あらすじ
普通のOLだった主人公が、母親の病死による悲しみのせいで、心のコントロールが利かなくなり、通勤中に横入りの男に無意識に肘鉄をくらわしトラブルに。完全に平常心を失っていた自分に驚き、こうも簡単に壊れてしまう「人の心」に興味を持つように。そして仕事を辞め、看護師の資格を取り、「精神科」で働くことを決意。
しかし身体のケガや病気のように目で見て明らかではない精神の病を抱える患者たちとの日々は想像以上に大変で忍耐力のいることだった。
──私がそうだったように、誰だって平常心でいられない時もある。“おかしい”と“おかしくない”の境界線はいったいどこにあるのか。──実際の病院、看護師さんへの取材に基づき描く、初の精神科ナースコミックエッセイ。
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私も同じでした
境界性パーソナリティ障害を私ももっています。特に薄田さんの、悲しい、お母さんに会いたいという描写はよくわかりました。偏見もたくさんある障害だと、おもいますが本人はとても、苦しいと思います。ずっと見守ってくれるナースの方々は患者さんの希望です。
素晴らしい職業だと思います。
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取材を元にしたフィクションでも、これは限りなくノンフィクションに近いフィクションだと思って読んでいました。
とても面白い。人間っていろんな考えの人がいるなあと改めて確認させられる。
これを買った時はものすごく追い詰められてたので、なんだか、いろんな人がいるんだし、あんまり自分で自分を追い詰めなくてもいいんだなって思った。
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「生きたいから 生きづらいと
死にたく なるんだよ」
その言葉につまってる気がした。
淡々と事実と感情が綴られている漫画で
心の病のことがすっと頭に入ってきた。
心の病は 日常と紙一重 なのかもなあ。
人の心にそっと寄り添う作品だった。
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主人公の太田看護師と患者の細木さん(黒のニット帽と黒い洋服が特徴の女性。)とのやりとりに心の底からほっこりしました。また、何をしていても自分自身に溜まったストレスや不安が思うように解消されない事もあるのだと気が付きました。
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自傷、自殺はその人の何を意味するのか…患者さんを理解しようと奮闘する看護師さんやドクターの姿がよかった。鈴木さんの断固たる決意は本人が選んだものというのが、一番突き刺さった。
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ハートネットTVやNHKスペシャルで精神科の入院病棟や患者さんの様子を断片的に目にすることはあっても、その中の看護師さんのことを気にすることは今までなかったなと読みながら思いました。
色んな看護師さんがいらっしゃるのでしょうが、こんな風に患者さんに寄り添うような方は珍しいのでは、と何も知らない者は思ってしまいましたが実際はどうなんでしょうか…。
「生きたいから生きづらいと死にたくなるんだよ」
この言葉は自分にもスッと刺さりました。
そう、そうだよね。思わずそう呟いてしまいました。
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精神科ナースになった主人公が患者さんとの対峙を通じて自分を見つめたり、自分の経験を通じて患者さんと向き合ったりする日常を描いた漫画。
困った人は困っている人。誰かがわかってくれる、受け入れてくれる経験により癒され、自分を理解し、取り戻していく。これは精神疾患を持つ方以外にも言えるのではないか。
これは福祉や精神、心理に興味のあるみんなにおすすめしたい。
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現在精神科に通院する大人の人たちと日々関わりをもっているけど、それ以前に読んだ本。偏見のない、とても実直な作者さんなんだろうなと思った。とてもよい本。
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印象的なシーンが多いが、
なぜリストカットをするのかという問いかけに対して、温かいからと答えたエピソードが忘れられない。
死にたいんじゃなくて、生きてると感じられるためにリストカットをするということに驚いた。
何でも決めつけたらいけないな。
世の中をもっと知らなきゃな。
人に寄り添ういい本だった!
