あらすじ
時は宝暦四(1754)年、屑鉄買いの鉄鐸(さなき)重兵衛は下野国の小藩の鉄山奉行だった。藩が改易になり、仲間と江戸に出てきたのだ。その日、飴を目当てに古釘を持ってくるなじみの留松という子が、差し出したのは一振りの小柄(こづか)だった。青く銀色に光っている。重兵衛は興奮した。希少な流星鉄(隕鉄)を使った鋼(はがね)で作られている。しかし、その夜、留松の一家は惨殺され、重兵衛たちは事件の渦中へ……。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
平谷美樹のシリーズ。
ジブリの映画で蹈鞴衆が登場するが、この物語は、そんな人々が主人公である。
お家が改易され、武士を捨てて屑鉄拾いなどで生計を立てている4人は元ある藩の鉄山奉行に関わる人々。
いつも古釘などを持ってくる少年が、小さなこづかを換金しようとやってきた。
一眼見るなりその刃の質が、空から落ちてきた隕石から作った鋼で作ったもので、特殊で素晴らしい出来だった。
ところが換金した夜一家揃って襲われ殺されてしまう。
その仇を討ち取ろうと立ち上がる。
裏には大きな陰謀が進んでいたのだった。
江戸幕府と幕府をひっくり返そうとする集団が、蹈鞴衆を取り込み、大筒や鉄砲をつくり、江戸を攻撃しようとする目論見が密かに大きな規模で進行中だった。
違った角度からの歴史観を主題にしていて、興味深く面白かった。学びにもなった。