あらすじ
京セラ・KDDIを創業し、JALを再建した名経営者、稲盛和夫氏とノーベル賞受賞者、山中伸弥京大教授の異色対談集。理系出身、挫折を繰り返した半生、愛妻家など、意外な共通点を持つ二人の成功の原点は、すべて「失敗」からだった──。
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Posted by ブクログ
覚えておきたい3つのこと
①ビジョンを持つ。明確で、長期的かつ高い目標を。
②地道な努力の積み重ね。結果は、仕事に没頭することにより自然とついてくるもの。
②能力や技術だけでない「人間性」が大切。(謙虚、善行・利他行、私心なかりしか)
Posted by ブクログ
対談である
稲盛さんは、もう、80歳をとっくに越えている。
〇稲盛さん
よく稲盛さんが、叱りとばした話が出てくる。
ただ、人格については、怒らなかったとのこと。ソシテ必ず、最後に、ガンバれよ。とニコッと笑う。
〇山中さん
怒るのは大変なこと。でも、皆に同じように、同じことで、怒らないといけないと、井村きみ江さんという、シンクロのコーチが言っていたという
〇稲盛さん
利多の気持ちがあるなら、怒るべきだということ。だって怒るのは、大変なこと。相手のためだもの。
〇山中さんが、怒るのは、
1、意味のない実験をするな。実験のための実験してる人を怒るべきだということ。
2、コントロールのない実験をするな
3、実験の記録など、後片付けをしない実験をするな。
という、三点。
〇稲盛さん
ips細胞で、人間を長生きさせても、淘汰が、進まず、自然を壊して、
小さな善が、大きな悪になってしまうかもしれない。
科学の発展と、人間の精神的深化のバランスがとれて初めて安定したものとなると思う。京都賞もその事を考えています。
〇山中さん
科学の進歩って、遅いようで、突然、ビュンと進んでしまう。
寿命がのびて、今の世代はよかったらかもしれないけど、次の世代その次の世代にとんでもない負担を負わしてしまうかもしれない。
〇山中さん
人間の真理を少しでも明らかにしたいと、してきたけど、
真理は1割もわかってないし、脳なんて、99.9%わかっていない。人間については、本当に、わからないことだらけ。科学者は、ついつい不遜になって、私達はこんなに理解してると、やってしまう。私達は、1割もわかってないとこで、医学とか医療とかしていることを忘れてはいけない。
〇山中さん
ips細胞って!
皮膚の細胞に 4つの遺伝子しおりを導入することで、ips細胞という本人由来の万能細胞を作ることができました。
全ての細胞は、一個の受精卵からスタートしますから、受精卵のなかには、全ての設計図が揃っています。
細胞にとっての設計図とは、遺伝子です
遺伝子は三万種類。
設計図は全23巻。30億字もあるボウダイなもの。
じつは、それぞの細胞で、しおりのような働きをするたんぱく質がまず作られる。
そのしおりが、30億字ある分厚い本の、あるページだけにピピっと入る。
それによって各細胞はそのページだけを開けて読む ということがわかっています。
つまりもってる設計図は同じなんですが、読むページが細胞によって違うので、違った細胞になっていく。
〇山中さんと稲盛さん
ノーベル賞をとるってこと。結果をだすこと。
実験は、些細なことの積み重ねである。
その時の気温や天気時間全てが影響しているはずである。
なかなか再現できなかった実験結果が、1度再現できるとあとはも簡単にできるようになる、そして誰でもできるようになる、
実験ノートに精神状態まで些細なことまで書いておくと、なぜてきたのかそしてなぜて来なかったのかがわかってきて気づくことができる、
〇稲盛さん
京都賞作ったという理由は
人類の未来は科学の発展と人間の精神的深化のバランスがとれて初めて安定したものになる
と確信しているから。
物事にはインとヨウ明と暗とのように必ずプラスとマイナスという2面的な世界が広がっています。
この両面がバランスよく解明され発展してこそトータルな発展が果たせるはずです。
〇稲盛さん
確かに対し会社経営というのは真面目に一生懸命働けばうまくいくかというと必ずそうではない難しさがある。
でも私が1度も赤字も出したこともなく無借金経営を信条としてきたのは父の影響です。
敗戦後はとにかく何もないんですからあるのはなんとしてでも生きようというバイタリティーだけです。
値決めは経営というのが京セラ哲学にあります。
値決めの目標はお客様が喜んで買ってくださる最高の価格を見いだすことなんです。
仲間もまとめグループの求心力を維持するにはどうすればいいのか
。
やっぱりそこでリーダーの心根立ち居振る舞いが大事になってくるんです。
〇山中さん
臨床医学の世界はきちんとしたマニュアルがあってその通りにやらないといけないんですね。
特に手術は1つ1つ教科書通りに進めていく。
ところが基礎研究は教科書を信じてはいけないという世界なんです。
真っ白なカンバスに何を書いてもいい。自分でテーマを選び仮説を立て実験で確かめる。実験が手順を失敗したおかげでノーベル賞につながったりして予想外なことが起きてもそれが新しい発見につながるかもしれない。
研修医時代に整形外科の医者をしていた2年間。指導医が非常に厳しい先生で2年間ずっとジヤマナカと呼ばれていました
。お前はホンマに邪魔やからジヤマナカやと言われて。
上手い人なら20分で終わる簡単な手術に2時間もかかってしまうんです。
臨床から基礎研究に移ってこんなに楽しい世界があるかと思いました。
〇山中さん
アメリカから帰国してまた鬱になり研究者をやめる手前まで来ました。
アメリカの研究所は分業化が進んでいて実験用のネズミの世話も専門のスタッフがしてくれてサポート体制が万全です。
ところが日本に帰ってきてからはネズミの世話も全部自分でしないといけなくなり研究しているのか、ネズミの世話をしているのかわからない毎日になってしまいました。
またたった1人でES細胞の研究をしていたので相談する相手もおらず、むしろ「その研究が面白いと思うけどもちょっと医学の役に立つことしたほうがいいのではないか」というアドバイスを受けたこともありました。
その当時はマウスES細胞しか樹立されておらず医学の役に立つかどうかがわかっていない。自分がしている研究は本当に人の役に立つんだろうかとだんだん気持ちが落ち込んでいき、そのうち朝になっても布団から起きれなくなってきて、もう研究をやめようとする直前まで行きました。
ところが研究辞める直前にそのタイミングで人間のES細胞が作られたという、ニュースが飛び込んできたんです。
〇稲盛さん
私もファインセラミックスの研究に成功するまではツキに見放されたような人生だったからです。
〇山中さん
研究者として人間として必要なのはVW。
ビジョンとワークハードだと教えられて、米国の研究所では他の研究者の3倍実験していました。
〇稲盛さー
私はやると決めたら悩まないんです一旦やると決めたらうまくいくだろうか不安だなという気持ちは、かけらほどもない
それは1984年の第二電電現KDDI設立の時も
2010年のJALの会長を引き受けした時もそうです
重大な責任は感じますが迷いや不安は一切ありませんでした
動機善なりか
私心なかりしか
自分の名誉やお金儲けのためにやりたいのではないか
本当に世のため人のためになるのかという社会的な利益です
人生と仕事の結果というのは
考え方✖️熱意✖️能力という方程式です
1番大事なのはその人が持っている人生や仕事に対する考え方であり次に熱意、能力は3番目になります。
京セラの幹部連中を見渡してみても辛抱強い馬鹿ばっか残ったなと皆で冗談いってます
澄んだ心で見なければ見えないものがあるんです。