色々な面で勉強になりました
中々重い話ですが淡々と書かれているのでテンポよくスイスイ読めました。気負うことなく読めて、それでいて心に響く良い本に出会えて嬉しいです。
私は全くの別業種なのですが参考になりました。なんといっても向上心というか、常に考え学ぶ姿勢が素晴らしかったです。読んだあとは私も自分の職の勉強をして常に考えをアップデートしなければという気持ちになりました。
本当に購入して良かったです。
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狂ってることと狂ってないこと。
境界線ってなんだろう。この言葉がずーんっと刺さった。
何かをしてしまう時には、何かあるのかもしれない。すぐにおかしいんちゃう?って思うんじゃなくて一回考える。
まず、完璧でありたい願望を減らすのも大事か。
すっごく難しいテーマをとても読みやすく、とても考えやすく書いてくださってあり、いっぱい考えれた。
知らないことも知れた。
読んでよかった。
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『生きたいから生きづらいと死にたくなるんだよ』
胸がギュッてなった。何が狂ってるのか狂ってないのかわかんないってほんとそれって思う。絵はほんわかしてるのに差し迫ったりキツい内容にも触れられていてかつ偏見のない目線で描かれているのがすごい。どの回も。わたしにも、自殺は悪だと言い切るほどの理由が見つからないしわからない。この本はしんどい、、受け入れて生かすことまでいけたらいいな。読めて良かった。余談で、森田先生、リアルで話が聞いてみたい。最後に名前載ってなかったからざんねん。
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作者がとにかく冷静。精神科ナースとして必要なことがいろいろ散りばめられている。患者をきちんと人として認識して、ある一定の距離を置いて接することのできる人だなと感じた。
勉強になりました
精神科で働いて2年目ですが、患者との関わりにまだまだ不慣れで悩む事ばかり…。
そんな中でこの本を拝見させていただき、患者さんとの関わりについてとても参考になりました。
参考書では分かりにくい事も、漫画だとイメージしやすくて、疾患に対してより理解が深まったと思います。
ぜひ、続編も出して欲しいです。
Posted by ブクログ
著者による看護師へのインタビューをベースにしたコミックエッセイ。事実に基づきつつもいろいろ脚色はあるようだ。また、こういう本によくある著者自身の体験談というわけでもなさそうである。精神科のナースが病棟で出会ったてきた患者さんとの関わりやその解釈についてストーリー形式でまとめている。
統合失調症で妄想を持つ人や、幼少期の愛着形成不足による境界性人格障害を持ち自傷や暴力などを繰り返す人、重い鬱から復帰したと思ったら自殺してしまった人など、さまざまな人が登場する。そのような人の症状が描かれること自体興味深いが、同時にその障害や病を身体的・機械的なものという解釈に限定することなく、背景にあるその人それぞれの適応課題や想い・気持ちに遡って人間の実存的なものとして解釈していることに温かさを感じる。
この描き方は、とはいえ精神病に対するややナーバスな見方であり、もっと壮絶な現場で支援者側が自らを守るためにも現実的に心を鬼にせねばならない瞬間もあると思われるが、それでも漫画として一人一人の人に向き合ったときに見えてきた光や明るさを感じ取れる面白いストーリーだった。
Posted by ブクログ
脳みそが出てくることを恐れて帽子を脱がない。こだわりにはその人なりの理由がある。妄想の後ろには幻聴がある。会話の合間に聞こえてくる声がある。手首を切っても”痛い”ではなく”熱い”。そこに命を感じる。そんなにも生きたい。重度の鬱病。動けない。食事も排泄もできない。入院。徐々に回復。歩ける。外泊する。野球観戦に出た。その日には、、帰らぬ人となる。…人生は瞬間、瞬間の刹那滅。心が風邪をひき、重篤になる。明日にはそれがやってくる。死にたくなるのは生きたいから。理解したい。生きて欲しい。他の人にも、未来の自分にも。
Posted by ブクログ
この本に出てくる太田さんは母親を失って茫然自失、自分の精神が心の病と紙一重の状態ではないか、と感じたことで精神科ナースを目指し働いている。
最初のエピソードの帽子をとれない女性、そういうことか、と納得できた。否定しないこと、と聞いたことはあったが、認めつつ少しずつこちらのことも聞き入れてもらう、これなのか、と。
寂しさから自傷行為をするのは、一番理解しやすいけど奥にはこんなに沢山の理由があるのか、と思った。
精神科は体力的に大変だろうし、心療内科はもっと看護師側の心が削られるだろう。
ボーダーの人は接する時間を決める、入りすぎない、病院を出たら忘れる、冷たいようだけど、そうしないとすぐに離職に繋がるのだろう。それは患者にとってもっと辛くなる。
