【感想・ネタバレ】窓がない部屋のミス・マーシュ 占いユニットで謎解きをのレビュー

あらすじ

“あなたの心の謎、解き明かします!”

凸凹占いユニットが、タロットカードになぞらえて相談者たちからの難問をズバッと解決!?
感動したいあなたに贈る、可笑しくて優しい占い×人情ミステリ!

カネなし、男なし、才能なし。29歳のタロット占い師・柏木美月は人生の岐路に立っていた。
そんなある日、美月は儚げな美少女・愛莉を助ける。愛莉は見た目とは逆に、クールでずば抜けた推理力を持ち、孤独な引きこもりでもあった。
彼女を放っておけなくなった美月は、愛莉と占いユニット“ミス・マーシュ”を結成し、人々の悩みに秘められた謎に挑むが!?
ほろりと泣ける第2回角川文庫キャラクター小説大賞《優秀賞》受賞作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ほろり、どころか大号泣してしまった。

お節介な美月と、心に傷を負った愛莉の占いユニット、ミス・マーシュ。愛莉は鋭い推理力で淡々と当てていくけれど、美月は相手を想ってそれを伝えていく。凸凹がぴったりはまる感じの名コンビだと思う。

春奈を想う俊之、父や菜々を想う沙耶、そして父を忘れようとした愛莉。人の行動にはそれぞれの理由があるんだよなぁ、ってしみじみ感じた。
愛莉のそばに美月がいてくれてよかった。
各章の最後にきっと愛莉であろう人物の気持ちが綴られている。最終章では美月と過ごすことで「何かが変わってきたような気がする」と書かれていた。美月に体当たりで愛情をぶつけられて、窓のない部屋でひとりぼっちだった愛莉はどれだけ救われたのだろう。
シャッターとカーテンで塞がれた窓は、愛梨の心そのもの。父との誤解が解けたからといっていきなり窓は開かないけれど、きっと美月がいれば大丈夫だろうと思う。

想像していた占いのお話とはだいぶ違ったけれど、魅力的な2人にどんどん引き込まれて一気に読んでしまった。章扉がタロットカードのデザインになっているのも、各章のタイトルがタロットカードの名前になっているのも世界観が合っていて好きポイント。
こういうバディもの大好きな私にとってはすごく刺さったし大好きな一冊になった。
続編はないみたいだけれど、いつか2人のその後を読んでみたい。

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2025年05月18日

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