【感想・ネタバレ】仮想通貨とブロックチェーンのレビュー

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Posted by ブクログ

技術的な視点よりも、社会経済的な視点(仮想通貨の法的位置づけ、社会へ与えるインパクトなど)が中心の本です。
ブロックチェーンはIT・情報技術をもとに動くものだけど、本質的には社会技術なのだ、ということがよくわかりました。

仮想通貨が既存の法体系・社会規範に収まらない概念であること、ブロックチェーン技術が全く新しい社会を作り出す基盤となる可能性などについて紹介されています。

●ブロックチェーン技術が既存の社会システムにどう受容されてきたか

●メガトレンドの1つとして、これから社会システムをどう変容させていくか

について概観が掴めました。

ブロックチェーンの社会学的側面について大まかに把握するには最高の本です。

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2020年11月15日

Posted by ブクログ

仮想通貨について勉強するのは初めてだったので読むのに時間が掛かったが、仮想通貨の発生経緯とその後の歴史、役割についてコンテンツが多くためになった。しかしブロックチェーンの仕組みについては大雑把にしか載っておらず、特徴だけ掻い摘んであったような感覚だった。

p2p技術を利用した中央集権を持たないビットコインは本書の出版当時では考えられない程価値が膨れていった。しかしながら皮肉にもビットコインが投機目的に使われるようになり、サトシが夢見ていた本来の非中央集権型の通貨とは程遠いものになってしまっている。
しかしながらこのビットコインに用いられているブロックチェーン技術は金融業界のみならず、クラウドファンディングや不動産取引等様々な分野にイノベーションを与えるものであった。今後もブロックチェーン技術は接近しているAIの時代での活躍が期待される。

本書は初級~中級者用に仮想通貨に関連する情報を取りまとめた書籍である。入門書として読むには見慣れない単語が多く時間が掛かってしまうので、より優しい本を読んでから読むといいだろう。

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2017年12月23日

Posted by ブクログ

ビットコインの通貨としての機能が、従来の中央銀行の発行する通貨と比較しながら説明されて、頭では分かったような気がするが、実際使えるのかは、売買してみないと実感出来ない。
今は、他に仮想通貨として、ビットコイン以外にも取引されているようだが、ビットコインに匹敵するものは出て来てない。だからこんなに高騰してるのかなと思うのと、決済通貨というよりも投資投機対象になってる。
中国の安価な電力と、ハッシュ計算専用のASIC開発によりマイナーの寡占化が進み、途方もない無駄な計算している気がする。
高騰したために、海外送金が安くできるという効果は既に果たせなくなってる。

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2017年12月12日

Posted by ブクログ

仮想通貨やブロックチェーンについて概要をコンパクトにまとめている。
以下に興味深かった点を記載しておく。

①ブロックチェーン
従来のデータ管理システムは中央管理型で1つのサーバーに情報が集約され、そこから顧客や利用者にデータを分配する形になっている。これとは対照的に、ブロックチェーンは過去10分間で行われた仮想通貨の取引を1MBのブロックの中に詰めこみ、数珠繋ぎで過去のデータと連結させる。

②ブロックチェーンの改竄
ブロックチェーンが従来のデータ管理と一線を画すのは、データ改ざんの困難さになる。過去のデータブロックと数珠繋ぎになっているため、最新のブロックを改竄するためには過去のデータブロックにまでさかのぼって、改竄するしなければならない。これは処理としてかなり時間が掛かるものであり、1人のユーザーがブロック全体の51%以上を支配下に置かないと実現しないことになる。

③ブロックの作り方
ハッシュ値と呼ばれる関数値をそれぞれのブロックに割り当てられており、ハッシュ値を性格に導くことができたユーザーに新しいブロックを生成する権利が与えられる。ハッシュ値を計算してブロックを獲得しようとする人は、マイナーと呼ばれており、流通しているビットコインのマイナーは高性能のPCを持っている中国系の企業が台頭している。

④本当にブロックチェーンでデータ改竄はなくなるか
ブロックチェーン上のデータを改ざんする場合には、全ブロックチェーンの51%以上を獲得する必要がある。仮に、51%以上のブロックチェーンを持つユーザーがデータを改ざんし、自分の口座に全てのビットコインが流れるようにしたとする。この場合、不正をしたユーザーは短期的には莫大な富を得ることができるが、長期的には他のマイナーが自分のブロック以降に繋がらなくなる。そして、自分のコインの価値を利用することができなくなるのである。