かつてカウンセラーにかかっていた時、長期間経っても変わらない私に業を煮やしたのか、ある時、急に離職されてしまい、ひとり取り残された気がした。
それからも辛い時期が続いたので別のカウンセラーを探そうかと思ったが諸事情で叶わず今に至る。
本当は今こそカウンセラーがいてほしい。
病棟で過ごす方にとってはナースこそ同じ役割の方だろう。
精神科ナースに限らず、どのナースも医療従事者も、大変だと思いますが、長く続けてください。
この仕事に興味があってもなくても、一読をおすすめします。
Posted by ブクログ
自分には知らないこういう世界があるのだと感じた。不可解な行動をするのも、自傷行為を行うのもその患者には、それを行う理由が心の中にある。閉じ込めた自分の感情を、自分の言葉で誰かに発することができれば、それが心の病気の予防や治療になる。
Posted by ブクログ
ずっと以前に、雑誌で連載されていたときにも興味深く読んでいた。
精神科で過ごす人は、どのような人なのか、内部はどのようになっているのか、看護師さんと医師はどういう人でどういう対応をとるのか。
こういうことは日常、なかなか知ることができない。この作品でその一端に触れることができた。
看護師も医師も普通の人だし、精神科にいる患者さんも(この作品の中にいる人という範囲では)普通の人の域を出ないように思えた。そういう意味では、精神科と日常の世界というのはほとんど境界のないものであり、いつ、誰がどちらに行ってもおかしくないようにも思えた。
Posted by ブクログ
それぞれ他人には理解できないように見えても本人の中には筋道のたった論理で行動している。
同じ病名がついている患者であったとしても、思いや論理は個人に還元される。
幻聴や幻覚など自分で体験したことのない事柄に対する説明もあり良かった。
Posted by ブクログ
いっきに読めました
いつも帽子をかぶってる細木さん
支援団体ハーモニー
鈴木さん
薄井さん
の話が心に残ってる
人はなぜ心を病むんだろう
どうしたらいいんだろう
向き合って見えてくるそれぞれの理由
心に寄り添うとはこういうことなのか
Posted by ブクログ
タイトルインパクトあります。どんな科のナースさんもそれぞれ患者さん、ご家族やお医者さん、スタッフさんとの板挟みで難しいと。ですが、精神科ナースの方の大変さを少し知ることができました。新型コロナ禍の中でもいつも以上に気をつかい、大変なご苦労と思いをされているんだと思います。ありがとうございます。どうかお体に気をつけて。願うばかりです。
この本を読んだ時、自分自身も色々と悩んでいた時で、「生きたいから生きづらいと死にたくなるんだよ」っていう言葉に涙がでました。
私、死にたいんじゃなくて、生きたかったんだって。
ちょっと救われた気がしました。
この本に出会えて良かったです。
Posted by ブクログ
興味深いことがたくさんあった。
精神科に関係がなくても看護師でなくても
この生きにくいストレス社会で生きていく僕に必要なことがわかりそうな感じ。
なってしまうものはどうしようもない
それをどうするか考えるのが大切。
リアル
わかりやすくてよかったです。実際私も、精神科病棟のある病院につとめていたこともあり、あるあると思い出しました。精神科の患者さんもきちんと対応すれば話せる方も多いこと、ただもっとこわい体験もあったこと、色々です。
スタッフが病むと言われているのも、たしかでなんらかの安定剤を服用している人も多かったです。これから、精神科病棟に実習にいかれる学生さんにもオススメです。
続刊希望です。
Posted by ブクログ
私の中にもオカシイところはある。オカシイと普通の境目ってどこだろうとか、狂えたらラクなのかもとか思ったこともある。
そんな疑問の世界を少し垣間見したような気持ちです。
Posted by ブクログ
コミックエッセイだけど、あとがきを読むと、著者の方が精神科ナースなのではなくて、精神科のナースの方を取材して書いた本。
中身は、ナースがなぜ「精神科ナースになったか」よりも、どんな方が入院されていてその方々の心の中身を描いている。精神科の患者さんはやっぱり思ったより身近で、入院するも一般の生活送るのもそんな大差ないな、と感じた。どういう接し方、捉え方をすればよいのかの勉強にもなる。続編希望。
Posted by ブクログ
良くも悪くも瑞々しさがあって、これはないわーとかこの返しはうまいなーとか、自分は看護師ではないけれど、対人援助職として日々の自分と対比しながら楽しく読むことができた。
取材自体がとても丁寧になされたようなのは個々のエピソードの濃さで何となく分かるけど、(物理的に過心理的にかはともかく)職場で疎外感を感じている傾向にある人に取材源が偏っているかな、とは思った。それでも辞めずにこの業界にいる人達だろうから、話は読ませるものがある。
Posted by ブクログ
心の状態が目に見えない分、辛いなあ…看護師も患者さんのメンタルに振り回されそうだし。患者さんの行為にも理由があるのだろうが、その人らしさを見つけてあげてもなかなか改善しない心の病。精神科は難しそうだ。