あらすじ
本書は,IT担当者,情報システム部門に向けた,システム発注から導入までのノウハウ集です。なぜシステムの発注~導入には失敗がつきまとうのでしょうか。筆者は,「失敗の原因はユーザー企業の力量不足」と喝破します。ユーザー企業は,少なからず何らかのシステム導入を経験しているものです。であれば,経験はノウハウとして蓄積されているはずです。しかし,プロジェクトは失敗してしまいます。ノウハウに体系的なまとまりがないからです。本書には,ITコンサルタントという立場だからこそ知りえた筆者のノウハウが詰まっています。
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Posted by ブクログ
発注者側の担当者として、予想されることを全体的に書かれているのでイメトレにもなると思う。
例として掲載されている書式も具体的で、まずこれに合わせてやってみることで、何も進まないまま頭を抱えて唸流というような無駄な時間を減らせると思う。
Posted by ブクログ
たまたま店頭で見つけて思わず購入してしまいましたが、システムの企画から保守・運用まで企業のIT担当がシステムを導入する際のノウハウとしてはひととおり網羅されているのではないでしょうか。
RFPの目次構成や業務フローの書き方、受入テストの体制づくりなど、非常に具体的で「痒い所に手が届く」内容となっています。
システム導入プロジェクトのノウハウ本は巷で多く出回っていますがいずれもベンダー目線のものがほとんどで、いわゆる「情シス」向けのものが少なかっただけに貴重な一冊です。
企画フェーズでは経営層を巻き込み、要件定義~受入テストではユーザー部門を巻き込む、、、当たり前のことですが、なかなかできないことです。
またベンダーに任せる部分と何が何でも自社で主導してく部分のメリハリの付け方についても参考になります。ベンダーコントロールでお悩みの方も必読と言えます。
とは言っても、社内の事情は組織によってマチマチです。本書のとおりに進めたからといって、必ずしもプロジェクトが成功するとは限りません。
仮にもしプロジェクトが失敗したとしても、その教訓を次のプロジェクトで教訓として活かすことが大事です。そのためのベースという意味でも本書には価値があると思います。
Posted by ブクログ
・類書を何冊か読んだけど、本書を最初に読めば良かった
・特に受入テストが良い
・ユーザー教育は駄目な例に当てはまる身近な事例がありすぎて笑ってしまった
・90ルールに分かれていて、1ルールが短く読みやすい
Posted by ブクログ
著者が数々のIT導入現場で培ってきた、ユーザー視点でのIT導入の教科書。実践的で、説得力がありとても参考になった。ユーザー側のWBSの考え方や、パッケージ導入時の留意点など、実務で活用させてもらっている
Posted by ブクログ
同著者のベンダー選定の本を読んでいて、紹介されていたので手に取った一冊。前に読んだものがベンダー選定に焦点を当てていたことに対し、本書はタイトル通りシステム発注から導入(運用保守)までを記載している。その分粒度はところどころ粗くはあったが、ユーザ企業側でのプロジェクト推進経験がない者としてはなるほどと思うことが多々あった。企画書とRFPの違い、業務フローはRFP前に作っておくこと、RFPは社内合意しておくこと、瑕疵担保責任は1年とすべきだったり、いろいろと気にすべきところがあった。
Posted by ブクログ
システムの担当者ではない私でも読みやすかった。 会社にとってシステムの導入が大事なことである事は理解しているが、システム導入は金額が大きく期間も長く何が行われているのか正直よくわからなかった。わかりやすい形で発注から導入までの流れが書いてあるので、どういった工程が正常であるのかと言う1つの指針を得られたと思う。
Posted by ブクログ
システム刷新に関わるのであれば、読んで損はない良著。「90は多くないか」と思ってしまったが、発注の前段階~導入までを網羅しており、管理手法の実例も図表で掲載されており、実践につなげやすい。
IT・情シス担当者向けとあるが、プロジェクトに参加する業務部門の担当者(私はこの立場)にも、求められる役割や参画度合いも分かるのでおすすめ。特にIT部門担当者とありがちなすれ違いがなぜ起きるのか、客観的に頭に入れておけるのが良い。
Posted by ブクログ
正しいノウハウを基に進めれば、プロジェクトは回る。
責任を問われない側で、いかに自分たちの責任について思考できるか。
いかに「お客さん側」「売る側(企業側)」の立場を乗り越えるか。諦めずに対話し続けることが大事。相手の立場に立った方が、うまくいく
↓
