あらすじ
衰退した幕府を救うため、京の都に旗を立てる! 家督相続を巡る内乱――花蔵の乱――に勝ち、第九代当主となった今川義元。その軍師として、北条家、武田家との間で三国同盟を仕掛けるなど、「戦国大名・今川家」の力を養った太原雪斎。永禄三年、駿河・遠江・三河の兵を率いた義元は、遂に上洛の軍旅を催すのだが……。「東海の覇権」を担った二人の活躍と悲運の結末を描いた力作長篇小説。
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Posted by ブクログ
義元ってゆうか雪斎が主役の小説。でも文章が読みやすく、わかりやすくまとめてあってさくさく読めました。
山本勘助が従兄弟とか面白かったです。
お母さんがすごいなーと思いました。あと信玄、あなたがそれを言いますか(笑)
残念なのは、好きな氏真についてはほとんど触れられなかった事。むしろ人質の竹千代の描写が多く、あんなに立派になったのは雪斎のおかげみたいに書かれていました。たしかにそうかもしれないけれど、肝心な今川家の跡取りの教育は!?と(笑)
最後はあっけなく(指を噛み切る描写とかほしかった!)、義元の活躍も内政以外ではよく伝わらなかった感じでしたが、面白かったです。
Posted by ブクログ
タイトルが「今川義元と太原雪斎」ではなくその逆となっているが、それは基本的に雪斎視点での書き方になっているという点に表れている。
やはり、三国同盟の締結(それに至る武田、北条との立ちまわり)や、今川氏の商業振興のきっかけを作った点等、太原雪斎の大局的な視点を高く評価していていることが強いと思う。
ただ、今川義元に対しても公平な評価が下されており、今川仮名目録の追加を独力で行った点を評価している。
雪斎と勘助が元々知り合いで書状でやり取りしていたこと、武田や北条が雪斎を評価していたこと、桶狭間でやられる直前に義元が良真の亡霊を見たこと、桶狭間が奇襲ではなく信長の謀略であったこと等、どれが定説でどれが著者の推測なのかわかりかねることはあったが、話の流れとしては読みやすかったので、それはそれで良いと思う。
この本を読んだ上での読後感としては、やはり義元が信長にやられたのは時代の流れだったのかなーという点だ。足利、吉良、それらに次いで今川が将軍家の候補だという発想、そういった古い考え方を持った、古い考えの下での優秀な大名であったがゆえに、新しい考えを持った信長にあっさりやられてしまったのかな、と。