自分が納得いく生活レベルが出来るお金を貰って生きていけるなら、悪くはない。だが周りを見れば、それに立ち向かおうと頑張る人、それに応じた報酬を受けるものもいる。その人たちを見て、少しでも羨ましいとか、ああなりたいと感じるのが普通の人間だと思う。その感情が生まれるなら未だ、成長する可能性が高い。その感情は自分の中の理想がある事を証明している。
精神的にも肉体的にも強さ弱さは人によって異なる。他人を羨んだり恨んだり、状況を受け入れられなかったり、諦めたり、人生には様々な困難や苦難が待っている。その時にどう対処するか、本書にはヒントが沢山ある。思考を変えるだけで、これ程までに捉え方や感じ方が変わる。これまでに、何度も間違えた判断をして来たかもしれないし、これからも何度も誤った判断をするだろう。けれどもそう感じた後の思考や行動次第では、次に繋がる。誤った判断も全て次への成功に繋がる、そんな考え方にも変わる。
人生の手引書として、壁に当たった方は勇気をもらえる、そんな一冊だ。
Posted by ブクログ
ネット上に溢れているものは知識ではなく、単なる情報に過ぎない。
人は無意識のうちに、自分の努力不足を周囲のせいにしてしまうものである。
日本の銀行でもっとも根深い根本問題は、旧大蔵省が護送船団方式という社会主義をやってきたことにある。
お人好しと意気地なしとは違う
お金はいいことに使いなさい。
心は必ずかたちにしてあらわすべきもの
成功した人は失敗した原因を自分に求める
納得できないものは納得しない
わかったつもりという思い込み
できない理由を探すな
自分の人生に対して志を抱く
Posted by ブクログ
初めて渡部昇一先生の本を拝読。
秀吉はお人好しであったために天下を取るまでに至ったという話がかなり印象に残った。仕事においてもそのような人望は欠かせないものなので参考にもなった。
Posted by ブクログ
頭は使うけれど、神経は使わない=いらぬ不平不満は言わないで、解消法を考える。
慎重になっているときは、できない理由探しをしていないか注意する。
決断拒否は過ちの中で最大のもの。決断を先延ばししない。
落ち込む、というのは贅沢な悩みだ。自分のことばかり考えている証拠。
こうなりたいという希望と、どうしたらできるかと考えることは全く違う。希望にとどまらず、考えること。
謙虚は美徳のひとつだが、行き過ぎると卑屈になる。傲慢のほうが殻を打ち破る力になる。
難しくてもいずれ面白くなるのが仕事、面白くてもいずれ飽きるのが遊び。
お人好しは、最終的には報われる。お人好しは意気地なしとは違う。
約束は一日前に果たす。そういう習慣を身に着けること。
たとえ相手が約束を忘れたとしても、確認しなかった自分が悪いと考える。そのほうが建設的で利益が大きい。何事も自分ができることを教訓にする。
時代とは、いつでも大きな曲がり角に差し掛かっている。
書斎をもつ。自分だけの空間を持つ。
建前と本音が渦巻いているのが世の中である、と考える。
自由はお金があってこそ、である。その点でお金を求めることは必要なことである。
衝動的判断は十中八九間違っている。直感で発言しない。相手の発言にも一理あるのでは、と考える。
壁にぶつかると、情熱をかけて出来ない理由探しをする。失敗を恐れるあまり、挑戦をやめてしまう。
出来ない理由を探し始めたらきりがない。=リタイアの理由はいくらでも思いつく。
心配すること、は考えること、とは違う。心配して考えているつもりにならない。考えるとは、解決方法を考えること。
何事も、何かのご縁、意志と異なっても前向きにご縁と考える。
禅は、「悟らなければならない」と思っているうちは悟れない。続けることに意味がある。
幸運は、準備された者に訪れる。リンゴが落ちるのをみたのはニュートンだけではない。
家康の「待つ」姿勢。ただ待つのではなく、心技体を整えて待つ。
高橋是清が日露戦争の資金調達に行ったとき。自分には運があるから大丈夫、と思ったからこそ、目的を果たせた。自己暗示が幸いをもたらす。
スポーツのイメージトレーニングは欠かせない。同様に成功へのイメージトレーニングも欠かせない。かくありたい、という自分をイメージする。
Posted by ブクログ
渡部昇一氏の書籍を初めて読みました。
思ったよりも読みやすくて良かった。
やはり人生は自分次第。
謙虚をこえて卑屈になるなら、プライドを持つ方を選ぶというのは、そんな考え方もあるのだと、自分のあり方を思った。
Posted by ブクログ
「人生の手引き書」というタイトルは、生き方の指南書のようなある種の堅苦しさを感じさせるが、中身は気軽に読める人生訓である。本書は2005年に刊行された「渡部昇一の思考の方法」を加筆修正し、大幅に改訂したものと書いてあるが、底本のタイトルの方が内容を的確に言い表している。
読みやすいのが本書の特徴だ。行間も広く、大きめの文字で一つの思考法について、およそ3ページで書かれているので、気軽にどこからでも読める。
私は渡部昇一先生の本はたくさん読んでおり、講演CDもたくさん聞いているので、本書ではじめて見るような思考法・知恵・訓話はなかったが、誰にとっても役立つことが書いてあるので、渡部昇一先生の本をあまり読んだことがない人には一読をお勧めしたい。
Posted by ブクログ
-不平不満が多い世の中ですね。
わたしも不平不満しかないですが。
だからこそ、この本をもう一度読んでみようと思いました。
-私が特にハッと思わされたのは「不満の解消に頭は使うけど神経は使わない」。
-確かに、人間関係とか仕事が嫌だなー面倒だーって思っことって神経が研ぎ澄まされるからなんだろうなと思いました。
さらに、それに対して解決策がなかったり、どうにもならないことが多いから。
-前に天海祐希も「解決しないことは悩まない」って言ってたなーと。
-そして、この本には改めてうまい生き方を考えさせられる一冊でした。
-個性的な人ほど、新人の時には個性を出さずに従順である。
-これも、私も若い時にトゲトゲしてて、良く先輩に揶揄されてたなと。
-今思えばそこで気づかせてくれて、ひたすらに失敗してひたすらに悩める時間があってよかったと思います。
-あの時素直に従順していたらと思うともしかしたらもっと違う今があったのかもと思う。
-世の中的にはギリまだ若手なので、まだまだ素直に、そして、悩むなら代案を考えることを意識しようと思います。
-最近うまくいかない人も、よかった人も、年末年始に自分を見つめ直すきっかけとして読んでみてください!