【感想・ネタバレ】イワン・イリッチの死のレビュー

あらすじ

一官吏が不治の病にかかって肉体的にも精神的にも恐ろしい苦痛をなめ、死の恐怖と孤独にさいなまれながら諦観に達するまでを描く。題材には何の変哲もないが、トルストイの透徹した観察と生きて鼓動するような感覚描写は、非凡な英雄偉人の生涯にもまして、この一凡人の小さな生活にずしりとした存在感をあたえている。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

あーーー良かった。今読みたい本だった。痒いところに手が届く本だった。
イワンはバカだなあと思う気持ち(イワンのバカなだけに)と、果たして自分は絶対にイワンのようにはならないとは言えるのか、不安になった。怖くなった。
イワンは本当にバカだ。世間での評価しか頭になくて、本当に自分が大切にしたいもの、魂の声を全く聞いていなかった。世間の評価がなぜ大事なのか考えたこともなかっただろう。俗っぽい、つまらない人生。
でも、魂の声を聞き続けるのも大変。そんなのすぐに答えが見つかる問いではない。聞き続ける、探し続けることその自体に意味がある、その行為自体が目的になってしまうようなことだと思う。自分はまだ声を聞ききれていなくて、何が大切かもわからなくて、何をしたいかも不明瞭だしできるかもわからないし、そんな中で余命宣告なんかでもされたら相当の恐怖。なんならお腹が痛くなるたびに将来大腸癌で死ぬ妄想をしてゾッとする。まだまだ死ねない。満足がいく最期を迎えたい。美しく死にたい。そのためには魂の声を聞き続けなければならない。
一つ救いがあるとすれば、こんなイワンでも死ぬ直前には希望の光が見えたこと。直前まで苦しくて辛かったけど、最後の最後で辛くなくなったのはよかったね。ろくでもない人間でも最後に救いがあるというのは素晴らしい。
トルストイ面白かったな、他の作品も読んでみたいな。

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2025年07月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

思った以上に現代的、というか、通ずるところがやけにリアルに感じた。

死ぬ前まで、いや、死んでまでも、分からないこと、気づかない小尾、たくさんあるんあろなー。いろんな本読んで、少しでもいろんな大事なことに気付きたいと思う。すぐ忘れるけど。

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2020年07月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

難しそうだなあと思いつつ、一気に読みきってしまった。
読んでいて胸の詰まるような、苦しい気持ちになりながら。
死ぬ間際の、今までの生活、価値観全てを否定する気づきに虚しさを感じた。
が、現代に生きるわたしたちはどうだろう。
ずっと昔に書かれた本だけれど、今の自分の生活、間違っていないだろうか。
間違いって?
SNSに翻弄されながら、寂しい夜を過ごしたり、
いったい何が本当の幸せなのか。
やはり本当の幸せは、生から解放される瞬間にしかないのでしょうか。

疑心にまみれる人生は苦しい。

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2019年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【感想】
前半はなかなか読み進めることができなかったが、後半から面白かった。死に対しての恐怖、家族への憎しみなどがリアルだった。

【あらすじ】
イワン・イリッチが亡くなり、葬儀が行われる。
イワンの過去について。妻プラスコーヴィヤとの結婚生活は上手くいかなかったが仕事は順調だった。イワンは家の手入れをしていて転倒して以降、腹痛に襲われるようになった。病気のことばかり考えてしまうので裁判の仕事に身を入れようとするが、痛みによって思い出してしまう。百姓であるゲラーシムに看病してもらうときは気分が良い。
妻や子供たちがイワンの病について気遣うが、偽りであると感じ余計に苛立ってしまう。肉体的苦痛、精神的苦痛を感じるが、最期は死の恐怖から解放され光を感じるのであった。

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2020年11月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

思いがけないきっかけで、思いがけない重い病に襲われてしまった主人公。心理描写が秀逸で、読んでいて、つらーくなる。身に染みる。

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2018年04月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ある男の死への道程を描く。トルストイ好きな人ならいいのかも

印象的なのは、一番最後の「もう死はなくなったのだ。」というところ。
ブギ―ポップシリーズだったかで、「生物は生というエネルギーを使って生きているのではなく、死というエネルギーを使って生きているのだ」という考え方に似ていると思った。

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2016年04月03日

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