あらすじ
普通のOLだった主人公が、母親の病死による悲しみのせいで、心のコントロールが利かなくなり、通勤中に横入りの男に無意識に肘鉄をくらわしトラブルに。完全に平常心を失っていた自分に驚き、こうも簡単に壊れてしまう「人の心」に興味を持つように。そして仕事を辞め、看護師の資格を取り、「精神科」で働くことを決意。
しかし身体のケガや病気のように目で見て明らかではない精神の病を抱える患者たちとの日々は想像以上に大変で忍耐力のいることだった。
──私がそうだったように、誰だって平常心でいられない時もある。“おかしい”と“おかしくない”の境界線はいったいどこにあるのか。──実際の病院、看護師さんへの取材に基づき描く、初の精神科ナースコミックエッセイ。
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私も同じでした
境界性パーソナリティ障害を私ももっています。特に薄田さんの、悲しい、お母さんに会いたいという描写はよくわかりました。偏見もたくさんある障害だと、おもいますが本人はとても、苦しいと思います。ずっと見守ってくれるナースの方々は患者さんの希望です。
素晴らしい職業だと思います。
Posted by ブクログ
この本に出てくる太田さんは母親を失って茫然自失、自分の精神が心の病と紙一重の状態ではないか、と感じたことで精神科ナースを目指し働いている。
最初のエピソードの帽子をとれない女性、そういうことか、と納得できた。否定しないこと、と聞いたことはあったが、認めつつ少しずつこちらのことも聞き入れてもらう、これなのか、と。
寂しさから自傷行為をするのは、一番理解しやすいけど奥にはこんなに沢山の理由があるのか、と思った。
精神科は体力的に大変だろうし、心療内科はもっと看護師側の心が削られるだろう。
ボーダーの人は接する時間を決める、入りすぎない、病院を出たら忘れる、冷たいようだけど、そうしないとすぐに離職に繋がるのだろう。それは患者にとってもっと辛くなる。
かつてカウンセラーにかかっていた時、長期間経っても変わらない私に業を煮やしたのか、ある時、急に離職されてしまい、ひとり取り残された気がした。
それからも辛い時期が続いたので別のカウンセラーを探そうかと思ったが諸事情で叶わず今に至る。
本当は今こそカウンセラーがいてほしい。
病棟で過ごす方にとってはナースこそ同じ役割の方だろう。
精神科ナースに限らず、どのナースも医療従事者も、大変だと思いますが、長く続けてください。
この仕事に興味があってもなくても、一読をおすすめします。