あらすじ
美容師の美咲に恋をした晴人。彼女に認めてもらいたい一心で、一度は諦めたカメラマンの夢を再び目指すことに。そんな晴人に美咲も惹かれ、やがて二人は恋人同士になる。しかし、幸せな時間は長くは続かなかった。美咲は、人の何十倍もの早さで年老いる難病を発症してしまったのだった。老婆になっていく姿を晴人にだけは見せたくないと悩む美咲は……。桜のように儚く美しい恋の物語。
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Posted by ブクログ
冒頭の掴み、共感のしやすさ、読みやすさ、キャラの魅力どれをとっても個人的にぶっ刺さった。久しぶりに文字だけで泣いたし。作業の合間にだけ読むつもりがあるときから沼にハマって一気読みだった。
美咲の、衰えていく姿を大切な人にだけは見られたくないという健気で切ない心情に強く感情移入した。兄も優しい人で大好き。
本当に桜のように優しくて儚い小説でした。
Posted by ブクログ
本当に良かった作品で、これをきっかけにもっと小説を読みたいと思えた一冊だった。
あらすじで大まかな展開は把握していたはずなのに、それでも涙が止まらなかった。
迫り来る老いと死の恐怖が心も体も蝕んでいく中で、それでもなお愛だけは手放されずに残り続けていたからこそ辿り着けたラストだったように思う。
また、本作は主人公、ヒロイン、兄、そして兄の婚約者という複数の視点から描かれており、それぞれの立場からの想いを感じながら読み進めることができた。人物ごとの感情が丁寧に積み重なっていくことで、物語全体の切実さがより強く伝わってきた。
ヒロインは老いを受け入れられず、変わっていく自分や周囲に苦しみ、次第に心を閉ざしていく。しかしその一方で、主人公と過ごした日常や記憶だけは変わらずにあり続けているように感じられた。その「変わらないもの」を切り取り、色褪せることなく残し続ける存在として、カメラが象徴的に描かれていたように思う。
主人公は「姿は変わっても日常や記憶は変わらない」という想いを写真に込めて伝えようとした。しかし、変わり果てたヒロインに気づくことができなかったことで、その想いは説得力を持たないもののように感じられ、自己嫌悪からカメラを手放そうとする。
それでもヒロインからの手紙によって、写真に込めた想いが確かに届いていたことを知り、さらに「これからもファンでいる」という言葉に背中を押される。主人公は過去を残すだけでなく、これからもヒロインを想い続けながら撮り続けていくという選択をする。
終盤、変わり果てたヒロインに主人公が気づくことができなかった場面も印象的だった。ヒロインは後悔なくこの世を去り、主人公はその想いを知ることなく、後悔を抱えながら生きていく。
互いの想いが最後まで交わらないまま続いていく時間と、死後には決して知り得ない感情を抱えたまま生きていくという構造が、切なさと余韻をより強く残していた。
泣ける
小説を読んでこんなに泣いたの久々です。私が看護師として働いていた時、美咲と同じ早老症の女の子を見たことがあり、その時の遣る瀬無い気持ちや、大切な人をなくした後の喪失感、死んだような毎日の中でも、体の細胞一つ一つが生きようとしているのを感じたとき、生き物は生きなければならないことを知りました。晴人の心情が当時の私と重なって涙が止まりませんでした。
兄が最高すぎる
美咲の兄が好きすぎる。妹の病気を治すために必死になりながらのたうち回る姿は痛々しくとても心に響くものがありました。ありとあらゆる方法を試して少しでも効果のあると思ったものを試して...結局病気を止めることはできなかったけど、そんな兄が病院を偽ってただ電気を流すだけの詐欺病院に引っかかって何百万とスられて困憊していたときに言った言葉がとても衝撃的で印象に残っています。その言葉を聞いた兄は自分の不甲斐なさに傷つきましたが同時にそれ以上に兄を救った言葉のように思いました。貴司は妹思いで自分の夢を犠牲にしてまで頑張ってきたので、今度は本当に貴司には幸せになってほしいですね。
Posted by ブクログ
とても感動した。
写真展の日に晴人と会う場面はこっちまで緊張したし、気づかれなかった瞬間は悲しくも少しほっとした気持ちもあり、美咲と同じような気持ちになっていたと思う。
恋人が不治の病にかかるという設定は割とあるものだと思うので、その点は少し物足りなさを感じた。
Posted by ブクログ
ハッピーエンドではなく、世の中そう上手くいかないんだなということに気付かされた。好きな人への自分の思いと葛藤が描かれていてとても苦しい気持ちになった。でも、美咲の思いやりには心を打たれた。
Posted by ブクログ
「写真はハサミみたいに思い出を切り取れる」
カメラマンと美容師という2人だからこそ伝わる言葉だと思う。
耳たぶを切ったからこそ、素敵な出会いがあったように、美咲の死から成長したものもある。
美しさも残酷さも経験した晴人の写真から、どんな思いが、願いが伝わるのか見てみたいと思った。
眠たくても読破させられました。
最後に再会する場面は、案外さらっと書かれています。
確かに特に長い時間でもありません。
しかし、彼女にとってはどれだけ待ちわびた瞬間だったか!そこに至る彼女の心理を読み進めるほどに想像して、後半は涙が止めどなく流れてしまいました。
次の日忙しいのにも拘らず、夜中まで読みふけってしまいました。
Posted by ブクログ
泣けるやろうな、でも泣かずに読もうと思ったのに、、ちゃんと泣きました、、
短い期間ではあったけど、思い出の詰まった大事な2人の時間がたくさん描写されていて、なんでこの子がって思ってしまった。
「誰かに愛されるのってすごくいいものよ。きっと女の子として生まれてきた幸せのひとつだと思う。」っていう綾乃さんの言葉が後半にかけてすごく沁みた。
大切な人と過ごせる時間は当たり前ではない、からこそその時その時を大事にしようと思いました!