買ってもらう側に、誠実で穏やかに接することができない企業は、衰退していく。「なぜなら、売る側」の方が、その分野についてはプロだから。
【感想】
本文の「はじめに」で一気に引き込まれた。以下の文に、強くひざを打った。
「多くの成功プロジェクトに関わってきた半面、多くの失敗プロジェクトも見てきました。ベンダーの立場、ユーザー企業の立場、客観的な立場と様々な切り口で失敗を見てきました。そこで初めてわかってきたことがあります。
『失敗の原因はユーザー企業の力量不足』
ということです。」
「今までの失敗事例を振り返ってみると、ベンダーにも問題はありましたが、それ以上にユーザーに問題があることに気づきました。ただ、ユーザーはお金を払う発注者の立場であり、責任を追及されることがないだけなのです。
何か問題が発生すると、それは全てベンダーの責任とされます。ユーザー側に問題があったとしても、ベンダーに責任転嫁されます。これはユーザー側に「お金を払っているんだから、それぐらいやってくれて当たり前だろう」という発注者マインドが作用しているためです。」
そう、そうなんだよ。これをユーザー企業の情シスに向けて言っているのはすごくありがたい。この本で「ユーザー側がやるべきことだよ」と言っていることは、いつも、弊社や自分が代わりに行っていることだ。この本に書いてあるレベルのことができているユーザー企業はとても少ないと思う。
仕事をしながら、「ほんとにそれって、こちらがやって、メリットがでるのか?顧客がやったほうが生産性が高いのではないか?」という気持ちがクリアになった。と同時に、まだまだユーザー企業側のシステム導入リテラシーは低いのが業界の実情なんだな、と思い、複雑である。なかなか、業務システムベンダーの立場からでは、そこまで踏み込んでシステム導入コンサルティングは行えないし、そもそもサービスとして提供していない。あくまで、業務システムを導入することまでをサービスとして行うしかない。すきを見て、この本で学んだ内容をユーザー側に確認する、質問する、ということができればいいと思うが。
【本書を読みながら気になった記述・コト】
・システム導入プロジェクトは企画・人選が重要。企画で失敗しているプロジェクトは成功しない。最初の企画がダメだと、後戻りはできない。
「最適な企画書」→「最適な発注要件」→「最適なベンダー」→「最適な設計書」→「最適なシステム」とつながる。
・要求機能一覧でブレない自社の基準を作る
・RFP未完成でベンダーに声をかけない
→私はまともなRFPをユーザー企業側から見たことが無い...。
・「ベンダーが業務を知らない」というのは、「ベンダーに業務を伝えていない」ということ
・パッケージはノンカスタマイズを目指す
→ほんとそう。ベンダー側からみても、ユーザー企業からみても、カスタマイズは悪いことが多い。ただ、中々「パッケージに併せて業務を変えよう」と理解してくれるところが少ないのだが。
・現行帳票は全て廃止するつもりで見直す → 業務改善のチャンス
・自社でデータの手加工を前提とした運用設計をしない → 業務にボトルネックを生む要因になる
*受入テストには4種類ある
・機能テスト
・システム間連携テスト
・シナリオテスト
・現新比較テスト
*発注者のおごりで検収を遅らせてはならない。移行ベンダーから搾取され、Lose-Loseの関係になる
・ベンダーによるテスト結果の提出は義務付けする。テスト結果の提出を持って、受入テストの開始とみなす
・スクラッチ開発の場合は品質報告書を要求する
・業務ユーザーに、システムの導入を納得させ、良いイメージを持たせるのは、ユーザー企業側の仕事
<ユーザー企業側がつくるべきもの>
・RFP
・社内役割分担表
・要求機能一覧
・システム関連図
・業務フロー
・自社用WBS
・自社用課題管理表
・業務マニュアル
・障害管理表
・受入テスト結果
・稼働判定表
バカの壁...自分とは違う意見を取り入れられない状態のこと。人が無意識のうちに「これはこうあるべき」「これが当たり前だ」と思い込んでいる部分
Posted by ブクログ
発注担当者として読みました。
大抵の委託契約は、完成までの流れを契約する前の段階から知っていなければうまく進められないわけですが、委託である以上、発注側はどうしてもノウハウが乏しいんですよね。
経験のない担当者であれば尚更です。
そのような状況下でしたから、あらかじめ本書を読んでいたおかげで落ち着いていられた場面も多かったです。
もちろん、上手くいかないことは当然生じましたが。
Posted by ブクログ
ITベンダー用の本だが、社内IT部門にも参考になる。
業務フローが書けないようでは上手く進まない。
帳票は全て廃止するつもりで。
パッケージに業務を合わせるつもりで業務見直す。