あらすじ
領主の花嫁にふさわしからぬ、出自の知れない記憶喪失の娘。
さる一族の領主ギルクライストは、どしゃ降りのなか、ハイランドの泉で倒れていたはかなげな乙女を助けた。名や出自を尋ねても、彼女は思い出すのはおろか口もきけなかった。“処女の泉”と呼ばれるこの地には癒やしの力があるとされ、手負いの者や、純潔を取り戻したい訳ありの女が訪れると言われている。この天使を絵に描いたような娘が、まさか清純ではないと……?彼女の指輪から名はレイチェルとわかったものの、それ以外は不詳で、ギルクライストはとんだ厄介を背負い込んだものだと自戒した。一族の長として一刻も早く花嫁を迎えなくてはならない身で、どこの馬の骨とも知れぬ娘の純真無垢な姿から目が離せなくなるとは。■風光明媚なスコットランドを舞台に、せつなくて、もどかしい恋が描かれるハイランダー・ロマンスをお届けします。嵐のなか出会った美しき手負いの領主と記憶喪失の娘は心を通わせるようになりますが、やがて記憶が戻ったとき、ふたたび嵐のような壮絶な展開に!
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記憶喪失の女性はお姫様
行き倒れになっていた記憶喪失のヒロインを助けたヒーローは彼女に惹かれていきますが、領主としての立場から身元不明の女性とは結婚ができません。
城の中での陰謀や裏切り。ハラハラドキドキの展開の中で二人は徐々に近づいていきます。
ヒロインも他の話によく出てくるような、定番の勝ち気なじゃじゃ馬ではなく、芯の強い勇気を持ってはいますが優しい女性らしさのあるキャラクターで、とても好感が持てました。
適度な頑固さもありますが素直にヒーローへの愛も打ち明け、彼の過去のトラウマや悲しみが癒せるよう大きく見守ります。
個人的にはヒーローのキャラクターが領主としては思慮にかけてるのではと思った部分があって(周りからの忠告を無視した)、ヒロインが絶対的に信頼する程の領主様かなと少し残念でした。
でも最後はヒーローも勇気を出して、火事から無事お姫様達を救出して大円団。