⑤インフレの抑止
ビットコインは2140年までに流通する量が事前に設定されており、インフレが起きないように仕組まれている。

⑥ブロックチェーンの応用技術
日本においては、ブロックチェーンを土地の登記情報に用いることが期待されている。過去の土地保有者から現在の保有者までを数珠繋ぎで保管することができれば、耕作放棄された土地も遡及的に解決できると考えられている

⑦中央管理システムがない
ビットコインにはデフレやインフレに応じて貨幣供給量を変更するような中央管理システムがない。貨幣の価値が減じたり急騰しても、供給量は一定のため、経済情勢に対応できない。

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2017年07月30日

Posted by ブクログ

ブロックチェーンの成り立ちと現状、将来の予測が端的に記されている。仮想通貨についてもビットコイン、イーサリアム、リップルといった代表コインを用いて解説されていてわかりやすかった。

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2017年07月15日

Posted by ブクログ

仮想通貨って何だ?ブロックチェーンって何だ?という僕のようなアナログな人間にもおおよその全体像がつかめる基本書。特にこれらのイノベーションの良い部分だけではなく悪い部分・問題点にも言及している点で好感を持てる。本書を読んで感じたことは、たしかに仮想通貨は、現在の通貨制度、銀行のあり方を大きく変える可能性があるテクノロジーではあるけど、法律上の問題、そして民主的に運営されるがゆえのガバナンスの問題点などまだまだ課題がある。特にハードフォークというブロックチェーンが分岐するような事態は、信頼の根幹を揺るがすことになる。また、マイニングのあり方についても当初の理想からはほど遠いものになっているといえるだろう。これらの問題が解決されなければ、かつてのドットコムバブルのように仮想通貨やブロックチェーンを利用したサービスの多くは瓦解するだろう。

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2017年06月13日

Posted by ブクログ

技術論は、縦書きでわかる程度の説明粒度にとどめ、その代わりに仮想通貨の歴史や種類やインパクトの考察を紹介している。よくこれだけの薄さに圧縮できたものだと驚くくらいの内容の拡がりがある。さすがに日経文庫という感じ。

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2018年10月14日

Posted by ブクログ

ブロックチェーンの技術を用いた仮想通貨についての概要を解説した1冊。技術やサービス内容よりも、既存の中央集権型の通貨システムに対するアンチテーゼとしての仮想通貨の位置づけを説明しているのが興味深い。実用書とはいえないかもしれない。
かつて、情報が中央集権化されていたのを壊したのがインターネットであるならば、通貨による中央集権を壊すのがブロックチェーンと仮想通貨だとする。
一方で、中央で管理する仕組みを持たないため、実際の通貨として用いるには、安全性、安定性に欠けるというアキレス腱を持つことも同時に指摘しており、内容のバランスはとれている。

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2020年04月17日

Posted by ブクログ

 ブロックチェーンの技術ではなく、それの発生経緯や経済や社会に対する影響について焦点が当てられている。

 2008年10月31日、サトシ・ナカモトと名乗る人物から専門家数百人のメーリングリストに送付されたビットコインに関する、A4用紙たった9枚の論文が始まりだった。
 その翌年の2009年、ブロックチェーン最初のブロックは最初の50BTCをサトシ・ナカモト自身のアドレスに送信して取引を成立させた情報が残されている。
 
 ブロックチェーンの技術の肝は、10分ごとに書き換わる約1MBのブロックがチェーンのように無断無く続くことにある。
 この情報のチェーンが長く伸びれば伸びるほど改竄の危険度が低くなる。
 また、数年で半減するビットコインの採掘価値や、インフレを防止するビットコインの限界点など社会経済の観点からも考慮された初期設定であることが分かる。

 しかし、ビットコイン自身にも問題があり、初期からの参入者に有利な設定や、採掘者の寡占、1ブロックの容量不足など技術的課題点は多い。

 将来の金融市場はどうなっていくのか。間違いなくブロックチェーンの技術により、システムコストは下がるはずだ。
 また、ブロックチェーンの技術は金融だけでなく、むしろ暗号化技術としての側面が大きい。
 
 IoT技術の大本命の一つを理解するには、技術面だけでなく、それがもたらす社会経済面を俯瞰することが重要だ。
 また、この一冊だけではブロックチェーン技術に対しては解説が少ないので、技術特化した新書をもう一冊読むことをオススメしたい。

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2017年06月16日

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